あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

阪神なんば線乗車

2009-03-21 18:53:29 | 家族

 大阪市此花区にある我が実家を一家で昨日訪れました。長男、次男の合格祝いを兼ね、お祝いそのものを息子たちが戴きにあがった形になりました。

 実家に帰る時は、板宿から梅田行き阪神特急に乗車し、尼崎で阪神西大阪線に乗り換え西九条で下車するパターンでした。しかし、昨日は、開通した当日の、阪神なんば線の三宮発近鉄奈良行きの快速急行に乗車しました。近鉄の車両に阪神三宮駅で乗る、なんとも変な気持でした。出発までに10数分待ち、尼崎駅では車両連結のためにまたしても数分待ち、結局3台の阪神特急に抜かれるという失態でした。

 「これやったら特急の方が良かったなぁ。三宮以西からやったら関係なしやなぁ。」

 確かに今までは西九条で終点だったために、西大阪線の乗車率は滅茶苦茶低い状態でしたが、昨日は打って変った世界にいる感じでした。西九条の駅もリニューアルされ、故郷の駅もなんや真新しくなり、けったいな気がしました。

 今度は、東大阪の石切に住むおばさんの家に直行しましょうか?

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交響曲第一番

2009-03-21 17:54:21 | 

 全聾の天才作曲家・佐村河内守氏。広島生まれで、被爆二世。四歳から母親によるピアノの厳格なまでの英才教育を経て、作曲家になろうと独学した高校時代から原因不明の身体の変調が彼を襲います。現在に至るまでの症状は、頭鳴症、偏頭痛、耳鳴り、全聾、腱鞘炎、左薬指機能不全、それらが重なり合ってパニック症候群にまで至り、精神にも病の魔力が襲っています。さらには愛すべき弟の死。自らの命を絶つことも数度、しかし、彼には生きる使命がありました。

それは

「私が追い求める真実の音『闇の音』を得るために九十九を捨てる。私には音楽しかない」

ということでした。

仏教に帰依し、ストイックなまでの菜食主義を守り、そして道路清掃のアルバイトの仲間の熱い友情や障害者施設の子どもたちのたくさんな笑顔に援けられ、彼の作曲家人生を歩んでいます。全聾になり、ベートーベンの「月光」のメロディを頭の中に流し、その旋律を五線紙に記譜し、本物の楽譜と照合すると完璧な結果を得られた場面には大いなる感動を得ました。

 

「苦しみ闘う人々の支えになる音楽・・・それは誰よりも苦しみ闘った者の手からしか決して生まれないのだ!」という闇からの離脱、

そして、

「人は闇に堕ちて初めて、小さな光に気づくのでしょう。闇は、痛みと悲しみと狂気にあふれた、生きにくい『深淵の地』です。しかし、闇はその圧倒的な暗さゆえに、小さな光にすら敏感になれる唯一の地でもあるのです。」

という境地に立つ彼の姿は天才芸術家としか考えられません。

 

 本書をお読みになり、実際に彼の音楽に触れていただきたい。私はベートーベンの復活と信じています。(佐村河内守著、講談社、定価1680円[税込]

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