ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

平の村です

2011-09-17 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
ザッ、地面に突き刺さった斯波さんの家紋付 二引両(二匹龍)がデザインされた長槍を抜いた。

継「あぁ…」長槍の龍を見て「怒らすと、こえぇな」
土岐「龍は、特に」言動に厳しい…「そうですよね」ゴンッ、と伸びた男たちを小突いて、
継「ところで…」土岐さんと強姦未遂犯を連行する道すがら「由利さんの管轄領ってのは?」
土岐「平の村ですよ」由利さんの管轄領 鳥海山麓には平家の落人村がある。
源平合戦に破れた平家たちが住む土地を追われ、ここに流れ着いた。中には助け出された“身分の高い姫様”もいて、華やかな生活から一変、汗水垂らし田畑を耕し、泥だらけになってその日その日を生きていた。男たちも刀や甲冑を捨て、代わりに鍬を持ち、山を切り開き、水田を作り、平家だけの村を作って、ひっそりと山奥で、心の平和を保ちつつ暮らしていた。
「斯波さんたち守護代は、彼らの生活も守っているんですよ」
継「あぁ…」それで最初、俺たちを歓迎してなかったのか…。
その頃、斯波はタッタカタッタカ…暴れるスピッツを腕で押さえ込み、馬を走らせた。
ふぁさと柔らかい末摘花の黒髪が風に吹かれてるみてぇで、無性に腹が立つ。
愛「降ろせッ」牙を剥き出し、威嚇して来やがった。
斯波「ッたくッ」別人種だ。高台に登り、クイッと手綱を引いて、馬にストップ掛けた。
スタッと降り「おい、降りろッ」
愛「え…」着いた高台からの眺めは…、
斯波「降りて、見ろッ」
愛「きれい…」美しい散居村が広がっていた。水田に夕日が浮かんで、キラキラ橙に光って、
スト…ン、馬から降りて、散居村に浮かぶ夕日を、目を細めてみていた。
斯波「一先ず、安心した。キレイと感じる心があったな」
愛「カ…」チン、と来たか、眉が釣り上がった。んでも、散居村から目を放さなかった。
斯波「隆坊の…与一の目、知ってたな?」
愛「…」黙っていた。
斯波「アイツは妻の顔見たくても、この村見せられても、ほとんど見えない。それに、分かってんだろ?ここが、平家の村だって」
愛「…」
斯波「元々雅な生活をしていた奴らが都を追われ、ここに移り住んだ。生れ落ちて平家、戦に負けて追われても、人は人。ここに住まう人がいて、心がある。それを汚す奴が一番汚らわしい。違うか?美しいモンを汚すお前が、一番汚ぇ」


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1 コメント

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 (ああ)
2017-04-28 18:18:07
何十年か前に祖母が平の村に住んでおりまして、現在私は平家の遠い子孫です。一度そこへ帰りたいのですが、霊感が強く近寄ることができません。一度そちらへ足を踏み入れてはいただけませんでしょうか。また、それについてのレポートをお願いしたいです。
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