事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

大阪の“維新”

2011-09-06 | 受験・学校

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YouTube: Streets of Fire -Fire Inc.-1984-Tonight Is What It Means To Be Young

ポピュリズムとは何か、近ごろ考えさせられることが多い。大衆迎合の果てにやってくる破綻こそ、大衆をもっとも痛めつけるはず。で、その典型である大阪の事例が泣かせる。大阪維新の会のめざす内容は、たとえばこんな感じ。

・職員基本条例案
職員を5段階で評価し、最も低い評価が2年連続で続いた場合は分限処分、さらに君が代の起立斉唱を念頭に、同じ職務命令に3回連続で違反した職員は分限免職とする。

・教育基本条例案
知事や市長が学校の実現すべき目標を設定。教育委員が目標を実現する責務を果たさない場合は、議会の同意を得て罷免できる。校長・副校長を公募し、校長に人事権や教科書採択権を与える。

11月にそのままの形で議会に提案されるかは微妙なところだろうが、それにしても分かりやすい。維新、の正体が見える。公務員という“敵”を想定し、そこをぶっ叩く姿勢を見せてその勢いで……

しかし教育界は批判的だろうと思ったら、お膝元の某府立高校の校長の意見が内外教育9月2日号に載っていて、これがまた泣かせる。

「戦後のGHQの戦略もあり、教育の政治的中立性という言葉が独り歩きした感があるが条例による教育への関与は法の予定するところである。公立学校を含む教育行政が、選挙で選ばれる議会が制定する条例に服さなければ、もはや民主主義は成立しない」

「日本の憲法・法律には西洋からの借り物が多く、自ら血を流して勝ち得た憲法・法律という意識が希薄である。言論統制のない現在の日本で平等選挙を通じて成立する議会の独裁を恐れる必要はない」

「日本では、大学院卒業や豊富な実務経験も無くすぐに教壇に立つことができる。ベテラン教員であっても、公務員以外の社会経験は不十分で、世界情勢に精通しているとは言い難い(教員批判ではなく職務の性質上やむを得ない)。」

「教職員だけが教育目標を定めていては方向を見誤る。選挙を通じた民意の反映が不可欠である。」

……教育界の側から、むしろ歓迎するお言葉が。『言論統制のない現在の日本で平等選挙を通じて成立する議会の独裁を恐れる必要はない』と断言できる楽天的な方々が少数派であることを祈る。わたしが考える民主主義とは、こういう動きを“危ない”と考える人がある程度存在することなのだが。

本日の1曲は、世にこれほどかっこいいPV(映画だけど)はあるまいと思える「ストリート・オブ・ファイヤー」いつか特集します。

コメント (2)
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