ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ヒーローズの素顔…

2010-09-30 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義隆「ヒーローが力合せてないと悪い奴らやっつけないだろっ!」とケンカを制した。
子供の方が精神的に大人で、しっかりヒーロー戦隊アニメを見て人生のお勉強してた。
というわけで、なんとか大人の悪ふざけが子供の一言で丸く治まった。が!?
海尊「冷さんが!」クラ…と意識が遠のき…バタン、キュ…と倒れ、
弁慶「おい、しっかりしろ!」瑠璃も地面にへたり込んでいた。貧血でぶっ倒れた瑠璃と冷の所まで駆けつけ、
義経「…」とグイと冷の手首の脈を測った。ちなみに、基準が分からないから元気な俺の脈で「おそっ、それに弱えぇ」と勝手に診察、ぐいっと瑠璃のお面を強引に引っぺがすと顔面蒼白の素顔がお目見えし「貧血だ、言わんこっちゃねぇ」もう面倒な奴らばっかりで、
義経「しんどいならしんどいって言え!迷惑掛けても心配掛けるな!バカがっ!」と知能指数最大級の無抵抗な女らをここぞとばかりに攻め立て、挙句、暴言吐いたら、
ローカルヒーロー二人組「迷惑掛けても良いんだって♪」と揚げ足取りやがったから、もう!分けが分からない悪ふざけの過ぎる山形ローカルヒーロー二人組をキッと睨みつけ、
義経「お前ら、おふざけの罰として!この二人をにかほまで負んぶだ!」と命令すると、
ローカルヒーロー二人組「え♪マジっ?いいの♪」とめっちゃ喜んだ。
義経「…ちょっといいか?」とヒーロー面のゆっくり持ち上げ、チロッと素顔を覗き見た。
ら!?
イヤらしい素顔のローカルヒーローが二人もいて、
義経「…」ゆっくり二人のお面をカッポと元に戻し、素顔を見なかったことにした。「いいから黙って負んぶしろ…」と、だって仕方ないだろ…俺より体重ありそうな女二人だし…それに身長差軽く2、30センチはある、なんか子供が大人を負んぶしてるみたいだ、と心の中でたくさん言い訳を並べた。もちろん、自分自身に対する言い訳で誰に伝える言い訳でもなく、兎に角、喜ぶヒーロー二人を完全無視して有無も言えない貧血女らを負んぶさせ、にかほまで急ぐことにした。
義隆「あれぇ、鹿角君は?」と鹿角君の消息を訊ねたから、
富樫「あぁ、松尾さんと河合さん乗っけてるから、早く走れないんだ」後から来るだろ。
ほら、鹿って大人一人乗り用じゃん♪と言ったが、
義経「…鹿に乗って突っ走ってくる奴は、お前か、春日の鹿島神くらいもんだ…」
志鷹「ところで、あの…この方たちは?」自己紹介がまだで、戸惑っている志鷹と読者の皆さんに紹介しつつ、大曲から横堀、そこから左折してにかほに向う事にした。

山形ヒーローズ見参!

