ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~キツネ様の、化けの皮~

2013-05-30 | 散華の如く~天下出世の蝶~
私が直接頭を下げることで、
話が早くまとまると考えた。
表情の見て取れぬ書状より、
私が顔色を読み量った上で、
話を取りまとめた方が得策。
それに、
帰蝶「明智様は…」
少々気難しい方で、
“明智は分からん…”
父は、決して腹を見せてはならん、
そう言っていたのを、覚えている。
信長「腹を見せるな、と?」
帰蝶「寝首を掻きに来るというのです」
だから、明智方から人質として、
小見方…母を継妻に持ってきた。
信長「ほぉ、面白い」
明らかになった明智方の裏事情に、
興味津々、殿のお怒りが鎮まった。
「つまりは何か?明智の血を引くそなたは、人質か」
帰蝶「さぁ…盾か、矛か?それは、殿のお心次第ではございませんか?」
信長「おっとろしい嫁よ、濃…」
帰蝶「殿ほどではございません」
こいつは好き、あいつは嫌い、
一つ言い出したら、猪突猛進。
コンコン、釣り橋を叩いて渡るキツネ様と、
やれそれ、やってみねば分かるまいの猪様。
大丈夫であろうかと、
私に、不安が過った。
信長「なぁに案ずるな。腹を出し眠っておれば良いのであろ?」
帰蝶「お腹を出してお休みなれば、風邪を召されます(隙を見せれば、その首狙われます)」