ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

女を磨く、椿

2011-11-30 | 日記
花は、本当に良い表情を見せてくれますね。
ハイ、チーズと
パシャ

美しいですね。
椿…盛りが過ぎれば、ポロ…と、武き者のように落ちて仕舞う。
こんな花を、私は男性的だなと思います。

この男、ただで落ちる花ではなく、
後世に…
女を美しくする油を残す。
その名も「椿油」!
そのまんまですが、
その昔、髪のお手入れや化粧落とし(クレンジング)オイル、
湯に数的垂らして化粧水、布に沁み込ませ、ボディローション等など、
利用していたそうです。
ただ、椿から抽出する油はごくわずか。
平安、鎌倉時代では、宮中の女性、もしくは、それなりの身分のある方のみ使用していたそうです。
薬と同じく高価なもので、一般庶民には手の届かない品物だった。
しかし、現代では、ドラッグストアで手に入る…。
昔は、女活(女磨き)も銭次第で大変だったのでしょう。
私の愛用しているのは、これです。
少量で、ペッカペカです。
大量で、ベットベトです。気をつけような。

さて、これから本編では、多くの“モノ”が登場します。
あっちに行ったり、こっちに行ったり、
没収されたり、譲られたり。
それぞれに意味があります。誰が今、何を持っているか、よーく読んで下さいね。

そして、
渡来人の秦河勝(はたのかわかつ)様が伝えた景(キリスト)教や、
遣唐使で、陰陽道・兵法の元祖たる吉備真備(きびのまきび)様が大いに関わってきます。
また、時代背景として、
奥州は独自のルートで異国と文化交流を行っていました。
義経が、奥州藤原秀衡をパトロンとしていた事も大いに関わってきます。
ま、だから、チンギス・ハーン説が生まれたんでしょうね。
航海ルートとして、ありますから、そういう伝説が生まれても有りですね。
ま、そういう事で、本編に入りましょう!

こいつは、使える

2011-11-30 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
斎藤「アンタの首を上げれば、株が上がる」
土岐「斎藤さん。いい加減にッ」
斎藤「しかし、雁首揃ったこっちの方が、楽しめそうだ」
土岐「なッ」、義経「何を企む?」
斎藤「こっちの方が上玉、より取り見取りで婚活にも力が入ると思ったまで」
義経「婚活?」
斎藤「れ?珠ちゃんだっけ、あの子…」後ろから走ってくる女の子を見て「奥方似?」
土岐「え…」
珠「紙風船のおじさんッ!」わ~い、と抱き付いて「遊ぼっ♪」
斎藤「おじさん…はないよな…と!?」バタバタバタバタ…(わぁ~い)「なんだ?」
子供たちにまとわり付かれて、
義経「プレOPEN記念で、近所の子供たちをこの忍者屋敷に無料ご招待だ」
継「ほぉら、」子供いっぱい「ここ上れば天守閣だぁ」連れ込んで、
土岐「はい」と斎藤さんに、いっぱいいっぱいのおもちゃと、おやつとミルクと、
斎藤「布オムツ?」を渡して、
義経「それと、匠っ」繭子に用意して貰った、
匠「子供の取り扱い説明書(育児書)」を渡して、子供たちと斎藤を天守閣に押し込んで、
継「じゃッ、時間までおっちゃんたちに遊んでもらうんだぞッ」と紐を引っ張り、最上階に上る階段を扉にして、きぃ…バタン、閉めた。
斎藤「閉じ込めやがったッ!?」
松殿「何をさせると思えば、子守か…」薄く笑って、
斎藤「笑い事ではな…イッ!」クイッと引っ張られ、
珠「おじさん、紙風船、作ってぇ♪」折り紙を持って来た。
斎藤「子供ってのは…」
松殿「意外に、使える」孫をあやして…笑っていた。
斎藤「そういう所が…」何を企んでいるのか分からない「あなたの怖ろしい所です」
松殿「ふ…」と笑って「で、どうだ、奴らは?」
斎藤「一人…」紙風船を作って、ぷぅ…と空気を入れて「使えそうなのがいます」
珠「わぁ、膨らんだぁ♪」
斎藤「はい」ポンと紙風船を渡して「いいお父さんだね」と笑って、ポンと、頭を撫でた。

