ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

初夏の兆しかな

2013-05-31 | 日記
雄山神社の境内を散策。
おや?
今日は風が違いますね。
そんなことを言うと、

「宇宙人っぽい」

と言われます。

おろ?
鳥のさえずりが今日は違う。
新顔でしょうか?
涼やかですね。

さて、
緑が美しい季節となりました。


美しく咲いているのは、

手鞠花でしょうか…?

散華の如く~父と子と、精霊と~

2013-05-31 | 散華の如く~天下出世の蝶~
お月様を背に、再び、
ゴロンと寝そべって、
信長「親父殿は、明智の奥方を如何に思っておったか、濃?」
やはり逆光が、発言の意図と、
表情と、その心を読ませない。
帰蝶「さぁ…。私、人の心など読めませぬ。ましてや、父の心など…」
嫁いで十余年、父の死去から四年過ぎ、
「近くて、遠い存在となりました」
遠くにおられる、お月様を眺めるため、
信長「ふん」ゴロと、私に背を向けた。
新婚の、あの夜と同じお月様は、
悩む若夫婦を、煌々とあざ笑う。
帰蝶「殿、あの時の月夜…覚えておられますか?」
信長「知らぬ、忘れた」
帰蝶「私も、そんな昔、とう忘れてしまいました」
私が嫁いで間もなく、織田の父秀信様が流行病で急逝、
その後、平手様の諌死と続き、殿は父の肖像を失った。
父の理想を闇夜で模索、答え無き問いに答えを求める。
まだ若い父の肩から背中にかけて、ゆっくりと撫でて、
「父は父、殿は殿。殿が父、これからにございましょう」
華奢な体に備わった筋骨。逞しい筋肉がそこにあった。
反面その内面は起伏が激しく、敏感で、繊細であった。
信長「濃よ。そなた…尾張の妻で良かったか?」
帰蝶「どこの姫が好き好んで、うつけの妻に成りましょう?」
そう言い返すと、
信長「…」
大きなネネが、黙ってしまった。
帰蝶「…私、母の心知りませんが、マムシの娘で良うございました」
信長「そうか」この私の言葉で、
殿のいかった肩が少し下がった。

散華の如く~キツネ様の、化けの皮~

2013-05-30 | 散華の如く~天下出世の蝶~
私が直接頭を下げることで、
話が早くまとまると考えた。
表情の見て取れぬ書状より、
私が顔色を読み量った上で、
話を取りまとめた方が得策。
それに、
帰蝶「明智様は…」
少々気難しい方で、
“明智は分からん…”
父は、決して腹を見せてはならん、
そう言っていたのを、覚えている。
信長「腹を見せるな、と?」
帰蝶「寝首を掻きに来るというのです」
だから、明智方から人質として、
小見方…母を継妻に持ってきた。
信長「ほぉ、面白い」
明らかになった明智方の裏事情に、
興味津々、殿のお怒りが鎮まった。
「つまりは何か?明智の血を引くそなたは、人質か」
帰蝶「さぁ…盾か、矛か?それは、殿のお心次第ではございませんか?」
信長「おっとろしい嫁よ、濃…」
帰蝶「殿ほどではございません」
こいつは好き、あいつは嫌い、
一つ言い出したら、猪突猛進。
コンコン、釣り橋を叩いて渡るキツネ様と、
やれそれ、やってみねば分かるまいの猪様。
大丈夫であろうかと、
私に、不安が過った。
信長「なぁに案ずるな。腹を出し眠っておれば良いのであろ?」
帰蝶「お腹を出してお休みなれば、風邪を召されます(隙を見せれば、その首狙われます)」

