あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

読書という荒野

2018-07-08 10:02:53 | 

 今までの人生を振り返り、読書が自らをどう変え、また、文芸書編集者となってからは、書いてもらいたい著者の作品を徹底的に読み、著者にプラスになる感想を書き続けた、読書半生を書き綴っています。圧倒的な読書量、透徹した読書論には平伏すしかありません。特に、子どもの頃の読書量は半端ではない。毎日1冊、学校の図書館から借りては読む、ここは並の読書家ではありません。たぶん、子ども時代に読むべき本を読んでいる、この経験が大差を生んでいるのでしょう。

 『僕が考える読書とは、実生活では経験できない「別の世界」を経験し、他者への想像力を磨くことだ。重要なのは、「何が書かれているか」ではなく、「自分がどう感じるか」なのである。』

 『読書はやはり決定的な影響を与えている。本とは単なる情報の羅列ではない。自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する、現実を戦うための武器なのだ。』

 読書における深い意味は人生を決定づけるバックボーンを自らに生み出し、思考する土台を形成することは本書で痛いほどわかる。なぜ、読むべきかは読むことにしか溶出されず、その意味でも編集者・見城氏の血の滲むほどの読書という世界を知ることは、書店人の私にとって、強烈なインパクトです。本を創り出す情熱は商売にも大いなる糧になりました。

『読書という荒野』(見城徹著、幻冬舎、本体価格1,400円)

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