ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

Happy Halloween!!

2012-10-30 | 日記
事の始まりは、二千年前、ケルト。
亡くなった方々の霊を慰めるためだとか、なんとか。

それが、アメリカ移民でキリスト教と融合して、
悪霊たちに魂を持ってかれないように仮装して、

「Trick or Treat?」
(お菓子くれないと、悪戯いちゃうぞ)

かつての宗教儀式は、お菓子業界の陰謀により、
他人様にお菓子をもらうという風習に変わった。

この陰謀にまんまと乗せられた、私は、

富山大和に走った。

そして、お菓子を大量入手、さらに、小袋に分けて…、

きゅっ、秋らしいマフラーを付けた。すると、

「あんたも、ヒマねぇ…(- -)」←おかん

って言いますけど、
こういう風習を私に根付かせたのは、あなただッ!
※おかん…その昔、カトリック系のキリスト教会併設の幼稚園の保育士でした。

そして、ひょいと、横から手が出て、
バリバリ…ハロウィン菓子を食った!!!

なななな、ハロウィンを前に菓子を食うなッ
って、悪霊たちもおかんの魂を持っていこうなんて思わんッ!

美しい魂が好きなんだ…悪霊って。

「私、二つでいっちゃ」←これも、おかん。

あ?

「二つ…」←ピースをしている、おかん。

どうやら、二人の子供に“自分からだ”と配るらしい。

やはり、おかんにも根付いている宗教儀式…。さて、

天から悪へ、悪から天へ、
転じやすい魂だからこそ、
どうか、魂をうらないで、

楽しいハロウィンをお過ごし下さいね。







散華の如く~月の御使い~

2012-10-30 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「珍しい…だけの、名前にございます」
“の…、のう。もう寝たか?”
いいえ。斯様月が美しくては、眠るのが勿体のうございます。
新婚の我ら寝所に月光が差し込み、二人の顔を照らしていた。
“月見でもするか”
兎にでもなりましょうか、と二人、
秋の夜長、茶と栗の半纏を羽織り、
月の使い二匹がコロコロ、お月見。
“寒くないか?”
秋の夜風と月の光はとても冷たい。
でも、
寒くはありません。
月の冷たさが逆に、煌々として温かい。
“のう…そなた、変わった名だな”
父が、変わっているのでございましょう。
フン、と月に横顔を向けて、
信長様には、背中を向けた。
名前の事は、あまり触れられたくなかった。
本当は、有り触れた名前を頂戴したかった。
話題とは、唐突に嫌な方向に逸れてしまう。
“名が、嫌いか?”
好きでも、嫌いでも、ありませぬ。
月に失礼と向き直り、そう答えた。
“良い名だ。蝶は、縁起が良い”
縁起…?
信長様から口から、ふいに、縁起、という言葉が出て、
くすくす、笑ったら、
“可笑しいか?”
験や縁起とは無縁の方かと思うておりましたから。
“何を言う。我が玄祖父(やしゃおおじ・曽祖父の父)は戦から遠い所で神に仕えておったわ”

散華の如く~私の名前の、由来~

2012-10-29 | 散華の如く~天下出世の蝶~
ペラペラ…ピタ、止めた場所に、大きな黒い翼の、人が立っていた。
沢彦「これが西洋。こちらが東洋…天竺に住まう神の姿にございます」
帰蝶「天竺…印度…」
沢彦「左様。迦陵頻伽と申します」
帰蝶「かりょうびんが…どこで、見た。確か…」
幼い頃の、薄れた記憶を辿ってみた。
父が連れて行ってくれた、賀茂神社。
稚児が二人、
パタパタと、
背に羽を背負って、宮廷舞楽の巫女舞を模していた。
黒い蝶の羽を付けた稚児が、夫婦番となって舞う…、
沢彦「胡蝶(こちょう)…にございます」
黒羽が光彩虹色に光り、世にも稀な美しい声で鳴き、
人々を魅了し、その御魂を癒し、天に誘う迦陵頻伽。
「よう似ておられますな、貴女の、その御名に」
帰蝶「…私」
カタ…椅子を下げ、席を立とうとした。
でも、まぁまぁと、座り直すよう促し、
沢彦「もう一服、差し上げましょう」
話が長なりまする、そう言いたげに、私の茶碗を下げた。
茶碗を洗い、カツン、抹茶を入れて、シャカシャカ…と、
茶筌が、濃い抹茶の緑を湯と攪拌し、優しい色に成った。
私の記憶も攪拌されて、濃く鮮やかに、蘇ってしまった。
…賀茂神社…
父は、胡蝶の舞を見て、私の名について、語った。
“帰蝶、そなたは多くの魂を帰依させるであろう”
「帰依?」
“蝶は、魂の送り火よ”
私が、蝶の名を冠した理由は…、
沢彦「戦乱の世に、相応しい御名を、授かりましたな」

