あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

もしあなたが、いま、仕事に追われて少しだけ解放されたいと思うなら。

2014-04-19 15:26:52 | 

 1997年、40歳の吉田宏司さんが、グアムから飛行機で1時間のトラック諸島の無人島を購入し、「日本人の心のよりどころになる楽園をつくる!」楽園構想を実行に移しました。島の名はジープ島。島は1周275歩、直径34メートル。手つかずの自然のままの島をできるだけ手は加えずに、宿泊施設を建設し、今では日本から年間1000人のお客さんを向かい入れています。2009年に放送されたテレビ番組「世界の絶景100選」で、ジープ島は第1位に選ばれています。

 その吉田さんは大学卒業後、ダイビングクラブを主宰しながら、約15年にわたり、ダイバーを世界中に案内し、世界中の海に潜り続けていました。バブル時にはゴージャスな生活をしていましたが、バブル崩壊し、自身の生き方に疑問を感じ、冒頭のような楽園構想に挑戦しました。20年弱の無人島生活で、忙しく、また悩める日本人に対してのメッセージが本書です。3つのアドバイスは

 ①ちょっとずつ捨てる

 ②少しずつ始める

 ③ゆっくり続ける

です。簡単なことだとお思いでしょうが、これがなかなか出来ることではありません。例えば、捨てる事象も、ただ単にモノだけでなく、「流される生き方」や「背負っているもの」、「肩書」、「執着」、「常識」、「スケジュール」、「ネット依存」も含まれます。自然の中に我が身を置くことで、本当の姿が見えてくるはずです。吉田氏の言葉は禅僧やタオイストのようであり、それは現代日本人の対極に当たります。つまり、「非日常」を楽しめ!、リセットせよ!ということですね。

 1年先まで予約が取れないジープ島。行ってみたいですね。

 『もしあなたが、いま、仕事に追われて少しだけ解放されたいと思うなら。』(吉田宏司著、KADOKAWA、本体価格1300円) 

 

 

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