さて、問題です

2011-11-29 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
斎藤「いや。ただ…、“かわいい妻子”がいると言動が慎まれると思ったまで」
土岐「…」
斎藤「身内に、護るべき者がいるのは強みであり、また、弱み…」
土岐「あなたには、弱みがない、と?」
斎藤「これでも、婚活中でね」クッと笑って「言っただろ、強み、だと。ところで、側室は?」
土岐「いない…それが?」
斎藤「それが、」引き金を引いて「弱み」バーン、空撃ちした。
土岐「…本妻の他、義理立てた妻を娶る、と?」
斎藤「st.バレンタインでは本命に見せかけた義理があり、駆け引きのための贈賄がある」
土岐「…妻をそのように、」
斎藤「このご時勢、愛だ、恋だ、そんなキレイ事で娶るは命取り。敵に落ちる…かも、よ」
土岐「あなたの考えには、付いてはいけない」
斎藤「結構。世に相違有って如かず。人と、思考を均等にすると疑問という観点が抜け落ちる。過ちすら訂正出来ない輩が繁殖し疑う事無く、偽りを信じて正当化する。愚かしい事だ。
さて、ここで問題です。吉備 五忍衆(ごにんしゅう)の一人 池田は、ただのスパイでしょうか?それとも、主を亡くし、行き場を失くした…哀れな犬でしょうか?」
土岐「…吉備の忍」※しのび(密偵調査隊)は飛鳥時代 聖徳太子も使っていました。
斎藤「らっ」ペロッと舌を出し「また、滑っちまった」
土岐「どちらにしても、」池田には、能子殿と、姉君がおられる「平家には変わりない」
斎藤「WANTEDッ♪」ビシッと指差して、
土岐「はッ」指した方向を見ると「…義経さん、匠君」
義経「アンタが、斎藤か」天守閣を下りた先で、奴と鉢合わせになった。
「うちの弟分を可愛がってくれたそうだな」
斎藤「弟って割に弱く、教育がなってない」
匠「何ッ」
土岐「斎藤さん、先ほどから、」匠君の前に立ち塞がって「口が過ぎます」
斎藤「流暢な口で、守秘だの機密だの守ってくれない」
義経「困った口弁慶※だな」※口達者だが、実のところ、それに伴っていない奴。
斎藤「ふ…」と笑って「それより、いいんですか?頼朝さんの、お尋ね人がこんな所にいて」
義経「いいわけネェだろ」

一旦流れたモノは…、

2011-11-28 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
松殿「その定めに反し、わざわざ”新田源氏”の養女になって那須与一と結婚したものの、」
義経「わざわざ、那須までスパイ(諜報部隊)送り込んで、勝手に調べやがって」
松殿「ふ…結果、それか。情けない」
義経「情けない?女は、子作りのためにいるんじゃない」
松殿「このご時勢、子が三年出来なければ…三行半(みくだりはん)」
義経「そんな離縁状、与一は、へし折った」
松殿「相手は能子殿…」と、彼女らの母 常盤殿の姿を重ね合わせ…「私も、そうする」
義経「え…」
松殿「いや、“彼女の事は”相分かった、止む得まい。そこで、お前に伝令だ」
義経「ッ…昔っから、伝令の多い義父だな」
松殿「嫡男を、渡せ」
義経「渡せッって、」
松殿「三河で、嫡男を待つ」孫の山吹をあやして…「乳母が必要だな」
義経「ッ」くそ狸ッ「とにかく、能子の事は公にしないでくれ」と天守閣を後にした…が、
気に掛かる。能子を、はいそうですか…と諦めたとは思えない。義父の、本当の狙いは?
天守閣に上がる前、確認しておきたい事があって、土岐「先ほどの話ですが…、」
斎藤「WANTEDッ♪」ガオッ「の話?それとも…、」ニッと笑って「池田?」
土岐「池田さんは、平家の生き残りを探してると、言いましたね」
斎藤「もし、自分が平家だったら、WANTEDの一人を見つけて朝廷に引き渡し、賞金を稼ぐか、」
土岐「もし、清盛息女の奪還を目論むとしたら、」
斎藤「平家巻き返し合戦、だな」
土岐「なぜ、資盛の側室までもが指名手配になっているのですか?」
斎藤「ガキの頃、秘密だっていう内緒話が、次の日、漏洩したって経験ないか?」
土岐「機密事項、ですか」
斎藤「そ、池田の姉の腹ん中に重盛の孫が宿って、雲隠れ…っと、口が滑ってちまった」
土岐「良いんですか?守秘義務違反です」
斎藤「良いも悪いも、一旦流れたモノは取り返しようがない。その口さえ封じてくれれば、」
土岐「口封じに、やりますか?」
斎藤「あなたには”かわいい娘さん”がいる。そう易々と、やらない、だろ?」
土岐「…脅迫ですか」

