語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】人間が借りているもの ~宗教と資本主義・国家~

2018年04月01日 | ●佐藤優
 <【これからの国家と宗教との関係について】
 重要なのは「無関係の関係」をつけていくことです。
 これは言葉のあやではありません。ある人の生き方を見る。苦しいときに具体的に自分の助けてくれた人。自分の可能性を見て引き上げてくれた大学の先生。間違えた方向に行き、危ないことをしようとしたとき--昔だったら学生運動、今だったらテロリズムですね--カラダを張って、止めてくれる人がいた。
 その人はなぜ、私とかかわらなくてもいいのに、かかわってくれたのか? ワンクッション置いて、数年を経てから考えてみると、その人の背後に宗教的な信念があったからだとわかります。信仰があったからだと気づいたときに、人は感化されると思うのです。
 自分たちの人生を通じての変化が、影響してくると思います。宗教教団が何らかの声明を出したり、なんらかの大衆行動をしたりすることで、表面的な圧力団体として国家に影響を与えることはできても、人間の心の中まで入ってはいきません。そのようなことを考えています。>

□池上彰・佐藤優・松岡正剛・碧海寿広・若松英輔『宗教と資本主義・国家 激動する世界と宗教』(KADOKAWA、2018)の「第Ⅲ部 総合討論」の「パネルディスカッション」の「人間が借りているもの」から一部引用

 【参考】
【佐藤優】行動経済学とファシズムの親和性 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】宗教とジャーナリズム ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】宗教者とは、貧しき者、虐げられた者たちとある者だ ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】キリスト教にとってのお金 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】オウム事件が他人事ではない理由 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】革命再考 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】時間とお金を何に使うか ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】資本主義的な論理を超えて ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】「本来の宗教」は存在するのか ~宗教と資本主義・国家~
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【佐藤優】独身であることと権力 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】個別性と普遍性 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】宗教に関する訳語 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】宗教が土着化するということ ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】沖縄における魂観 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】国が追悼施設をつくるべきではない(靖国問題) ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】「国家主義教」 ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】出世教、学歴教、etc. ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】お金という神さま ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】人間の思考と魂の根底に迫る ~宗教と資本主義・国家~
【佐藤優】『宗教と資本主義・国家 激動する世界と宗教』の目次


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