2010-09-29 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
反撃開始かと思いきや、天罰が下った。ゴロゴロ、ピカッと雷鳴が轟いた所で登場した、人差し指を天に突き出した「北斗の拳」のあのラオウ扮したヒーロー「我が人生に悔いなーし!」と叫んだ奴に、突き出した人差し指が避雷針となり、ゴロゴロビッシャーンと!?見事にラオウもどきに雷が命中。シュー…プスプスと黒い煙が上がったが、ムクッと起っきして「甘い、甘いぞ!これがお前の必殺技か!」と意味不明なことを口走っているが、
鞍馬「…俺、まだ何もしてないし…」と義経を見て、肩をすぼめた。
義経「そうか、ヒーロースーツってゴム製で」雷と通さないんだ…と納得したが、俺もそろそろ堪忍袋の緒が切れて、昨日の松尾特製 マ鹿不思議ドリンクで元気いっぱいだし、スーと思いっきり息を吸い込み「お前らぁッ!いい加減に、しろーーっ!!!」と吐く息と共に、一発ドッカー…ンと大きな雷を落としたから「なんだ?どうした?雷が落ちたぞ」と、どやどやそこら大曲の地元民が野次馬となり、人だかりに囲まれた。そこへ、向こうからまた面倒な奴が「うぉーーーーー(ドドドドドド…)」と叫びながら突っ走ってくるから、もううんざりだ。鹿の子に乗って突進してくる超神ネイガー扮する富樫が「どけどけどけぇ~」と割り込んで来た。
富樫「もう大丈夫!安心しろ、秋田の秩序と平和は俺様が守る!」と超神ネイガーが見参で、
義経「…俺様富樫って加賀だろ」加賀でヒーローぶれ。しかも安心できんヒーローだ。
富樫「ふはははぁ!すみません、これは予行練習で…」夏に開催される大曲 花火大会の余興の予行練習です。秋田・山形&京都(鞍馬が勝手に入れられた)ローカルヒーロー大集合ね、楽しみに待っていて下さいよ♪はははっと男鹿半島の地元民だけで飽き足らず、大曲地元民にまで大法螺吹いて「雨が降りそうですよ。ほら空をごらん」と人差し指を天に向けて「雷鳴が轟いている…。さぁ良い子のみんな!気をつけて帰るんだ!」と地元民ほとんど大人だったにも関わらず、みんな良い子にしてシッシッと帰した。
義経「揃いに揃った義経 問題児カルテット(四人組)のメンバー&富樫で…」
鞍馬「…お前、結構、苦労してるんだな」ポンと肩を叩き、労わりの言葉を掛けてくれた。
義経「あぁ、まとまり利かない奴らばっかりで…」ふぅ…って「お前らぁ!!何しとんねん!」
秋田・山形ローカルヒーローが胸ぐら掴んで、拮抗三つ巴のケンカをおっぱじめやがった。
ケンカの理由は些細なものだった…。
富樫「秋田でヒーローぶんじゃねぇよ。俺様が秋田のヒーロー超神ネイガーだ!」
ガ・サーン「山形ヒーローが秋田でヒーローしてもいくねぇ」いちゃもんつけじゃねぇーよ。
ザオウ「って、なんでお前がガ・サーンなわけ?俺、ガ・サーンがいい!」という言い分で、

鞍馬、見参!!

2010-09-28 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
志鷹「火鷹♪優しいんだな、お前」さんきゅーとすりすりと寄りかかった火鷹に甘えた。
海尊「鷹に甘える人間、始めて見たぞ」
そんなこんな弱音を吐く奴がいたが、ようやく角館行きの渋滞から抜けて、やれやれと思いきや、佐伯さんの付けたペケ印ポイント雄物川の「大曲(おおまがり)」で、なんかまたイヤな予感がするな…と思ったら、やっぱり勘が当たった。
「そくしーんっ!!だだちゃ拳!!」とお空から緑の物体が降ってきた。しかもわんさか。
「あだだだだだだ、あちゃちゃちゃちゃちゃちゃ、あだだちゃ、豆っ」と!?
志鷹「きゃぁ~」と女みたいな叫び声だが、火鷹を抱えて菅笠で身を隠して丸くなり、
義経「あぶね!海尊、弁慶!女ら抱えて飛べ!」と自分も八艘飛びした。が!?「いっけね!」
義隆をすっかり忘れ、取り残された義隆は飛んでくる緑の枝豆らしきものを放心状態で、
義隆「困った時は…(ぼそっ)…」一振り扇げば旋風巻き起こり…、
義経「はっ!」それだけはあっかーん!!!と思ったが、すでに遅し、
義隆「鞍馬天狗…汝ら助けん!!!」と佐伯さんから貰った曰く付の八手の天狗の団扇を思いっきり、ブンッ!!と一振り、旋風を巻き起こしたから、
義経「うわぁ、やっちゃったぁ~」ひゅー……んと旋風で立派な菅笠を飛ばしてしまい、枝豆はぶぶぶふぁー!と茹だって、風で飛んだ菅笠がクルン・パッとひっくり返って、ばらばらばら…と落下する枝豆を受け止めたのは、あの鞍馬で「よう!」と義経に挨拶した。

