ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~浅井家へ~

2013-05-02 | 散華の如く~天下出世の蝶~
侍女らを連れて、中庭へ。
花の代替わりを見て回り、
帰蝶「あ…あれは、」
父道三の古くからご友人の…、
ふく「あちら、御屋形様ではございませんか?」
また、何を企んでおいでか?
帰蝶「殿…」
信長「花香に誘われ、そなたらも来たか?」
帰蝶「はい…実、見事に咲いてございます」
す…と頭を下げ、
「小堀…正次殿…じゃな?」
父の代、稲葉の居城その作庭、
建築を任せた男の、倅だった。
小堀「彼此と、十五年になります」
帰蝶「斯様…小さかったそなたが」
浅井の娘を娶り、お抱え作庭士となっていた。
小堀「よく悪戯して、どやされましてございます」
帰蝶「…してお父上様は?ご一緒ではないのか?」
父は、小堀が出すお抹茶が好きであった。
小堀のお父上様にご挨拶を、と思ったが、
小堀「…四年前、他界しましてございます」
帰蝶「四年…前…?」
まさか、長良川の合戦…で?
小堀「は」と頭を下げ、
「い」の言葉を切った。
帰蝶「それで、そなた…」
浅井家へ?
私の無言、その質問に、
小堀「…」目を瞑って、
返答の、代わりとした。