天が定める、命

2011-11-27 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
匠「賀茂女も狙われる。アイツ、安倍賀茂の血は…、」
義経「なら、お前が守れ」
匠「はい」
義経「愛。お前、確か…伴の奴ら、西廻船で逃げたと言ったな」
愛「うん」
匠「駿河だ…そこに伴別邸がある。葵さんは鎌倉で釈放された静さんと人質になっている」
義経「駿河まで、…なんとか…」
“これでなんとか…持つわ”
葵…なんとか、その命、持たせろよ。
匠「…義経さん?」
義経「いや、何でもない」嫌な予感を払って、妻に似て来た山吹を抱き締めた「案内しろ」
匠「はい」繭子さんに頼んでおいたものを貰って、階段上り、最上階に向かった。
義経「お前は、ここで待ってろ」入口前で待機させ、俺は一人、松殿の居る天守閣に入った。
そこには、松殿「義経…」と、弁慶と海尊がいて「先に、行ってろ」二人を下げた。
松殿「何を始めるつもりだ?」義経の抱いている孫の山吹を見て、
義経「妻を、アンタの、三河で静養させて欲しい」そう言って、娘の山吹を松殿に渡した。
松殿「どういう事だ?」
義経「妻は、駿河にいる。それに、産後の肥立ちが悪く、今体調崩してる。だから、」
松殿「確か、葵の双子の姉も…」産後、体力が回復せず、つい先日「死んだ…」と聞いた。
義経「俺では…追われる身では、妻に十分な休養を取らせる事が出来ない」
松殿「だから、この子を、」ひげを触ってくる孫に目を細めて「人質に?」
義経「孫を、人質にする祖父はいない」
松殿「葵に、何かあれば、養子共々、私が引き取る」
義経「妻に、何か遭ってもらっちゃ、俺が困る」
松殿「く…。確かに、実子二人に養子が一人、男手一つで三人の子を育てるのは大変だ」
義経「そういう事じゃない」
松殿「子宝に恵まれて良かったな。そうだ、能子殿に子が生まれたら…」
義経「その話だが、花山院殿に、替えの承諾を貰った」
松殿「何?…やはり、子が望めない…のか?」
義経「俺に対する質問じゃない。子は授かりモン…子を宿す力があるか否か、天が定める」

御手数をお掛けいたしました。

2011-11-27 | 日記
25日、朝から御手数をお掛けして、申し訳ありませんでした。

イメージ的に、パニック起こした私が、

こんな感じで押し寄せているというか、

あ…違う!
別に、マヤ暦2012年滅亡説と、龍の落とし頃女子S.51年生が〝厄〟を掛けて、
これ、作ったわけではありません。

さて、厄といっても、厄災という禍を受けるわけではなく、
天から神が役を当てる、だけ???です。
ちなみに、前回の前厄本厄後厄で雄山神社で雪を思いっきり当てられました。
雄山ン「ひつじ、みっけ♪とりゃッ」と雪、投げて、

どばーんッ!!

雪被ったひつじが「やりやがったなッ」真っ白けで怒鳴って、
…ま、いろいろ旅させてもらった。
神様、御役ありがとう。
厄って、そんな考えさせられる年なんですよ。
というわけで、
2012年51年生女子厄年諸君、来年踏ん張ろうな。

その三つの重なりを知ってか知らずか、
友人が誕生日おめでとう!!とお祝いメッセージをくれた。

ありがとう。
苦しい時、太陽に向かって笑って、話しかけるよ。

紅葉の陰陽師狩り

2011-11-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
繭子「当然でしょ」と山吹を「はい」と渡して、シュルとした絹に包まれた山吹を抱いた。
義経「これも、」池田のショールと、日の丸と同じ質感で…「お前が織ったのか?上質だな」
繭子「伊達に20年やってないわ」
義経「20年…」匠の年齢と「ちょうど、重なる」
繭子「は…」と、気付いたらしく、
義経「お前。誰に、織物習った?忌部…明成さん、か?」
繭子「…いえ、その」匠君に「黙っていて、ごめんなさい」頭を下げた。
匠「え?」
繭子「紅葉局様…お二人のお母様に教わったわ」義隆に着せた木瓜紋の法被と帯の紅葉賀…