散華の如く~尾張 v.s 美濃~

2013-05-29 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「殿、一つお願いがございます」
信長「あ?」
帰蝶「私に、お暇下さいませ」
信長「いとま…?」
こんどえりゃ時に、
なんつぅ嫁かッ!?
ガバッ、と起きた。
帰蝶「もう…最近バッタバタ。骨休みしとうございます」
肩をこきこき鳴らし、
腰をぐりぐり動かし、
「そういえば丸も三つ。髪置儀も霜月に控え、その前に温泉でも…」
信長「ならんッ」
この時代、大名奥方がふらふらと旅に行けるはずもなく、
女が旅して盗賊山賊に狙われ、身包み全部引っぺがされ、
金品持っていかれるだけならまだまし、その命も危うい。
「よう考えてみよ」
帰蝶「あら私、下手な手練れより強うございます」
父仕込みの薙刀がございますので、
信長「手練れは腕利き、下手がおるかッ、こんたわけがッ」
帰蝶「うつけにたわけ呼ばわりされる覚えはございません」
やいのやいの、真夜中に、
夫婦で喧嘩言い合いして、
「ほんに口喧しき亭主にございますね」
信長「こん嫁が何を…」
帰蝶「私、明智様と直接お逢いし、その旨、」
文は危うい。もし、明智様に届かなかったら、
その文が盗まれでもして、敵の手に渡ったら、
さらに、意図する所が捻じ曲げられたら困る。
「失礼誤解無きよう、お伝えしとうございます」
信長「それを早う言えッ」

散華の如く~天武が一つ~

2013-05-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
元は父の重臣、その娘である私の下で、
義を通し、主君の仇討戦に加われ、と。
帰蝶「しかし、明智様と義龍の兄は、兄弟の契りを交わした仲にございます」
だからこそ、両家の板挟みで、
酷な状況に置かれてしまった。
「それをこちらから、謀反を起こせ起こせと煽っているようなもの…」
信長「御従弟殿とて、その血を絶やしたくは無かろうが」
ましてや、年頃の娘が三人、その嫁ぎ先も危惧される。
それに、父が明智の娘を継妻に置いたには理由がある。
帰蝶「殿の御野心、どこまでも深こうございますね」
殿の目論見、
それは朝廷。
「京を、乗っ取るおつもりにございますか?」
信長「ぬるい」
帰蝶「天を変える…そう仰るのですね」
父が築いた地で、殿が天を目指す。
しかし、壁となるのが朝廷だった。
信長「いずれ御上、移る時が来よう」
民に膝を付き、その目を合わせる。
その手に触れ、天の思いを知る時。
上が下を知らずして下は変わらず。
帰蝶「市だけに留まらず、政まで…」
信長「天に武布くだけでは治まらん」
“天下布武”
「天、武が一つ。それこそ天下平安」
日ノ本、支えのない心柱。
しかも小国まとまりなし。
さらに異国の時は、速い。
帰蝶「…はい」
殿は、やはり焦っていた。

散華の如く~織田包囲網の、要~

2013-05-27 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「文…?」
信長「御従弟殿…」
長良川の合戦、義兄義龍に加勢しない明智一族。攻めを受け籠城。
戦混乱の中、光秀様は数名の家臣と、娘たちを連れて逃げ延びた。
戦から四年。今尚、城の影に身を潜め、家族共々浪人を強いられ、
「勿体なかろうが」
帰蝶「勿体のう…ございます。ですが、」
御従弟殿に、文を、と言われ、戸惑った。
正直、御慰めの言葉が見つからなかった。
「戦の火種は、金華。私にございます」
明智様に申し訳立たず、合わせる顔がない。
文で、やれ踏ん張れだのやれ我を張れだの、
「どう言えましょう?」
信長「明智長山にお戻り頂く、という手はどうか?」
帰蝶「長山城…」
明智様の元居城、美濃国可児にある通称明智城。
そこは私の故郷、稲葉山城の守り要の城だった。
「つまり…、御味方せよ?」
美濃征伐のため、我ら拠点を犬山城に移し、
それに加え、明智様が長山城で陣を構える。
信長「どうか、濃?」
稲葉から北は絶壁、北からは責められない。
東犬山で本陣を指揮、西長山で援軍を備え、
明智様が織田包囲網に加われば、強固完璧。
帰蝶「四面楚歌…」
信長「然様」
帰蝶「…」
信長「何を迷う?」
帰蝶「果たして…あの明智様が、殿の下に就きましょうか?」
信長「それを、そなたに任せる」

