事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

龍馬伝~第15話「ふたりの京」

2010-04-11 | テレビ番組

Baishou03  第14話「お尋ね者龍馬」はこちら

前回の視聴率は18.5%。そうかあ、このあたりでしばらく推移するのかな。今回は自分がピンチ。「ザ!鉄腕!DASH!!」のソーラーカーだん吉の最終回に心ひかれたから。でも、新シリーズが始まりそうだったので安堵。酒田にも回ったらしいあの頃、ちょうど海岸線の学区にいたのでシンパシーありありだったので。あ、結果的にいまでもいるんだけど。

さて、今回の「龍馬伝」は福田靖らしさ爆発。
龍馬(福山雅治)と加尾(広末涼子)の初体験(ほんまかいな)と、人斬り以蔵(佐藤健)の二人目の暗殺をシンクロさせる露骨ぶりが、いかにもいかにも。

龍馬との別れを告げる加尾が、建前である京都弁と、本音である土佐弁を使い分けるあたりもいかにも。時代の怒濤が、龍馬にも加尾にも、そして以蔵にも、もう子どものころのような平和な日々は訪れないと知らしめる安寧の一日。

暗殺者である岡田以蔵が、まるで中村主水のようなコスチュームになるあたりは、京都の寒さを感じさせて効果的。誰も必殺シリーズを江戸のお話だとは思ってなくて、撮影場所である京都を意識しているしね。次第にこれから、以蔵の暗殺の方法も洗練されていくのだろう。京都を去る加尾が、いかにも京風のお辞儀をして土佐に向かうように。

いよいよ次週からは江戸に舞台がうつる。どうやらこのドラマでいちばん人気が出ているのは貫地谷しほりらしいので、今度こそ視聴率はアップか。うーん20%ジャストと読みました。

第16話「勝麟太郎」につづく

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「オー!ファーザー」 伊坂幸太郎著 新潮社

2010-04-11 | ミステリ

51yzviobl7l  主人公は高校2年生の由紀夫。恋多き母親のせいで、4人の父親を持つ身だ。ギャンブル好きで、直感で生きている鷹。格闘マニアの中学教師の勲。元ホストで女に目がない美形の葵。いつも本を読んでいて思索的な大学教授の悟。このなかの誰かが、由紀夫の本当の父親らしいが……

 今回の英語題名は「a family」。日テレで若き石立鉄男が主演してもおかしくないようなテイスト。この一家が県知事選がからんだ奇妙な事件にまきこまれ、いかに解決(っていうか)していくかが一応のストーリー。

 4人の父親たちのキャラは明らかにビートルズを意識していて、それぞれの特殊能力(陽気なギャングほどではないけれど)によって息子を守る過程は、笑わせると同時にかなり泣かせもする。

 前半でばらまいた伏線(電線、手旗信号、「E.T,」の着メロ、ドッグレース……)が後半にキチンと刈り込まれるあたりの手際はさすが伊坂幸太郎。ただ、あまりにうまく収束するものだから、小さくまとまりすぎじゃないかとも思える。伊坂もいささか(シャレじゃないです)そのあたりは認識していたようで、単行本化するのに三年もかかってしまっている。その反省をもとに書かれたのがあの「ゴールデンスランバー」なのだから、この若き作家は日々成長しています。

 にしても、ジョン・レノンを彷彿とさせる「鷹」の警句はおみごと。

「あのな、大人の役割は、生意気なガキの前に立ち塞がることなんだよ。煩わしいくらいに、進路を邪魔することなんだよ」

「恰好好い大人の大半は雀荘に集まってんだよ」

「それはこのレース場に限ったことじゃねえよ。社会全体がそうなってんだって。見た目は、優しく、平和で、みんな平等みたいに見えるけどな、中を見てみりゃ、勝ち負けと不平等の横行する、きな臭い賭場みてえなもんだ」

……父親になりたてだった伊坂が、息子に言い聞かせたいことを鷹に代弁させているのがよくわかる。気持ちのいい、父と息子の物語。それにしたってオヤジ4人ってのはしんどいけど。

コメント (2)
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