20~30代前半の若い社会人向けに書かれた人生指南書。とは言え、何歳になっても「人生二度なし」であることは間違いないので、年齢に関係なく読んで納得の一冊です。
いかに生きるのかという命題に対して、考えること、職業、友、読書、趣味、先輩や指導者、結婚、そして、健康、時間などの項目別に森信三先生は語りかけています。いかに意義ある人生にするかに関しては、まず、
「人生二度なし」という真理に目覚め、
一生を貫いて、一つだけでも努力すべきことを持ち、
それが人のためになれば良い
と断じています。「人間は各自その素質・天分を発揮することを通して、世の中のために尽くすところ」は自分の職業を持って尽くせと述べられていることは、ただ単に生活費を稼ぐためだけではなく、職に関してどういう思い、理念を自分で抱くか常に考えなければなりません。大きな視野で職を全うする、その気持ちが大切です。
私自身は、活字離れ、読書離れと言われて久しい日本で、読書推進の錦の御旗を振り続けたいと考え、書店業に勤しんでいます。
『人生二度なし 悔いなく生きるために』(森信三著、致知出版社、本体価格1,600円)