義経「…あぁ」やっぱり参上したか。自称 正義の味方で元祖 紫頭巾の鞍馬天狗…。
鞍馬「小僧ども、大丈夫か?」って、枝豆でやられる俺たちじゃねぇし、しかも、俺たちを小僧呼ばわりするのは見た目犬の推定600歳前後の佐伯さんよりジジィで、ワンコ年齢16歳で精霊やら妖怪やら物の怪やらになったらしいが、
義経「菅笠を皿に茹った、だだちゃ豆を食いながら安否を確認するな…。ん?」
義隆「はあぁ♪(☆▽☆)サインくだしゃい!」と滑舌が悪い。
鞍馬「おう、後からな」ついで、お前のも、くれ。
義隆「えぇ♪はい!喜んでっ!!ひらがなでいいかなぁ?父上ぇ」
義経「あぁ…どうでもいいだろ」もう目がいってる。日本三大妖怪に目がくらんだか…。
鞍馬「にやっ」と不敵な笑みを浮かべた所に、だだちゃ拳が利かないと分かったそこらのヒーローはチェリーンと「さくらん棒」を取り出し、ブンブン振りましてこっちに向ってきた。「うぉー」と!?
鞍馬「これ、もっとれ!」食うなよ!と一事添えて菅笠にいっぱいのだだちゃ豆を渡された。

お互い様で一人前

2010-09-27 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
辛うじて一人前!とついで左手に鞆(とも・射た時に腕に弦が当たるのを防ぐ防具の一つ)を嵌めさせ、いつでも弓矢を取りやすくし、志鷹の左肩から由岐(靫・ゆぎとも書く・矢を入れ)被かせてショルダーバッグ風、小荷物は腰に巻いてウエストポーチ風…で、旅館で貰ってきた大量の比内地鶏を腰からぶら下げて、大荷物はやっぱり「俺が持ってやるよ」と荷物持ちを買って出て、義経の大荷物がさらに増えた…。
志鷹「ありがと」
義経「危険を察知したら火鷹を飛ばして、弓矢を番えるようにしとけ」火鷹の飛行訓練だ。
志鷹「わかった!」って、力強く素直に頷いてみたものの飛行訓練ってどうやんの?
義経「知らん!」俺は弓矢の名手だが、鷹匠じゃない。飛行法は専門鷹匠に聞け、鷹匠に!
弁慶「おっ、なんだか格好だけは一丁前やんけ」と、皆揃ってぞろぞろ集ってきた。
海尊「おっ」とお空を見上げて、怪しい雲行きを見てイヤな風を感じて、
義経「雨降る前に、にかほに到着したいな…行くか!」
海尊「でも」富樫さんは?寝てるけど…。
義経「置いていく…」うざいし…。
弁慶「あいつなら鹿の子ライダーに乗って、すぐ追いつく」ほら、鹿角行くぞ…と鹿角を引っ張ったら嫌がった。ぶんぶん、いやいや、鹿の子と一緒がいい!と駄々を捏ねた。
海尊「オスのくせに女々しい奴だ!」と言ったが女々しいって表現は一般に男子に使うよな。
というわけで居残り組みの鹿角たちを旅館の女将や従業員に「すみません、お願いします」と頼んで出立した。海岸通りから山道に入り、時おり地図上で現在地と目的地 にかほとペケ印を確認しつつ、志鷹を鷹匠にするために鳥海さんを目指した。が!?途中、人気観光スポット「角館」に向う旅行観光客と重なり、あっちもこっちも渋滞で、
義経「あぁ、角館か…武家屋敷見たいけど」GW中だし、人いっぱいだしとなかなか進まない道に愚痴を散々こぼしていた。ら、ついでに愚痴をこぼす奴がいた。
志鷹「腕が痛いよぉ…もうだめぇ」誰か代わりに火鷹持ってぇ~。
義経「お前なっ!我が子を背負う母親が腕痛いからって、他人に子供を預けるか!それに、まだ歩けない子供を降ろして「一人で歩けっ」ていうか?巷の肝っ玉母ちゃんを見てから、弱音を吐け!」普通、そんな母の姿見たら弱音なんか出ねぇぞ!
志鷹「うえぇ~」と音を上げたら、火鷹「キッ♪」と鳴いて肩に乗り、志鷹に寄りかかった。
義隆「火鷹、ずっと片足立ちだもんね…」
義経「辛いのはお互い様だ…」少し腕を下ろして休憩したら腕に戻せよ。それも訓練だ。

