事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「何者」 朝井リョウ著 新潮社

2013-11-21 | 本と雑誌

147421_9605757_0 シューカツ、に血道を上げなければならない、という一点だけでも今の学生はしんどいと思う。

いやわたしの頃だって不景気まっただ中。文学部などというつぶしのきかない、しかも(単位数が少なくて)卒業見込証明書すらとれないので学生課に頼み込みに行くような不真面目な学生にとっても、確かに就職戦線はきつかった。あ、戦線ってそのころから戦争だったのか。

しかし採用担当者はいまほど上から目線で語ってはいなかったし、これほど多くのNOを突きつけられることもなかった(それほど受けてないけどね)。なにより、面接のためにそこまで自分自身を見つめなければならないなんて……

朝井のこの作品は、そのシューカツの過程で、(ちょっとネタバレになるけれども)SNS、ブログなどで武装し、かろうじて自分を守ろうとする学生たちの葛藤を描いたもの。

武装であると同時に、自らをも痛めつけてしまうそれらツールを、弁護も糾弾もしていないところがいい……てな生意気な話をブログでされても、ですか。そうですか。

何者 何者
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2012-11-30
コメント
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