ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~織田包囲網の、要~

2013-05-27 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「文…?」
信長「御従弟殿…」
長良川の合戦、義兄義龍に加勢しない明智一族。攻めを受け籠城。
戦混乱の中、光秀様は数名の家臣と、娘たちを連れて逃げ延びた。
戦から四年。今尚、城の影に身を潜め、家族共々浪人を強いられ、
「勿体なかろうが」
帰蝶「勿体のう…ございます。ですが、」
御従弟殿に、文を、と言われ、戸惑った。
正直、御慰めの言葉が見つからなかった。
「戦の火種は、金華。私にございます」
明智様に申し訳立たず、合わせる顔がない。
文で、やれ踏ん張れだのやれ我を張れだの、
「どう言えましょう?」
信長「明智長山にお戻り頂く、という手はどうか?」
帰蝶「長山城…」
明智様の元居城、美濃国可児にある通称明智城。
そこは私の故郷、稲葉山城の守り要の城だった。
「つまり…、御味方せよ?」
美濃征伐のため、我ら拠点を犬山城に移し、
それに加え、明智様が長山城で陣を構える。
信長「どうか、濃?」
稲葉から北は絶壁、北からは責められない。
東犬山で本陣を指揮、西長山で援軍を備え、
明智様が織田包囲網に加われば、強固完璧。
帰蝶「四面楚歌…」
信長「然様」
帰蝶「…」
信長「何を迷う?」
帰蝶「果たして…あの明智様が、殿の下に就きましょうか?」
信長「それを、そなたに任せる」


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