義経「紅葉狩り…。葵が狙われているって、知っていたのか?」
小枝「それは、私から彼女に伝えたわ。その時、声が出なかったから、何とか図案で示して」
繭子「それで、私が織った。織って気付いたわ、局様の事。それに、池田さんに会って、」
義経「母親だと、気付いた」
繭子「えぇ」
匠「母は、最初、薬が欲しいと言った。次は、陰陽師…」
義経「平安、天下泰平をもたらす陰陽師」そう言えば、池田も吉備真備の兵法を…「なぜ?」
匠「10年前(1179年)、平 清盛様急遽され、父上…池田の父も後を追う様に亡くなった。その頃、母も、泉姉さんの事を気に病んで伏せていて、その…薬が欲しいと言ったんだ」
義経「それが、蠱毒(コドク)」
匠「母はそれを持って池田の家を去った。家督を継いだ兄は、俺に池田を出るように言った。志鷹に養子に入って七年過ぎた頃(壇ノ浦の合戦後)、母が陰陽師狩りしようと現われたんだ」
義経「陰陽師…狩り?」
繭子「紅葉狩り伝説の主人公 伴 呉葉は、呪術師という話なの」
匠「母の旧姓 伴 呉葉(くれは)…けど、母はそんな術、使えないよ」
義経「紅葉狩りが陰陽師狩り?国家権力の象徴 天叢雲剣を直させて、陰陽師で…葵を利用して政を動かすつもりか?」そんな大反れた事、池田の母…女が?それとも、誰かバックに…、
匠「陰陽師って、すごい奴だと思った。でも、賀茂女と会って、」
義経「生身の体に普通の魂宿った、普通の女だ」泣き虫で、ぷんぷん怒って「そうだろ、匠」
匠「…普通より、かわい…よ」
義経「誰が、賀茂女の評価を述べろと言った」

死ぬまで、付いて生け

2011-11-25 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
池田「…」コクンと頷いた。
匠「あぁ」言葉が無くても分かった。だから、俺も、しっかり頷いた。
「こっちです」屋敷の間取りを覚えていない義経さんを部屋まで案内して、
義経「ここかッ!」バーンッ!と豪快に戸を開けて「繭子ッ」の部屋に入った「ら!?」
愛「ツネ様…」
義経「お…まえら、何してんだ?」かんざし頭の、
繭子「レディが着替えているのに、失礼じゃない?」藤色のキレイな着物を着付けられてる、
義経「あ…あぁ、すまん」愛の大変身に驚いた。
繭子「クスッ」と笑って「惚れ直した?」
義経「どうなってんだ…?」平家の姫と、藤原佐官の娘が一緒に「御化粧ごっこか?」
繭子「ま、そんなとこね」
愛「うん」と照れて、少し笑った。りり…と可愛らしく銀が鳴って、
義経「斯波か?」
繭子「ま、そういうこと」
義経「不思議なヤツだな…」まるで、平安時代、遣唐使らが伝えた景(キリスト)教の、
ゼウス…天主を重ねてしまった。
天主はパンドラ(人間)の誕生日に「開けて見てはいけない」とタブー(禁句)BOXを贈った。
しかし、タブーを破った人間がBOXを開いてしまい、世が禍に包まれた。天からの禍に、人は心を失い、狂い、惑い、苦しみ、悲しみ、もがき…泣き崩れた。「もう、ダメ…」と思った時、BOXの奥底から、キラッと輝く…確か、希望という愛(めぐみ)…が見えた。その、小さな小さな輝きは、人にこの世の中で生きる喜び 希望を与えた。そして、人は笑み(幸せ)を取り戻す。そんな神話を見ているようで、その愛の笑みに「…良かったな」と声を掛けた。
愛「ん…でもさ、斯波さん、服も…って」
義経「そうだな、その方が男は喜ぶ」
愛「ぶぅー」そんな表情も拝む事がないと思っていた。だが、
義経「繭子、サンキュな。あの旗、」照れ隠しに、日本の象徴を「見事だ」と褒めた。
繭子「私の、出来る事をしたまでよ」こっちは相変わらず、キレイな顔で、棘っぽい。
義経「そんなんじゃ、富樫に愛想つかされっぞ」と余計な注意したら、
繭子「ふ…」と笑って「愛想付かされたって行く所もないし、付いて行くしかないわ」
義経「そっか」繭子の笑った顔も、初めて見た「なら、死ぬまで、富樫に付いて生け」

