待ってる 橘屋草子 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2009-02-05 |
悪役もふくめてキャラの濃い人物がたくさん出てくるけれど、多代という支柱があるために、まるで「七人の侍」がチームとして成立する過程を見ているみたい。あ、すると多代は志村喬っすか。
こうなるとラストはちょっと急ぎすぎた感じ。「弥勒の月」と両輪でシリーズ化するという線もあったと思うなあ。なにしろやっぱりあさのあつこは時代小説にかぎりますもの。
なんで時代小説じゃないとしんどいかというと、登場人物たちのキャラが“理にかなっている”あたり。
これが現代劇だったら、わたしは「ちょ、ちょっと待って。そりゃ確かにこういう人はこういうセリフを言うだろう。でも、そこを裏切る部分がふつふつと煮立ってるのが現実じゃない?」と突っこみたくなるから。時代劇は、定型を守ることでむしろ引き立つわけだしね。現実のわたしは、煮立ってます。