ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~やっとこさえたのに…~

2013-07-31 | 岐阜城~刀剣美濃の道~
丁度、お医者様が着いた頃、
子供たちはサルと遊び疲れ、
ぐっすり眠る夜半のうちに、
“おんぎゃ~、おんぎゃ~”
大口開けて叫ぶ赤子が、
やっとこさ…生まれた。
帰蝶「良くやったな、塩川…」
塩川「…は」疲れたのであろう、
それ以上の言葉を発しなかった。
帰蝶「…」
私はサルの沸かした湯に手を入れて、
ちょろちょろ…水を足し産湯を作り、
ちゃぷちゃぷと赤子の垢を落として、
私の過去、この手に残るぐにゃりとした感覚を洗い落とした。
産湯では赤子がぎゅぅと握り拳、初めての世界に怯えていた。
産後の処置を終え、疲れて眠る熙子様の御傍に赤子を眠らせ、
「塩川、そなたも休め」
塩川「…すみません…」
起きていたも邪魔になると、
「お先、休ませて頂きます」
もぞ…もぞ…、
用意された床に潜り込み、
くぅ…、くぅ…、
規則的な寝息が聞こえた。
規則を打ち破り、んんと、
熙子様が、目を覚ました。
私は、さぞ嬉しかろうと、
帰蝶「女子であったぞ」
そう声を掛けた。しかし、彼女は、
それと聞いて、がっくり落胆した。

散華の如く~人たらし~

2013-07-27 | 散華の如く~天下出世の蝶~
和尚「蒲の穂…因幡の薬を持っているとは、」
水辺で自生する蒲の穂は、
農民たちの皮膚薬代わり。
帰蝶「あの者…元農夫にて…その、」
知らぬ智慧を数多有し、重宝している。
それにあの人たらしめ。
サルは殿の心に訴えるだけでなく、
上も下も、心を掴むに長けていた。
和尚「ほぉお、農夫が家臣とはまた、なんと寛大なご当代か…」
サルを囲っておくと、
殿の株もうなぎ上り。
帰蝶「…」
私は和尚に見つからぬように、
そそと高価な薬を袂に隠した。
治る治らないは別として、
どんな高価な薬より、
サルが勝るとは皮肉。
和尚「おっ、と。こうしちゃ居られん」と、
サルに頼まれた竈の火を見に竈へ向かった。
帰蝶「まんまとサルに呑まれおって…」
私も和尚も、サルの術中にハマっていた。
殿がサルサルサルと呼びつけては飛び級、
褒美出世賞与を与えて、他と差を付ける。
周りやっかみも煽り、家臣衆に火が付く。
“御屋形様ぁ、申し訳ごぜぇませんッッ”
殿を神に、手を合わせ拝み、
ペコペコ頭を下げるその姿、
「憎ったらしい…」
可愛く思えて、
あぁ仕方なし。

散華の如く~サル、畏るべし~

2013-07-24 | 散華の如く~天下出世の蝶~
ささささサルの唾が、べっちょりついて、
帰蝶「あ…ぁ…」
もももも申し訳ございません。明智様ぁ、
娘子が、黄色に汚されましてございます。
「な、何をしておるッ、可哀そうであろう」
汚れを拭き取ろうとしたら…、
藤吉郎「勿体のうございますぅ~あぁ勿体ない勿体ない」
サルが首を振って振って、嘆いてみせた。
そして、べりべり娘子の衣を引っぺがし、
「隠しては、勿体のうございます」
振られた首が、ピタリ、
私の方を向いて止まる。
帰蝶「え?」ビクリと、
その眼光に一瞬やられ、
私の動きが止められた。
藤吉郎「折角のお肌にございます」
帰蝶「隠すのが、いけない…と?」
藤吉郎「はッ、然様にございます」
皮膚を庇う衣がこすれ痒くなる。
病を隠す衣の汚れが皮膚に付く。
「私めに、お任せを」
と言って、娘を連れ出し、
クルリと和尚に向かって、
「竈の火ぃ、お頼みしますぅ」
サルが和尚に手を振った。
勝手知らぬ寺で勝手して、
帰蝶「我が家臣らが無礼を…」
和尚「いやいや、なんと智慧深い家臣か…」そう和尚を唸らせた。
帰蝶「ただ…、竈番が嫌になっただけにございましょう」
やはりサル…、只ならぬ男である。

