鶴岡まちなかキネマのチケットカウンターで
「わたしは『散り椿』、こっち(妻)は『万引き家族』をお願いします。」
よく考えたら散り椿には奥田瑛二、万引き家族には安藤サクラが出ている。夫婦で奥田家に貢献しています(笑)。
享保年間。藩の不正を追及し、結果として藩を追われ、次々に刺客を送り込まれる新兵衛(岡田准一)と妻(麻生久美子)。労咳を病んだ彼女は、夫に「故郷の散り椿を見てほしい」と願う。そしてもうひとつ……
新兵衛の帰郷は、誰からも歓迎されない。妻の妹(黒木華)をのぞいては。愛するもののために、できることをする、と心に決めた新兵衛だが、かつての友、榊原采女(西島秀俊)との間に、隠しきれない屈託があった。
椿はもちろん血を象徴している。
画面には出ないが妻の喀血や、終盤の壮絶な斬り合いにおける過剰なほどの鮮血を(だから前半はほとんど血が映し出されない)。
大(声もでかい)撮影監督の木村大作作品。セットを組まず、オールロケ。脚本は同じ葉室麟の「蜩ノ記」を映画化した小泉尭史。
黒澤明の作品からスタートした彼らなので、インスパイアされたに違いないシーンがいくつも。だいたい、タイトルだって三十郎が出てきそうじゃないですか。
懐手(ふところで)の岡田准一が、三船敏郎に見えなかった人はいないでしょう?新兵衛を用心棒にするあたりの展開も憎い。川のなかを馬が疾走するシーンなど、映画人の誰もが撮りたいと思ったはずだ。
にしても凄かったのは岡田准一が主導したという殺陣。ふつうの間合いからもう半歩から一歩近づいて、激しく刀を応酬させ、脇差しを押さえこむ。すばらしい。
驚くほどのキャスティングも実現している。事前に情報を入れないようにしていたので、次から次へと味のある俳優が出てくるのでうれしい。
池松壮亮、緒形直人、駿河太郎、柳楽優弥、富司純子、新井浩文、ナレーターは芸能界でいちばん指のきれいなあの人……ああそれなのに、なんで肝心の榊原采女の養父の役に無名そうな俳優を……あ、木村監督自演でしたか(笑)。
予想したよりもずっと面白い映画でした。監督、次も時代劇でいきましょう。
発想がすごいと思った。
そして現実にそのように見えてくるとは。
最後のアクションは、ワイルドバンチである
と同時に高倉健と池部良だよね。
家族全員鑑賞)しています。
やはり“動”の彼は良いですね!殺陣が見事!
所々三船敏郎に見えるのもまた良い。
二人で歩くあの場面もワイルドバンチの
決闘の場に向かうようでここも痺れました。
ただ次作がホラーの「来る」なので一部
家族が鑑賞を悩み中みたいなんです…
この前、教誨師みましたから、こういうのひさしぶり。