散華の如く~拝啓 土岐明智光秀様…~

2013-05-26 | 散華の如く~天下出世の蝶~
母がどれほど心配したか、
頬を打って知らしめた父、
しかし、打った父の心は、
頬と同じで、腫れていた。
いずれ丸も、父となれば、
父の痛み知りましょうと、
殿の御心、腫れを鎮めて、
ゆっくり、ゆっくり、
摩って差し上げ…て?
帰蝶「殿?」
急に、力が籠った。
信長「濃よ」
帰蝶「どうか…なさいましたか?」
月に背を向けたまま依然として、
その表情は見えない、読めない。
信長「従弟衆であれば、その抜け、知っておろうな?」
城の出入り十の内、抜け二。
その二を知るはず、だから、
帰蝶「当然、母を城から逃がすに使っておりましょう」
小見方は明智方に導かれて、城を抜け出したはず。
武庫からの一本、その抜けを使ったか、はたまた、
私も知らなかった例の地下、その抜けを使ったか。
信長「そうか」
度々会話に登場する、御従弟様の事。
殿は、甚く気にしておられるようで、
「確か、女子三人…おったとか」
帰蝶「覚えておいででしたか…」
城を追われ、浪人が三人の娘を養うはえらかろうと、
ついつい漏らした明智様。殿はご記憶に留めていた。
信長「文を書いてはどうか?」

散華の如く~優しき鬼と、父様と~

2013-05-25 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「…一度きり、ございます、が?」
信長「そうか」
帰蝶「…?」
幼少ヤンチャなうつけ故、当然、
織田の父様も平出様も手を焼き、
それは強く厳しく躾られた…と、
そういう先入観で殿を見ていた。
だが、
信長「あの親父殿なら、痛かったであろう、濃?」
そう仰られて、
帰蝶「えぇ…小さい私が、飛びましてございます」
殿は、父様からも、誰からも、
打たれた事がないと分かった。
信長「飛んだか…」
帰蝶「は…」
六歳のお転婆、父に反発。
何度言うても利かぬ私に、
父がついに、手を挙げた。
バッチーン、六歳が飛ぶ。
「飛ばした父が、逆に驚いておりました」
信長「簡単に飛ぶ、濃」
依然として、襟から中に隠された右掌。
きっと、父のように、あの時のように
命に苦しんでいるのであろうと思った。
帰蝶「殿…」
お傍近く座り、その隠された右の掌を、
懐から出して、ゆっくり撫でてやった。
「鬼らしからぬ、うつけにございますね」
初めての折檻(お仕置き)に、
優しき父に戻る殿であった。

御仏壇参りに、

2013-05-25 | 日記
御仏壇参り用、
輪台を求めて、
仏壇仏具店へ、

Open the Window!
うぃ…ん(自動ドア)

中に入れば、故人を偲び、
「これ、蝋燭ですか?」

「はい、故人のために」
好物を選択できます。
  ↓
こんな感じ

一応愛猫タルトには、
黒缶キャンドル決定。

さて、本題は輪台、
一輪の花だそうで、

お輪に乗せる座布団。

代替わりに使うらしいです。

しかし、座布団そのまま持っていくわけにはゆくまい、

と、

熨斗付けてやりました。


水引職も、板についてきました。

散華の如く~父の手と、折檻と~

2013-05-24 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「大に小に、手の掛かること」
チラと殿を見て、
ふぅと深く溜息。
信長「…」
黙ってしまった殿に、
小堀が思わず、失笑。
波に笑みが掻き消され、
そろそろ宴もたけなわ。
ぎぃぎぃ船が岸に着く。
信長「誰か」と呼べば、
ウキと闇から現れた猿、
「小堀殿を、案内せよ」
小堀と猿を引き合わせ、
めいめいが、床に付く。
刻々と亥の刻も過ぎて、
行燈が一つまた一つと、
ふぅと吹き消される中、
今日の丸の一件で高揚し、眠れないのか?
月の光りが煌々と照って、眠れないのか?
縁側で左腕を枕に、寝そべっておられた。
帰蝶「まだ、お休みにならないのでございますか?」
すると、
気抜けたような吐息で、
信長「…あ」と答えた。
帰蝶「…。今日は、お疲れ様にございました」
そそと頭を下げ、ささと下がろうしたら、
信長「濃よ」背から背へ、呼び止められ、
ゴロとこちらに向いた殿の御顔は逆光で、
「親父殿に打たれた覚えは?」
暗く、表情と真意が、読み取れなかった。