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YouTube: Nile Rodgers - Axel.F (Beverly Hills Cop 3 Soundtrack)
その1はこちら。
これまでも政治家の失言は数多くあった。首相にかぎっても、吉田茂の「バカヤロー」や、現副総理の連発など、枚挙にいとまがない。
しかし今回の失言、というより確信的な発言はちょっと色合いが違う。明らかに、選挙民へのアピールを含んでいるのだ。背景に尖閣や竹島問題があり、どうもすっきりしない現状を打破するのは俺たちだと主張したいのだろう。ネット上では彼らの発言に「事実じゃないか」としたり顔で語っている無名者が跋扈しているだろうしね。
マスコミの側も(すべてのマスコミとは言わないが)、橋下市長らの過激な発言の恩恵をうけていたことは確かだ。建前を捨て、自分からは決して言えない主張を代行してくれるのだから。
今回の慰安婦発言にしても、保守派のメディアは言いたくて言いたくてたまらなかったのではないのか。そして結局、受け手であるわたしたちの側も歓迎した形になっている。そうでもなければ、あれだけの極右の支持率が高かった理由がわからない。
そして世間の反応を見て修正し、反省して見せ、結果的に好感度が残るような展開にもちこむのが橋下流。だから彼にとって本当の危機は、マスコミが相手にしなくなることだ。鮫が泳ぎをやめると死んでしまうように、彼は常に発信し、物議を醸し、修正し、反省して見せる。基本的にこのくり返し。
ところが、今回の騒動は少し違った展開を見せた。アメリカが公式に批判を始めたからだ。
およそ冷静になれば、公党のトップが「兵隊の性欲を処理するために風俗を利用しろ」と申し入れることの異常さは誰でも気づく。でも橋下市長とすれば、例によって本音をかましたのだからあとで謝罪しておけばいい、主張してみせた事実は残ると思ったのだろう。ネット右翼も歓迎してくれるだろうし。
でも、アメリカはそのゲームに参加してはくれなかった。
これはショックだっただろう。だから一拍おいて、橋下は今度はアメリカ批判を開始している。本音ではまずったと思っているくせに、他者への攻撃をやめることはできない。鮫。
わたしは自戒を込めて思う。国際関係と語りながら、ついつい自国の理屈だけでものを考えていないか。いやな感じを抱いているのは、まさしく他国民であることを忘れてはいないかと。そしてつくづく思う。この人が日本のトップに立ったらどうなってたんだ……
本日の一曲は、ビバリーヒルズ・コップのテーマ曲「Axel.F」もともと好きな曲ではあったけど、ナイル・ロジャースのバージョンは渋い。もちろん映画よりも好き。