散華の如く~因幡の白ウサギ~

2013-07-20 | 散華の如く~天下出世の蝶~
是非に是非の直々の縁談、
「御受け致します」
ついについに、実を結ぶ。
しかし、
ややが生まれてみたら…、
“ごめんねごめんね…”
帰蝶「…熙子様も、お心苦しかろう」
かゆいかゆい、掻き毟って、
ガリガリッ
爪で引っ掻いては血を出す。
そろそろ傷も塞がり、かさぶたの頃、
じくじくじくじくと、かさが疼いて、
カリカリッ
「女子の体に掻き傷が残って…」
そこへ、バタバタバタバタと、
藤吉郎「湯が沸きましたぞぉ」
世にも騒がしき男が女人結界を打ち破り、
ドカドカドカドカと、無断で入ってくる。
おやや?と長女次女の体をまじまじ見て、
帰蝶「これ、女子の体をジロジロ見るでない」
そう嗜めると、
藤吉郎「いやいや可哀そうに」
おいでおいでと、ウサギ二匹を傍寄せて、
「こん傷にゃ~、唾付けて…」
黄色の粉を腹から取り出し、
ぺっ、ぺっ、掌に唾を吐き、
ぐりぐりと唾と粉を手捏ね、
混ぜて混ぜて、
帰蝶「ひッ」
サルの唾が娘の腕にのじられた。

結納の品を、変ッ身ッ

2013-07-20 | 日記
結納の品の、
水引を…

「どうすればいいんですか?」と尋ねた所、

羽子板にして飾るらしい。

「へぇ…」


という訳で、作ってみました。


末広がりの扇飾り。


結納を省いても構わないと言ったら、
義父様が「そんなわけにはいかんッ」

義父様の御意向で、
ドーンとデカく
結納して、

水引があっちいったりこっちいったり、
結婚ちゃ…大変です。

嫁いだら、
夫の方が大変そう…。






名前

2013-07-19 | 日記
嫁いで二週間弱、
運転免許の名前も変わり、
着々と
THE Money Of Happy
に成りつつあります。

さて、
夫も仕事を再開し、
「俺の席があった」
良かったね。さ、稼いでらっしゃい♪
と夫を送り出し、新居を片付けます。

炊事洗濯家事親父、たった一人の夫なのに、
やれやれ時間が掛かるもんですね。

おっと私も、出勤。
実家へGO。

実家で、パソコン立ち上げ、
披露宴の写真印刷です…。

なかなか自分の時間が取れませんね。
さて、
プリンターが頑張って出している間に、
はい、これ、
新居に置いてある姿見です。

結婚のお祝いに両親に買ってもらいました。

お父さん、お母さん、ありがとう。
夫がネクタイ締めるのに使ってるよ。

さてさて、夫婦鏡と申しますが、
映したくない時もありましょう。
そんなときのため、こんな風にアレンジしてみました。

染み付いた着物で、
伯母「もう着ないから…」
あげると言われて、

ばりばりぃー

ストレス解消?に引き裂き、
ちくちくちくちくちくちく、
縫って作ったのが、鏡隠し。

棚には夫作のWelcome Bordを置いて、
神頼みか?神棚となって子宝祈願…。
あの時のさるぼぼがいます。

鏡中央に咲く花は義母様の作品、
縮緬細工の花椿です。
義母様「いいのよ、あげるわ」と言われ、

私「では、遠慮なく…」
ちくちく針を突き刺し、
両家の"和"が形になりました。


ちなみに、

挙式披露宴は親族だけで行いました。
司会進行には兄が、夫のお兄様には受付をお願いして、
もう家族親族総出の印象深い結婚式となりました。

皆さんに「良かった良かった」と言われて、
本当に嬉しく思っています。

ありがとうございます。

お気に入りの花椿ですが、
衣装替えで花簪に使わせて頂きました。

こんな感じです。


少しずつではありますが、
努めて努めて、
「金田」になって生きます。

ひつじ草と共に、
「金田 幸子」を、
宜しくお願い致します。





散華の如く~心か、体か、~

2013-07-17 | 散華の如く~天下出世の蝶~
触れて欲しかった。
受け止めたかった。
なのに、
“ごめんねごめんね…”
生まれて来た命に、
ごめんねとは酷い。
和尚「やはり御従兄妹、似かよるものにございますな」
和尚様は明智様と熙子様の出会いを教えてくれた。
帰蝶「…」
私は初恋の方の、二度目の恋を聞くことになった。
和尚「皮膚病を患う熙子殿は…」
姿見に己を映し出し、
「お断り下さいませ」
キッパリ縁談を断る。
しかし困った。見合いの席に、相手が居らぬ無礼。
何とか場を取り繕うため、空席に姉を座らせたが、
“話が違う”
妹の代わりに姉を持って寄越すとは、
と、変わり身を見破ってしまわれた。
顔を付き合わせず、縁談を断るとは無礼千万。
ついには、お相手の妻木の家まで押し掛けた。
そのお怒りを鎮めようと、娘は意を決し、
「私の、この体は…」
病に侵された柔肌を見せた。
「斯様身体では、反ってご迷惑。お帰り下さいませ」
“見くびるでない”
そなたは体を嫁がせるか?
心で以て夫に尽くさぬか?
病など断る理由に値せず、
“兼ねてより、会いたいと思っておった”