散華の如く~Bible~

2012-10-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
沢彦「妙音とは、神の音、仏の声にございます」
徐に、紙と筆を取って、
さらりと、書を認めた。
“ 妙 音 ”
「妙(たえ)…この世のものとは思えぬほどの美しさ、その音色が、妙音にございます」
続けて、
“ 観 音 菩 薩 ”
と認めた。
帰蝶「仏様の御名前?」
沢彦「左様。妙音観音菩薩とは、その昔太子、瞑想中に現れた仏にございます」
帰蝶「聖徳太子…」
沢彦「左様。世のため、人のため、悪政を立て直さんがため、夢殿で涅槃しておりました」
さらさら…と、真っ新な紙を前に、墨絵を描き始めた沢彦様、しかし、
帰蝶「ぷっ」
吹き出してしまった。
沢彦「仏画(漫画)家の道も考えましたが、絵心がなく断念致しました」
帰蝶「ご無礼を、気を悪くなさらないで」
上手下手ではなく、沢彦様の絵がいた奇妙な生物に笑ってしまった。
「愛嬌のある、鳥さんね」
しかし、何処だったか、見た事がある。
確か、斯様なる木像画があったような。
目がクリリンと大きく、可愛らしい少年?少女?その体は鳥?
沢彦「似せて描きましたが、似ておりませぬか?」
帰蝶「私に?」
じ…、その絵を見つめて、
「まぁ…どことなく。でも、体に羽なんて、有り得ないわ」
沢彦「しかし、西洋の神々には、翼がございます」
ペラペラと、ある書物を私に見せてくれた。
帰蝶「これ…異国の、」
“Bible”

散華の如く~本音と、本性~

2012-10-27 | 散華の如く~天下出世の蝶~
第六天の、その存在を教えたのは、
おそらく、家庭教師の彼。
沢彦「珍しいですな、ご自分から…」
座るように促され、着席した。
帰蝶「勉学は強制では身に付きませぬ故、興味を持った所から…」
沢彦「違いましょう?」
ち…と目で、私を窘めた。
帰蝶「…」
心を言い当てられ、視線を下にした。
私は、沢彦様が苦手で、避けていた。
心が見透かされるようで、恐かった。
だから、彼とは対峙したくなかった。
私は、彼にとても、弱い。
心を隠し通せず、ポロリ、
涙と本音を晒してしまう。
沢彦「仏の、何を、お知りに成りたいと?」
略式で、御抹茶を点てて下さった。
こと…と、
私の手前に置き、私は碗を取った。
帰蝶「戴きます」
こく…、御抹茶を一口頂戴して、
ふぅ…、お腹の圧迫感を抜いた。
ず…と、さらに一口、二口、
ずずと、お茶を飲み干した。
鼓動が緩やか、動悸が安定し、
お腹のややも落ち着いてきた。
「第六天とは、如何なる仏にございますか?」
“そなたこそ、第六天よ。濃”
それに、“その声、まさに…”
「みょうおん…とは、何にございましょう?」

