事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

龍馬伝~第16話「勝麟太郎」

2010-04-18 | テレビ番組

Takedatetsuya02 第15話「ふたりの京」はこちら

前回の視聴率は18.4%。「わが家の歴史」の2回目とタメ。どうなんだろう、健闘なんだろうか。

仕切り直しの今回はいよいよ龍馬の人生に最大の影響を与えた勝海舟(武田鉄矢)との出会い。新解釈で、別に龍馬(福山雅治)が海舟を暗殺に訪れたわけではない経緯が語られる。司馬史観そのまんまじゃないぞというわけだ。

松平春獄に会うのが意外に簡単で、貧乏旗本だった勝麟太郎に会う方がよほど難しかったという設定には疑問もあるけれど。

龍馬に誰よりも思い入れがあるのが武田鉄矢であることはみんなが知っていることで、どうやら福山雅治あたりはそれに辟易しているらしいのが今日のTalking FMで感じられて(あくまで、うっすらとですよ)笑わせていただきました。そうなんだろうなあ。もうちょっと勝海舟は含羞のある人物のはずだけどなあ……と、誰もが幕末の“主要人物”に自分を仮託するあたりが人気の秘密かも。

おおざっぱなわたしの幕末への印象をここで明かしておくと、人間としての器が大きかったのは勝海舟と西郷隆盛。よくわかんないのが坂本龍馬。他の人の評価はマニアの怒りをかいそうなので(笑)
でも、それでもわたしが“登場人物”として大好きなのは大久保利通であることは変わらないんですけどね。みんながみんな大きかったら維新なんて成就しませんて。

さて、龍馬よりももっとはるかに大きい存在だったかもしれない山内容堂がおもてに出てくる第17話「怪物、容堂」につづく。こりゃー楽しみだな。柳ジョージ聴きながら待ちましょう。

今回の視聴率は……うーん、19%ジャストでどうでしょう。

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「人情紙風船」 山中貞雄監督作品

2010-04-18 | 邦画

Ninjokamifusenp かの有名な山中貞雄の遺作を初めて拝見。

冒頭から長屋に住む浪人の首くくり。なんちゅう暗いオープニング。しかし落語でおなじみな熊さん八っつぁんたちはそれ自体に感情移入を見せず、「寄り合い酒」のように大家をだまくらかして通夜に興ずる。

仕官がかなわずにいる浪人(河原崎長十郎……四代目)は、妻をなだめながらプライドを捨てて亡父の友人に仕官を頼むが、まるで相手にされない。

享楽的な長屋の住人のひとりであるかに見えた髪結いの新三は、ひょんなことから嫁入り前の質屋の娘を誘拐する。浪人と髪結い新三の動きがひとつになったとき……

オープニングよりももっと暗いエンディングに向けて、ドラマは絶妙な語り口ですすむ。いまではおよそ実現できないような江戸情緒。この映画の60年前には、マジでみんなちょんまげを結っていたにしてもこれはすごい。

後の任侠映画もかくやと思われるような意地を見せる新三を演ずるのは中村翫右衛門。これが、粋なのだ。生き続けることを途中で放棄した男のいなせな姿に紙風船がかぶる。うまい。

港座のスクリーンでなければ、およそ観ようとは思わないストーリーだったけど、まさかこんな傑作だったとは。

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