アバウトなつぶやき

i-boshiのサイト:「アバウトな暮らし」日記ページです

ガウディ、ミロ、ダリ、ヤノベケンジ

2005年08月13日 | かんしょう
 ご主人さま&長男は福井県の知人宅へ。残されたワタクシ&次男は家に居るのもなんなので(別に居ればいいんだけど)シロウタを誘って愛知県豊田市の豊田市美術館へ行ってきました。
 現在「ネイチャー&アート ガウディ ミロ ダリ」展を開催中。
 シュールレアリスムが好きなワタクシにとっては、とても興味ある展覧会です。もっとも、年を重ねたせいか以前ほど好んで観に行くことは減ったのは事実。シュールはどうしてもエネルギーのようなものが必要なので、若い時ほど熱狂的に観に行けないと言うか、なんと言うか…。それでも、機会があれば足を運びたいところではあります。
 この展覧会。入ってビックリ、とても変わった展示方法でした。
 テーマがスペインのカタルーニャ地方が輩出した芸術家ということで、入るとまず映像があるのです。その映像は、芸術作品を紹介するものではなくてカタルーニャの風景を映し出したもの。
 その映像の部屋を抜けると3人の作品が順番、ではなくて部屋を平行に3分割して配置してあります。それを分けているのは壁ではなくて布。あまり広い展示室ではないので作品数も少ないのですが、その薄くて透ける布(名称分かりません)のおかげで圧迫感はなく、かつ一体感があり、そのくせそれぞれの個性を殺さないという斬新な展示方法でした。
 次の部屋にはミロの版画作品(「太陽の賛歌」でいいのかな。次男を追いかけながら通り過ぎたのでろくに観てない…惜しい…)が展示されているのですが、それの展示方法も木で組んだ枠にガラスをはめ込み、透明シートとスリガラス様のシートを密着させる事でそれを挟みこんでいました。遠目に見ると、スリガラスの中に太陽や月が浮き上がって見えて清々しい明るさがあります。ふむ、これもなかなか。
 同じようにこの展示方法が気になって仕方なかったシロウタは、学芸員のおねえさんを捕まえてどうしてこんな手法を取ったのか尋ねたんだそうです。そしたら、美術館側の意向ではなく、スペインから来たスタッフが何から何まで設置していったとか。なるほど、専門のスタッフが企画したものだったわけですね。

 やたらと展示方法ばかり気にしてますが、作品として目を奪われたのはガウディです。
 アントニオ・ガウディは有機的・曲線的、破砕タイルの装飾で有名なスペインを代表する建築家。一応は建築デザインを学んだワタクシですが、建築をしていた頃は装飾が過剰に見えてあまり好みの建築家ではありませんでした。
 しかし、ランドスケープデザインとして公園で破砕タイルを取り入れたデザインを見てから、改めてガウディの作品集などを見ると、その造形の深さに驚いたものです。あのこだわりは建築家というより芸術家と言うのが正当であると思わずにいられません。(実際、芸術家として知られているわけですし)
 スペインを訪れた事のないワタクシにとって、ガウディの作品を目の当たりにするのは初めて。
 本物を見て初めて「なぜガウディはあの美しいタイルをわざわざ破砕するのか」という、色んな研究家が説いている問いを理解する事が出来ました。写真を見ても、著書を読んでもイマイチ理解できなかった事が一目で伝わってくる。これが美術館へ足を運ぶ醍醐味だと思います。
 ガウディの頭がイメージする空間は凡人ではきっと伝えきれないほどの容量があるのでしょう。装飾のひとつひとつが空間を表現しているのです。あれを表現するには平面的なタイルでは表す事が出来ないのだ、と痛感せざるを得ませんでした。
 なお、この文では「どんなに圧倒する作品が並んでいたのか」と思われるかもしれません。でも、出品はおそらく20点程度。決して広い展示室ではないのです。

 ダリとミロは初めて目にする作品ばかりでしたが、他の作品を知っている事もあり、インパクトは強くありませんでした。久しぶりにミロを観て、かるーく「あ、これカワイイなぁ」とか「これ、何が描いてあるんだろう?」と思ったりして。シュールは、絵の中に入り込めないとただの落書きと紙一重ですもんね…(あぁっ、なんちゅー恐ろしい発言を。でも、そう思うんだもん)。

 それと、同時開催で「ヤノベケンジ キンダガルテン」をやってました。
 これ、すっごい楽しい!うちの次男ははまっちゃって、映像作品「森の映画館」前で動かなくなったばかりか家に帰ってからも作品のフレーズを口ずさんでます。
 ま、アトムスーツに関しては考えさせられるんですけど「トらやん」というキャラクターですっごく楽しい作品となってます。そういや職場の女の子達が少し前に金沢の美術館のセレモニーに行ってたけど金沢21世紀美術館のことかな?それなら、ジャイアント・ト・ら・や・んを知ってるかもしれないな。
ヤノベケンジのサイトはコチラから→ http://web.iminet.ac.jp/yanobe/
 豊田市美術館、なんだかとっても開放的で、子連れで作品を観ていたら「どうぞお写真撮って下さいね♪」と声をかけられちゃいました。美術館でそんなん言われたの初めてです。インスタレーションだからなのかも知れませんけど、驚きでした。
 そうそう、ココの美術館、もっと驚いた事があります。その話は次回に…。