散華の如く~天の使いか、魔の申し子か~

2012-10-26 | 散華の如く~天下出世の蝶~
池田「夫婦円満の秘訣を探ろうと、潜んでおりました」
帰蝶「そなたの目には、我ら夫婦が円満に映ったか?」
池田「勿論にございます。理解ある妻君と、姉君を尊敬しております」
帰蝶「ほう…で、我らの会話から、その秘訣が会得出来たと申すか?」
池田「ま…」
帰蝶「ったくッ」殿から頂いた軍旗で、紅に染まった顔を隠して、
「秘訣秘伝など、家々違おうがッ」
恥ずかしい…。森様にまで聞かれてしもうて、
殿まで一緒になって、
森「くく」肩を小さく揺らして笑っていた。キッと睨んで、
帰蝶「忠信部将殿。我が弟の鼻をへし折るくらいは良いが、それ以上は許さぬぞッ」
森「は…(・・;)」
池田「それって、八つ当たりですよね?」
帰蝶「当たるくらいで済めば良かろうがッ」
バンッと襖を閉めたら、向こうから、
信長「まったく、恐ろしい天魔よ、濃」
あっははっと、殿のバカ笑いが聞こえた。その前に、
帰蝶「私を…」
天魔と呼んだ。先ほどは、私を第六天と仰った。
天魔とは…、第六天とは…、一体、何者?その正体が知りたくて、
すすすすうッ、早歩きで広間を離れて、
たッたかたッ、細い渡り廊下を小走り、向かった先は、殿の勉強部屋。
「沢彦様ッ!」
バーン、と戸を開けた。やっぱり、ここに居られた。
沢彦「妊婦が走っては成りませぬ」
帰蝶「すでに安定期を迎えております故、大事有りません」
沢彦「姫君が斯様豪快に襖を開けては、はしたないですぞ」
帰蝶「ご無礼…ややが居ると気忙しく、落ち着きません故」
沢彦「…して、何用にございますかな?」
帰蝶「仏について、知りとうなりました」

散華の如く~我が守護神、第六天~

2012-10-25 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「私を、母にして下さいませ」
どうか、お世継ぎが無事生まれますよう…。
どうか、殿が無事お帰りに成りますよう…。
私の願い、天魔様、叶えて下さいますか?
天魔様を仰ぎ見るように、殿を見つめた。
「ねぇ?殿…」
信長「そなたには、適わぬ」
帰蝶「くす…、私の勝ちにございます。あはは」カラカラと笑ったら、
信長「その声…まさに、」
帰蝶「ん?」
信長「妙音…」
帰蝶「みょうおん?」
信長「いや、」一つ左に首を振って、
さっ…、私の腹から手を除けた。
「留守を、頼む」
後三月もすれば、
私も母。そして、
“今川討伐”
殿、御出陣。
帰蝶「かしこまりましてございます」
殿に一礼、下がろうと、
ガラ、と襖を開けたら、
信長「そなたこそ、第六天よ。濃」
帰蝶「え?」
襖の向こうで、
池田「…と、その、(・・;)」
帰蝶「そこで、何をしておる(- -)?」
可成様まで一緒になって、
森「…」
帰蝶「盗み聞きにございますか?」

散華の如く~優しい、駄々っ子様~

2012-10-24 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「人の道に、神の尺度も、仏の能書き(説教)も要らぬ」
帰蝶「な、なんと恐れ多い。神仏の教えに背こうなど」
信長「その教えは、正論か?」
帰蝶「は?」
信長「皆平等、兄弟であると教えておきながら、なぜ、戦が絶えぬ?」
父が死に、兄弟が骨肉の争い。
母と娘が、人質となって嫁ぐ。
「なぜ、誰も黙して、動かぬ?」
帰蝶「神に変わって、殿が動く。そう仰るのですか?」
信長「無論」
人が動かねば、神は動かぬ。
人が叫ばねば、神は聞かぬ。
人が傷まねば、神は悼まぬ。
「神仏に知ら示めねば、世は治まらぬ」
帰蝶「殿の、お腹の虫が治まらぬだけにございましょう?」
信長「あ?」
殿の御手を拝借、
帰蝶「体だけは大きな、真小さきお子にございますね、殿は」
私のややに当てた。
「ややも、こんな優しい父なら、満足じゃな」
信長「優しい?」
帰蝶「はい、優しき駄々っ子にございます」
殿の御考え、第六天の意図が読めた。
私の噂を消すために、一芝居打った。
「全ては、私のために、ございましょう?」
信長「…」
ほれ、図星。
帰蝶「では、どうかどうか、第六天魔様、私の望み、叶えて下さい」
私も、その芝居に乗った。噂の呪縛と流産の苦しみから救われんが為、
天魔様の大きな手に、私の手二つ重ねて、祈った。