狐の葉

2010-09-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
七曜(宿星)に2つ星加えて九曜紋って、平氏一門の家紋だろ?出来れば、俺、雄山神紋「違い鷹羽」でお願いしたいな…。
義経「贅沢言うな。富樫の紋って九曜だっけ、八曜だっけ?北辰妙見信仰だもんな。これ富樫が注文したん?」チラッと富樫を見たが寝ているので確認不可。※北辰とは北斗七星の事。
そこへ、コンコン…とノックされ、開けると旅館長の女将と料理人 佐藤の親父が立っていた。
女将「ここの出稼ぎに来ている女将の藤原家 佐藤に嫁いだ乙和(おとわ)にございます」
義経「出稼ぎって…佐藤のお袋さんだよね。あの、弟の忠信は俺の身代わりに…」
女将「わかっております。午後から雨が降りましょう、これをご持参の上、出立下さい」
と、立派な菅笠(すげかさ)を人数分くれたが、立派過ぎて目立つ…。
佐藤「地元火星人ファン?がボランティアで作った菅笠です」はいと子供用ちっこい菅笠を、
義隆「ありがと!」と被せて貰い、両手が空くよう増尾の形見の刀を背に括り付けてくれた。
義経「ありがとう…悪いな」子供用までわざわざ作らせて…。いったい?この人たちって…?
佐藤「クリーニングに出された服はボロボロ、みすぼらしいので、ポイっしようとしたら、中にこれが入っておりましたよ。とても懐かしい泣き声で…コンコン…って」と短刀 薄縁を渡してくれた。
義経「…(勝手にポイした?)そういえば、佐藤家の故郷って伊達 飯坂の狐坂だっけ?」
佐藤「フッ、狐の葉(このは)を乗せてポンと化かし合って…ね」と不敵な笑みを浮かべた。
義経「あは…(なんか、こえぇ)」と思ったが折角のご好意、何とか頑張って作り笑い返した。
女将「旅のご無事を…。待っておりますよ」とにっこり冷泉院の手を取りにんまり微笑んだ。
冷泉院「え?あ、はぁ、ありがとうございます」って何を待つの?誰を待つって?
「では!」と話を一方的に強制終了され、部屋を後にした佐藤夫婦で、なんだか狐に抓(つま)まれたような気分となったが、気を取り直して出立の準備を整えた。
「整いました!」という者から玄関に来るように告げて、義経一着で玄関に付いて、呆けて待つ事5分、志鷹が顔を出した。
志鷹「ねぇ、ちょっと!火鷹がまだふらふらしてんだけど…」と両手に火鷹を抱えて登場し、
義経「バカッ、違うよ。お前がフラフラだから火鷹がバランス取り難いんだ。カケ貸してみ」と志鷹の弓道具 カケを右手に嵌(は)めさせて「この上に乗せたら痛くないだろ。腕を心臓から絶対に下げるな、揺れるな、ぶれるな。心もだ、いいな!」と火鷹が足を休める鷹巣の頑固孤高の岩山を体で再現させ、揺れたら地震!お前の自信の無さや不安は手を通して火鷹に伝わる。絶対安心の揺るがない信頼関係の下に火鷹と行動ともにし、一心同体で一人一羽で、

紋付Tシャツ

2010-09-25 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
志鷹「イヤな話の流れになってきた、あぁやだやだ」とお茶をすすっていた。ずず…っと
冷泉院「私たち先に部屋に戻って、お風呂入って来る」もっと美人になるんだ♪と食器をお盆に乗せて片づけなら言ったから、
義経「何度(風呂)入っても、それ以上何にもならん。歳を考えろ、歳を」後は下り坂!
冷泉院「キッ!」と一睨みして「行きましょ!」と瑠璃と連れ立って先に部屋に戻った。
義経「全く、血の気の引いた貧血顔が!」真っ白じゃねぇか。瑠璃はまたお面被るし。
朝風呂で長湯したら、午後から雨降って湿度高くなるから貧血起きっぞ。まったく!
海尊「心配しているなら、もっと優しく言えばいいじゃん」
志鷹「照れ屋なんだよ」無理無理、こういうの性格だもん。
義経「うるせっ」それより、火鷹、麻酔から目覚めたか?
志鷹「あ…忘れてた」とそそくさと部屋に戻っていった。
海尊「俺、鹿角と鹿の子の様子見てくるわ…」義隆行く?
義隆「うん」海尊が義隆を肩車して旅館玄関で待機中の鹿ップルの元へ行って、義経一人、しばらくのんびり瞑想と妄想を織りなぜながら呆けていたら、
弁慶「おう!」と顔を出した。(睡眠時間2,3時間&仮眠程度の昼寝で十分なタフな奴なんだ)
義経「で…どうだった?」酒拷問の結果は、
弁慶「やつらのバック、桐生だって」と、朝食を取りに行き、
義経「(呑んで朝帰り…よくすぐにメシ食えるよな)ふー…ん、で、富樫まだ寝てる?」
弁慶「寝てる」昼過ぎまで起きないんじゃねぇ?松尾さんらもダウンしている。
義経「って、(普通ダウンするだろ)面倒だ。置いていこ」鹿の子に乗って追いかけて来るだろ「午後から雨だ、早いうちに出発するぞ」と告げて席を立ち、部屋に戻った。ら!?
クリーニングに出したはずの着物がTシャツに代わって、しかもメンバーのサイズ110センチ(義隆 子供用)及び、レディースからメンズ3Lまで取り揃えて置いてあった。メンズSサイズのTシャツを広げて表柄を見て、くるりと裏返して裏柄を見て…、
義経「…これを着れって?」恥ずいんだけど…と思ったが、もうすでに着ている奴らがいた。
海尊「どう、俺っていい感じ?」と背向けて腰を当てて、顔だけこっち向けてポーズ取った。
義経「はいはい…」背中の鹿角紋が気に入ったらしいが、堂々と藤原家の家紋を背負って、まるで目印だ。でも、真田幸村の脇立の角よりいいかな…。(赤兜に角が生えてるやつね)
義隆「わぁ♪鹿角君のシャツだ!」と喜んでいるが、家紋だ、家紋。鹿角紋。
志鷹「春日 鹿島神の印だよね、それに表の柄。これって九曜紋だね」

