事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「わが家の歴史」(フジテレビ) 第一夜

2010-04-09 | テレビ番組

Shibasakikou04 8時間!

いくらなんでもそれだけの長丁場は……三谷幸喜の最新作だ、つきあってみよう。フジテレビ開局50周年特別企画を、主役を柴咲コウでかまそうというあたりに気合いを感じる。西田敏行は意外なほど退いた役だったし、あふれるほどの有名人との遭遇も、八女(やめ)家の長大なストーリーにはほとんど影響しそうにないあたりがいい(笑)。

佐藤浩市、山本耕史、鈴木砂羽の「新選組!」組の活躍にとにかく期待。第一夜はさっそく佐藤と砂羽があの大河ドラマそのまんまの役柄で笑わせてくれる。外面はどうあれ、弱さをかかえつづける芹沢鴨と、愛した人間に限界知らずに愛情をそそぐ強い女……なつかしいですな。

ま、そんなことを言いつつも、猫を抱えながらボーっと見ていて思ったことは「いやー榮倉奈々って、マジで背が高いんだなあ」とか「高倉健を小栗旬にやらせようと考えたヤツはえらい」とか。8時間をすごすには、特にフジテレビにチャンネルを合わせながら(死語だけど)すごすには、正しい態度ではないかと……すんません言い訳です。

大河ドラマでは抑制されていた「~のちの、○○である」というフレーズの連発も、無名の一族の物語にはフィットする。おそらく、三谷幸喜もほんとうは「新選組!」で、やりたくてやりたくて仕方のなかったことなのだと思う。いやー気持ちいい。

第二夜につづく

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「シャッターアイランド」Shutter Island(2010 パラマウント)

2010-04-09 | 洋画

Theshutterisland01 「ミスティック・リバー」のデニス・ルヘイン原作の同名小説をマーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオ主演で映画化。1954年、失踪した女性患者の謎を探るためにボストン沖の孤島に建つ犯罪者用精神病院を訪れた米連邦保安官テディ・ダニエルズ(ディカプリオ)に次々と不可解な出来事が起こる。

……もしもあなたがディカプリオのファンなら、そしてスコセッシの映画がお好きならば、なるべく早く劇場にかけつけることだ。よけいな情報を仕入れる前に。まっさらな気持ちでこの作品に向き合えば、それだけ楽しむことができる……かなあ。

 ってことでさっそくよけいな情報をバンバン提供しましょう(笑)。どう語ってもネタバレになりそうなので慎重に。

 かまえとして、完全な密室から女性患者はいかにして消え失せたか、を連邦保安官であるディカプリオが捜査する過程を描いている。ところが、その回答は“密室の中だけが正常で、外の世界の方がゆがんでいた”形になっている。わけわかんないですか。よかった。ネタバレになってないな。

 どんでん返しが連続する展開に、観客の半分は激怒し、半分はニヤリと笑うことでしょう。スコセッシの作品のなかでは「ケープ・フィアー」に肌合いが近いかもしれない。ロバート・デ・ニーロのそっくりさんが重要な役で出てくるし。

 オープニング、ディカプリオが船酔いに苦しんでいること自体が作者の罠。そのあたりは周到なんだけど、この島(Shutter Islandという名前もひっかけになっています)に猛烈なハリケーンが襲ってくる事実との関連がちょっと弱い。それに、名監督ではあるけれど、スコセッシはやはり不器用で、ホラーには向いていないんじゃないか。イーストウッドが同じルヘインの「ミスティック・リバー」をクールに撮った手際に遠くおよばない。

 それからね、パラマウントピクチャーズジャパンは、立ち上がったばかりだから気負っているのはわかるけど、超日本語吹替版(芸人を使うわけじゃなかったんだね)とやらをぶちあげたり、「結末を絶対に話さないでください」なんて字幕を上映前に流したり、どうも意欲が空回り。特に、「しぐさや表情にご注意を」って字幕はなあ。おそらくはラストのディカプリオの行動に注意を向けたかったんだろうけど、はっきりと、よけいなお世話です。あ、オレはそんなこと言えないのか。

 音楽は「ラスト・ワルツ」つながりでロビー・ロバートソン。エンディングに流れるのはダイナ・ワシントン。スコセッシは相変わらず音楽には強い。

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