命繋いだ、へその緒

2011-11-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
匠「忌部の親父が…」胸に仕舞ってあるショールに手を当てて「…父さん?」
池田「俺たちのショールは越前織り…“濡らした”横糸一本に、二重縦糸で織り合わせる、故に、羽二重という。縦横の糸が織り重なった部位が乾いて布を引き締まり、より丈夫になる。俺たち三人の絆が丈夫であるようにと、お前のお父上が織って下さったものだ」
匠「ふ…」鼻を鳴らして「知らないよ。羽二重餅…知らずに、美味いから、一人で食って、」
池田「…」匠の頭を、抱え込んで涙を隠した。
10年以上も前の事だが、匠「腹…痛くなって、兄貴の作った赤玉飲んだら…すぐ治って、」
池田「そうだったな」
匠「俺も、薬作りたいって…」
池田「分かってる」
匠「でも、俺は、毒を…」
池田「今のお前なら、大丈夫だ。生薬という、薬“くすり”の本質を理解した」
匠「反すれば、危険(risk・りすく)を伴う、副作用もある…命を助けるはずの薬で、俺は…」
池田「匠。俺の妹、失った命の、あれ…持っているのか?」
匠「もちろん、泉(いずみ)ねぇさんの形見…」懐から小さな布包みを取り出した。

その布の柄、斯波「(藤の花って!?)」、義経「(元、公家の出!?)」二人、顔を見合わせて、
池田「泉が生きていたら、お前は生まれてはいない。泉が、俺に、お前(弟)をくれた」
匠「ねぇさん…」の“へその緒”を仕舞ってある布を見た。
池田「お前は、妹が遺した、俺のたった一人の弟だ」大切な、だから、守りたいと思った。
義隆「兄貴…か」自分の、会った事の無い兄を思ってか、池田兄弟をじっと見ていた。
義経「…」俺も、兄と対面するのが楽しみだった。だが、
「と、池田のショール…」を懐から出した。
池田「そういえば、舞台に広げてあった日の丸…あれはどなたが織ったのです?」
義経「繭子…アイツ、織物やってて、西の西陣、東の桐生、一手に織り上げる名人なんだ」
池田「誰に、教わったんです?」
義経「知らないが、元 宮中の職業氏族…その、匠の親父さんが、か?親父さん、今、どこに?」
池田「三国港(西廻船の寄合港)近くに繊維工場があると聞いてはいますが、場所までは…」
義経「繭子を聴取する。匠、案内しろ」
匠「はい」グッと、胸を掴んで、懐の俺の赤いショールを掴んだ。俺と兄貴を繋いでくれたショールと、姉のへその緒が、俺に繋げてくれた命を掴んで「輝兄」を見た。

兄弟の繋がり

2011-11-23 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「時間の無駄」
池田「どんな教育受けたら、こんなモンスター(ペアレンツ・自己中な親)になるんです?」
義経「寺に籠もったら、こうなった」
池田「寺に籠もったら、悟るでしょ」
斯波「おい、モンスター同士、やるなら後でやれ。それより、池田の…」
義経「姉さんの事だろ」
池田「そちらの耳にも届いてましたか」チラッと弟を見て、
匠「何…?」
池田「姉を匿うとしたらリスクが伴う。そのリスクを冒してまで助けようとするのは身内だ」
匠「…で?」ストン、と腰を下ろして「俺と、何が関係あるの?」
池田「考えられる身内は、俺とお前以外、ない。お前の父なら、姉を匿う事が出来る」
匠「父?…って言われても、俺…知らない。会った事も、聞いた事…ない」
池田「知りたいか?」
匠「そりゃ…ッ」と言葉を止めて、義隆を見た。
義隆「俺、父上の事、聞いたよ」
義経「…」
義隆「父上、会いたいから迎えに行くんだよね」
義経「一緒に迎えに行く約束したな。兄に、お前を、弟だと紹介する」
義隆「絶対だからね。俺、兄貴に会いたい」
義経「あぁ。俺も、会いたい」
匠「…」俺も、会いたい…。
池田「匠。これが、父の気持ちだ」
匠「…なぁ、教えてくれ。兄貴、俺の親父って…」
池田「お前の好きな…羽二重餅、」
匠「越前の呉服問屋の親父が、お土産にって、」
池田「あの方が、そうだ」
匠「越前問屋の親父…?」頭ん中が真っ白になって「忌部(いんべ・斎部)明成…さん?」
池田「元 宮中の職業氏族だったが、藤原家が斎(いつし・神に仕える)を勤めるようになって左遷された。その後、越前に移って機織(はたおり)を教えていた。母とは、それが縁だ。俺たちの色違いのショールは、」

姉と兄弟の繋がりに「忌部さんが、お前のお父上が作ったものだ」