散華の如く~世の、最大の過ち~

2013-07-13 | 散華の如く~天下出世の蝶~
戦乱乱世殺戮の、この時代、
怨念怨恨怨霊がのさばって、
子にアザがあれば憑きモノ、
顔に病が現れれば腫れモノ、
ひそひそと陰口、指差され、
親は生霊を捕えてひた隠す。
“触れては成らぬ、見られては成らぬ”
人目付かぬよう幽閉島流し。
下界俗界の接点を遮断され、
帰蝶「なんと愚かな…」
迷信に惑わされる愚かな大人たち。
欲しい時に取り上げられる親の愛。
「これでは手当もままならぬ」
方丈様が作った軟膏を取り出し、
次女の細く赤い腕を私に寄せて、
肩から腕にかけて広がる腫れに
つつつ、つつつと優しく塗った。
次女「こそばい、こそばいよぉ」
体をクネクネ捩じらせて、
そのくすぐったさに笑う。
帰蝶「次は、そなたじゃな」
長女「でも、触っちゃ…」
恥ずかしさが芽生える頃、その醜い腕を袖でひた隠す。
しかし逆効果、汚い小袖が皮膚にこすれて腫れが増す。
帰蝶「触れねば、薬は塗れぬ。さ、腕を出しなされ」
強引に小袖を捲って腕を晒す。
嫌がる長女を私の傍に寄せて、
長女「…うん、…うん」
帰蝶「辛かったな」
長女は私の胸で泣いてくれた。

散華の如く~生まれ付きの、憑きモノたち~

2013-07-10 | 散華の如く~天下出世の蝶~
“生まれながら、皮膚疾患をお持ちで…”
不意に方丈の言葉が思い出された。
「今度…も?」
母と同じ皮膚を持って生まれた。
こんな体を晒したくは無かろう。
長女「こんなじゃ…」
袖を巻くし上げて、細い腕から、
帰蝶「う…」
赤く爛れた皮膚が広がっていた。
火傷の跡が広がっているような、
女子の柔肌に…、これはひどい。
丸より少しお姉さんの肌は赤く、
カサカサとして触れるのも怖い。
丸の肌がつるつる、すべすべで、
“ちゅるちゅる、ちゅるちゅる”
丸の肌を撫でるのが癖になった。
こそばいこそばいと嫌がる丸を、
ぷにゅっと押しては撫でていた。
生まれたての肌は、
油を塗るも楽しい。
しかし、
長女「かゆ…」
カサカサの肌、
触れるも怖い。
すると、パタパタと和尚様、
衣の山に抱えて戻って来た。
和尚「弟子たちのも貰ってきたぞ」
帰蝶「和尚様、ありがとう存じます…あの、この子ら…」
和尚「生まれ付きの憑きもんで…治らんのじゃ」
帰蝶「憑きモノ…?」

結婚して…、

2013-07-08 | 日記
結婚して、

(色打掛です)

昨日より、苗字が変わりまして、

本日より、新居大沢野から出勤です。

生活環境、ガラッと変わりまして、
ペースも、ズルルルとズレまして、

まぁ、バッタバタ。
しかし、なんとか、
やいのやいの言いながらも、新婚中。

崖っぷち両人の親族皆々様の重たい肩の荷を一つ降ろせたかな?と思ったり。
うちの両親もさることながら、夫の御両親がとても喜んで下さっていたから、
本当に、良かったと思いました。

さぁ、新しい生活です。

私「行ってきまぁ~す」
と、実家に出勤、

夫は…、というと、

「いってらっしゃぁい♪」

呑気を13連休です。

おいおい?ハネムーン、9月だろ?

「だって、結婚したら休めるって…」

9月のハネムーンは有給使って行くそうです。

って、休み明け、席が無くても知らんぞ。

さて、ぼちぼち、
生活のリズムが整ったら、
物語を再開したいと思っております。