伊達隠密 黒脛巾組

2010-09-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
護国豊穣五穀粥に昨日の残りか?きりたんぽを団子状にした だまこ餅の汁物(だまこ汁)だった。めいめいに好きなものを運んで頼んで、窓際の席でゆっくり寛いで食べていたら、
「おはようございます。昨日、見事な熊捌きでしたね。お抱えの料理人ですか?」と声を掛けられた。ふぇ?と見上げると白衣に隻眼の男が伊達巻らしきものを持って、コトンとテーブルに「どうぞ」と置いてくれた。
義経「あ、ありがとう…この白いの、伊達巻?」料理御もてなし大好き武将 政宗の作ってか?
料理人「あ、失礼。これは信田(信太)巻きで揚げの中に野菜を入れて煮てあります。信太とは、葛葉という安倍氏のお母上のことで、知ってます?その森をイメージして作りました」
海尊「…恋しくは たづね来てみよ 和泉なる 信太の森のうらみくずの葉」(母が恋しくなったら和泉の信太森を迷わず訪ねなさい…)と我が夫と子に残した句で…
瑠璃姫「人形浄瑠璃や歌舞伎なんかで、悲恋物語として演じられている…」
冷泉院「あの?」と空に指で一筆書き五芒星の桔梗印を書いて見せた。

料理人「そう、それっ」と人差し指で冷を指し「ずばり正解です!」と微笑んだ。
義経「…(その森と葛葉と五芒星の関連性が見えん)(・・)?」と素っ頓狂な顔をしていたら、
料理人「私ですか?私、私暇を出され、ここで雇われ料理長している伊達 飯坂温泉旅館長 庄司信夫と名乗っておりますが…」
義経「(って、誰もあんたを訊ねちゃいねぇが、暇を出された旅館長って?)庄司信夫さん…」
料理人→庄司「フッ、屋島、壇ノ浦後、息子らがお世話になりました」
義経「(・・)え?えっと…、こっそり本名とか教えて戴いても構いませんか?」
庄司「フッ、奥州藤原家のあの佐藤基治です」と堂々と名乗ってもらってようやく分かった。
義経「佐藤の親父さんか!あいつら最期まで俺に尽くしてくれて…、立派な死に様だったよ。ありがとう。あの熊を捌いたのは松尾という伊賀忍で…途中バッタリ偶然には思えんが出会った俳諧人らしいんだ」と席を立ち、弁解した。(別に伊達に変装することなくない?)
庄司→佐藤「あの太刀捌き…伊賀流…ふーん、そうですか…」と神妙な顔つきでふむふむと頷き妙に納得して、チラッと冷を見て、にっこり「じゃ、ごゆっくり…」と去ってしまった。
冷泉院「??(何?その笑顔?)」こわ…。
義経「…?息子が死んだってのに興味は太刀捌き…」それに冷に反応した、と腰を下ろして、
海尊「佐藤家の親父って」人の話全く聞かない親父らしい。佐藤さんらが生前困ってた。
義経「話一部分だけ聞いて顔色変えたな」伊賀って言っちゃまずかったか?一悶着起こる?
海尊「お♪面白いな、伊賀忍 v.s黒脛巾組(くろはばきぐみ)って」伊達お抱え忍者集団な♪

