命の尊厳

11ケ月の娘です。
さらに活発になりました。
ガブッ

(義父母の作ったトウモロコシです)

さてさて、夜も、
長く起きていられるようになりました。
「紗花ぁ、もう寝よ～」
と、言っても、
眠くないのです、
付き合いましょう。
お風呂上がり、毎夜一階では、
義父母を巻き込んでの運動会。
二世帯住宅同居のメリットです。
大いに利用活用、
また、
お願いしましょう。

お陰でゆっくりお風呂が入れるようになりました。
ありがとうございます。

さ、話を一階に戻して、
種目は、
高速グルグルはいはい競争。
追うは義母、
応援は義父。
中盤から風呂上がりの私も参加して、
次の種目はよちよち歩き。
「こっちまでおいでェ」
ゴールは二メートル先のかぁちゃん、
私のところまで。

しかし、
ゴール手前で障害物が！
「パパのところにおいで」
ソファに寝転びながら、
視線はテレビ、
声だけ発して娘を呼び寄せます。
が、
無視。
当然です。
無視され、
父「淋しいもんだな」と。
母「…(因果応報でしょ)」
この当然の報いが利いたのでしょう。
それからというもの、
父は娘と真剣に向き合い、
遊びに付き合うようになりました。
娘はちゃんと見てるんです。
親の態度、その眼差しを。

「ゴールッ、紗花ぁ、すごいぞ」

私の胸に飛び込む11ケ月。
ズシリ、
重たくなったなと思います。

こんなに育って、
いっぱいいっぱい動いて回って、
「マァ(ママのことらしい)」
言葉を理解して、
スクスク成長しているのに、

10ケ月の赤ちゃんが、
毛布にグルグル巻きにされて、
身動き取れなくされて…。

淋しい事件だなと思いました。

もう命の重さを抱きしめられないんだ、
と思って、親御さんの代わりに11ケ月を抱きしめた。

胸の中で、その命が、
「マァ」

そう言って、
誇らしく笑っていた。

女信長？

乱世戦国時代、

「いたッ」

授乳中、
乳首を噛み切る癖のある、
癇の強い赤子が生まれた。

故に、乳母は何人も替わったとか。

「なんつーおっとろしい赤子じゃ」

母はその子の将来を危惧した。

「もし、女信長に成ったら…」

と。

千切られてはいないが、
私の乳首は、流血した。

11ケ月にして

お行儀悪いですが、

立ち飲みです。

それでも許してしまうものです。

今日で11ケ月、

今の所、

モノを運びながら、
五、六歩あんよします。

両家、
「紗花、すごいぞッ」
大絶賛ですよ。

汗流し

暑い日は、

これに限る。

さて、
かぁちゃんも一緒に汗流そ。

小さなピアニスト

お風呂上がり、
みんなを引き連れ応接間へ。
ピアノに向き、
小さなベートーベンは、

ジャッ

と弾いては、

くるりッ

ドヤ顔。

観客のじじばば両親拍手喝采。

くるりッ

鍵盤に向き直り、

ジャッ

くるりッ

はい、拍手ッ！！

ドヤ顔。

くるりッ

ジャーンッ

くるりッ

拍手ッ

このジャーンッとドヤ顔が、
五、六回続いて、

飽きる。

このピアノの演奏会で、
一番喜んでいるのが、
お義父さまだった。

トマト祭

ナスに喰らい付く娘、
キュウリも大好き。
で、
調子に乗って、
「ジジちゃんの作ったトマトだぞぉ」
トマトを持たせました。
しかし、
「与えるもんじゃねぇ」
と分かりました。

握り潰し、
お洋服…。
母に残るはトマトの残骸と、
洗濯物の山。

せっかくのリコピン、
「かぁちゃんが食うわいッ」