散華の如く~第六天、魔の化身~

2012-10-23 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「良いか?」
その昔、神の道を踏み外した神がいた。
邪神と疎まれた異端の神は、神々から、
「地に堕ちよ」
天界から追放。突き落とされた。
一界、二界、三界…堕ちた先は、六界の地。
そこは神から最も遠く、闇に最も近い場所。
帰蝶「闇…?」
信長「そなたにも、妬み、つらみ、欲望があろうが」
生駒への嫉妬、苛まれる噂に、
欲しい欲しいと切望するやや、
無念、父の、天下平定の野望。
帰蝶「それは、普通の心にございます」
信長「神に、そのような心など、ない」
道から外れたと思しき神を、平気で地に落とす神々。
正道を説く事すら怠る神に、人間を思う心があるか?
帰蝶「しかし、神仏こそ、心の拠り所では…」
信長「仏にすがってややが出来たか?神に祈り、ややが流れた…それを、どう捉える?」
帰蝶「そ…」
返す言葉が、無い。殿の、仰る通り。
信長「神は、天下を獲らずとも、すでに平定。闇など無い」
闇の根源を殺げ落とし、人間に擦り付けた。
神々の尻拭いを、地上の人間がする理不尽。
「全て、神の企てよ」
帰蝶「企て…」
珍しく、殿が饒舌だった。それがとても怖い。
信長「人が道を定めるが故に、外れる者が出る。神も同じ」
誰が作ったか、狭き道。本来、道なき道よ。
狭き道を作ったが故に、外れる者が溢れる。
狭き古道を叩き壊し、正道を広げれば良い。

散華の如く~神から外れた、魔の存在~

2012-10-22 | 散華の如く~天下出世の蝶~
“あれが蝮の娘 帰蝶だ”
信長「親父殿が言うた通り、恐ろしい妻よ」
帰蝶「伊達に、蝮の血は流れておりませぬ」
殿は、私が蝮の噂で気に病んでいる事も、
父を尊敬している事も、知っておいでで、
私の中で混濁する、二つの思いが私を強くも、
また、脆くもすると、分かっておいでだった。
信長「蝮の血と、うつけの子なら、奇人変人といわれようが、濃?」
良からぬ噂を気に病むなと、その目が言う。
しかし、一旦流れ出した噂は塞ぎよう無く、
この耳に届き、私の心を突き刺していった。
帰蝶「…それでは生まれて来るややが、余りに半端…」
信長「半端?」
帰蝶「人に生まれながら、人に非ず。そう言われているようで、不憫にございます」
信長「人に非ず…か。ならば、人を超えたら良かろう」
帰蝶「人を、超える…?」
信長「越後が戦神ならば、尾張は、その逆を生く」
帰蝶「神の逆…?」
思いっきり首を左に傾けて、殿の顔を覗き見た。
殿の発案は異次元の話を聞くようで摩訶不思議。
殿は、私のぽっかり空いた右耳に、こう囁いた。
信長「第六天魔となろう」
ゾクッと、背筋に寒気が、一本、雷のように走った。
帰蝶「だ、第六…天?」
殿は、くきっと、私の首を正し、
信長「天魔の存在を知らぬか?」
帰蝶「天に、魔は居りませぬ」
ゆっくりと、首を左右に振って、ぴたりと、殿の前で止めた。
信長「そう思うは、人だけよ」
人の道を外したうつけがこの世に存在するように、天にも神から外された、魔が居る。