酒拷問

2010-09-23 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
向こう岬から松尾を背負った弁慶と河合を背負った富樫が旅館に戻ってきた。朝帰りか。
義経「二人を潰したな、恐るべし酒拷問…」なんか吐いたか?とそこへ、
義隆「おはようございます」とやはり背中のあせもを掻きながら起きて来た。
義経「おっ、おはよう。背中掻くな。忍耐でかゆいの耐えろ!」飛び火するぞ。
義隆「とびひ?」
義経「かゆい所が広がるんだ」痒いからって、掻き回すと、まるで火の粉が舞うようにあちこちに広がる。正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)というが、そこまで子供に説明したら余計な質問が飛んでくるから「後から瑠璃たちに天瓜粉付けてもらえ」と告げた。
義隆「うん」
義経「義隆の着物もクリーニングに出してもらえばよかったな」汗が沁み込んで、治るものの治らん…。そこへ、かちゃっと部屋の戸が開いて、ぐってんぐってんの松尾とでろんでろんの河合が到着し、でーん、どーんと床に放置された。もう投げ落とされても痛くも痒くも無い泥酔状態で、
志鷹「え!?何?」どうしたの?地震?と反ボケ状態で、
海尊「…あ、おかえり」と目が覚めて、
義経「で、おやすみ、だ…」
弁慶&富樫「ぐあーぐあー」と寝てしまった。
ごそごそもそもそと隣の間で物音が聞こえ、すーっと戸が開いて、
瑠璃姫「おはよう」とお面付きで、
冷泉院「おはよう…」と顔を出した。
義経「…おっす」って、ん?より一層白くねぇ、今日の冷?って男鹿温泉の効果か?
志鷹「おはよ、俺ら、朝風呂入ってくっちゃ~!」とタオルを片手に、海尊&義隆連れ立って行ってしまったから、
義経「おい待てよ。俺も行くって!風呂どこけ?」昨日風呂入り損ねた…。
義隆「鹿の湯だって!」鹿角君がいっぱい入っているわけじゃないよ。
志鷹「いっぱいって?分かってるって。男湯『錦(にしき)』こっち…」
海尊「♪恋におぼれて、未練に負けちゃ、男一代、名が廃る♪(男の錦より)」と陽気に仲良く男4人で風呂に入って寛いだ後、女二人を誘ってAM7時旅館のラウンジに行った。ら!?
[火星人 御一行様]と予約済席が用意されていた。巨大な熊の熊鍋の激励と感謝の意らしい。
朝食パワーUpメニューは、珈琲・紅茶&ジュース、サラダ&フルーツてんこ盛りバイキング、

