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松浦武四郎 生誕200年記念展覧会

2018年09月18日 | かんしょう
三重県立博物館で開催中の企画展「幕末維新を生きた旅の巨人 松浦武四郎」を観てきました。



〈チラシPDF〉


三重県の歴史的な偉人と言われた時、割と出てくるのは本居宣長と藤堂高虎。
どっちも全国的にメジャーな人物かというと首を傾げたくなるところなんだけど、この数年、頭角を現してきたのが松浦武四郎です。
少し前にNHKの番組で(歴史ヒストリアか何か?)取り上げられ、来春には松本潤主演で特番ドラマも予定されているという注目株の人物。→北海道150年記念ドラマ「永遠のニㇱパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎~」

近世の日本地図と言えば伊能忠敬が有名ですが、伊能図は本州が主であり、北海道(蝦夷地)は本州に近い道南や道東辺りの海岸線を記すに留まっています。蝦夷測量に対する幕府の協力が得られなかった上に、厳しい自然に阻まれた踏破困難な場所だったからです。
 そんな蝦夷を、後に詳細に調べ上げたのが松浦武四郎でした。
 幕末、武四郎はロシアの南下政策で蝦夷が危機にあることを知り、自ら蝦夷を調べに向かいます。その後、江戸幕府に認められて、命を受けての探査へ赴くことになり、アイヌの人々の助けを借りて驚くほど詳細な記録を残すのです。
 武四郎が幕府の命を受けるに至ったのには大久保利通の推挙があったからなのですが、この頃の武四郎の交友関係がすごい。歴史上の名だたる人物が出てきます。
 西郷隆盛、木戸孝允、勝海舟、吉田松陰、坂本龍馬…もう、これは大河ドラマ作るしかないんじゃないかと思ってます。特番で終わらせるのもったいない!
 来年は生誕200年の上に北海道命名150年と重なるため、このところ様々な企画が催されています。昨秋も三重県の総文センターで講演会が行われていたので参加したのですが、その時に聞いた逸話がどれも面白くて、生き様が本当に魅力的な人物です。
 だいたい、旅の巨人と言われていますが、最初の旅は家出から始まっています。それも、自分の趣味の蒐集で金に困って恩師の大切にしていた「火事頭巾(確か、誰ぞに賜った由緒ある品)」を勝手に売却してしまい、それを隠したまま逃げているんです。(すぐばれて、家の者が後始末してますが)なんて破天荒な
 そして、退官後も健脚ぶりは健在で、60代終盤から亡くなる前年の70才まで大台ヶ原に登っています。
 この地域の人にしか分からないだろうけど、大台ヶ原ってのはものすごい山深い場所で、屋久島と並ぶ日本の降水量のトップ。急勾配のため踏査する人が少なく、もちろん当時は拓かれた場所ではありませんでした。そんなところに死ぬまで登るジジイ…ただ者ではない!→大台ヶ原とは
 河鍋暁斎に自分の涅槃図を描いてもらってるのは美術ファンに響くし、アイヌの生活向上に尽力した点においては民族保護の観点から研究の余地がまだまだあります。蝦夷のことを書いた本を出版してブームも起こしたらしいし、ホントもう、若い頃から最晩年までエピソードが満載です。
 おまけに2020年には最後の国立博物館になるだろうと言われている、アイヌ文化博物館(仮称)が開館予定です。
 2020年なのはオリンピックに合わせての事らしいですが、こんな人物、大河にするしかないでしょー。

 この展覧会はそんな武四郎の足跡をたどることが出来ます。
 北海道の社会科の教科書には必ず出てくるという松浦武四郎。三重県人はもっと彼のことを知って、誇りに思うべきですよ。

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