連行

2010-09-22 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
志鷹&海尊「じゃ、俺らも!」せぇや!てやぁ!どいつもこいつも枕投げに参戦し、
義経「お前らぁっ!病人に向って何しとんじゃーっ!」と枕を投げ返した。ら!?
ばふぅん…と冷の顔面に直撃、ゆっくりスローモーションで枕がポフッと床に落ち、男どもの動きが一旦停止、しー…んと辺りが静まり返った所で、
冷泉院「あ~ん~た~らぁ!!連ッ帯ッ責ッ任ッ!」と大人全員横一列に並ばされ、一発ずつビンタを食らい「もう寝なさいッ!!」と隣の間の戸がすーっとバン!と大きな音を立てて閉まった。心の中で(戸は優しく閉めろ…)と思ったが、直接声を出して言えなかった…。
義隆「よかった…(一緒になってやらなくて)」僕もあれもらう所だった。
河合「お前は大丈夫だ。心配すんなって」あぁ、さっぱりした♪と浴衣で登場、
松尾「元気になってよかったじゃねぇ?義経」と二人風呂から上がって部屋に戻ってきた。
富樫「あぁ…叱られちった。枕投げが駄目なら、次何する?」
弁慶「よし、UFO探しながら呑むぞ!」松尾さん!河合さん!ほら親睦深めるぞ!と松尾と河合の二人は強制連行、それを笑顔で見守り、手をひらりひらり振っている、
海尊「行ってらっしゃい♪」俺、未成年だし♪
志鷹「え?呑めるだろ?行かないの?」俺との親睦は?
義経「深めたいなら、行け」ただし、夜明けは遠い。あいつらザルだ、ザル。
志鷹「……ん、やめとくよ」なんだか怖い。ま、海尊とは親睦深めまったし、な♪
海尊「深めてねぇぞ」永久に埋められねぇ溝、掘るぞ、コラぁ。
富樫・弁慶「じゃ!」と二人の首に腕を回し連行し、部屋の戸が閉まって夜の闇に消えた。
義経「さて…俺たちは明日に備えて、早く寝るぞ」おやすみっ!と言ったものの「義隆、まだ寝るには早いけど眠れるのか?9時前だし…」
義隆「うん…今日いっぱい歩いたし…」印も使ったし…。
義経「じゃ、おやすみ…」と寝かした。運動量に寄るが、10時過ぎないと寝付けない子で…、
義隆「(コテンと)くわぁ~、くわぁ~!」と大の字になって寝た…。相変わらず豪快な寝方で心配無用だった。
義経「よっぽど疲れたらしい…」朝までぐっすりだろう。
志鷹「じゃ、俺らも寝っか」おやすみ…とフッと明かりを消して9時前に消灯。
朝5時前、朝日が昇り始める時間に起床したが、残念なことに…曇っていた。窓を開けてお空を眺めて、
義経「雨が降りそうだな…」雲の動きと風の変化で空を見ながら天気予報をしていた。ら!?

術中

2010-09-21 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
志鷹「えぇ!(@o@)!」
白衣をまとって、キランと光るツックンツックンのメス(小刀)持って立っていた。
松尾「動かない足が枝に引っかけたりして、余計に危ない」一本足で体を慣らした方がいい。
河合「しばらく隣の間、借りるよ」静かにしててね。じゃ…。すーっとトンと戸が閉まった。
水芭蕉から抽出した麻酔薬で眠っている火鷹の足の切断手術に入った。そこへ、瑠璃たちが入って来たから、
義経「しっ(静かにしろよ…)」と口に人差し指を当てて、事情を冷泉院得意の読唇術で事情を口パクで読ませて重く長い沈黙を装う1時間をそこらへんに置いてあった書物を皆で読んで過ごした。パタッと書物を閉じて元の場所に置き、(しー、内緒な)と合図したと同時に、すーっ、パーと戸が開き、べっとり火鷹の血が付いた体で登場したから、ちょっと焦った。
瑠璃姫「!?」血を見て、目を回した。
松尾「(手術)終わったよ」
志鷹「火鷹は?」
河合「大丈夫だ。朝まで起きないけど」麻酔効いてるからとやっぱり血がべっとりで登場し、
瑠璃姫「!!」もう何も見えちゃいないけど、視点が定まらずチンと固まってしまった。
冷泉院「お疲れ様…」と冷水と濡タオルを差し出した。
松尾「(瑠璃をチラッと見て)…さんきゅ~」と水を受け取り、ごっくんごっくん飲み干し、
河合[俺ら、風呂入って来るわ」とそそくさと旅館の浴衣を持って、二人仲良く血べっとり付いた体で部屋を出た。ら!?「きぃやぁぁ~、誰かぁ~」と旅館の泊り客に叫ばれバタバタバタと走って逃げる音がして「怪しいもんじゃないんですぅ~」という声が聞こえたが、
義経「十分怪しい」男鹿温泉を舞台にミステリー小説でも書くか?と弁慶に目で合図して、
弁慶「ちょっと書いてみるぅ?」にやりと含み笑いした♪
富樫「ふははっ、寝るとこ、決めるぞー」と、それぞれに布団を引いて寝る場所を確保していたが、義経はもう自分の寝場所が確保されているのでみんなの様子をぼ…うと眺めていた。
すると、瑠璃がすーっとMyバックからお面を取り出し装着し、冷は彼女を気遣うように布団を引いてやり、もう寝るように促していた。すると、瑠璃バッタン、きゅ…と寝た。
義経「…(なんだ?瑠璃の奴…?)」と思った。ら!?
ばふぅん、顔面に枕が投げつけられ、
富樫「ふはっはははー!こんくらい避けられんのか!たるんどるぞぉ!義経!」
弁慶「ほれぇ!」と富樫と一緒になって、義経の顔面目掛けて枕を投げ付け、