ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

マルコの洗礼

2013-08-31 | Italy-聖地巡礼の旅-
水の都 Di ヴェネツィア

早朝、
「ん?風が冷たい…」
雨の兆しを感じました。
ホテルのバイキングで食事をとっていたら…
ざぁー…ざぁー…
「なんじゃこりゃ?」
もちろん、雨です。

イタリアンガイド「すぐ止むって」とお気楽モード。
しかし、ガイドの予報空しく、止む兆しはありません。
空が暗くなり、ゴロゴロ雷鳴が轟き、
雨足も強く、激しくなってきました。
イタリアンガイド「あぁ、異常気象だからなぁ」
俺のせいじゃないって、
ははは、笑っています。

それもそうだ、どこもかしこも異常ばかりで、
あはは、もうひきつって笑うしかありません。
で、
どうなる??ヴェネツィア観光、
大丈夫か??水上ゴンドラ(舟)。

って、心配していましたが、
無事出航、到着です。

こちらが、水上の都ヴェネツィアです。

浜とか、無いんですよ。
ほら見てみ、

すぐに建造物が…、
どうやって建築したん?
と首を傾げたくなりますが、

「先人たちの叡智は深く、多くの働き手を担う財力や権力、
水上建築に伴う技術と、その智慧があったのだ!」
世の中権力と金だ、金…と、簡単に片付けます。

さて、
到着したら、雨は本降り。
これも、聖マルコの洗礼。
甘んじて受けて立ちましょう。

世界最小?の折りたたみ傘を開きます。
比較的小さいので横からの雨風に弱く、
もうべちゃべちゃ、
靴もぐちょぐちょ。
合羽、ゴミ袋ポンチョの方がいいのでは?
夫を横目に疑念と疑惑が浮かんできます。
全身濡れて、結構寒いです。
気温26°…ですが、体感温度はさらに低い。
この寒さはかなり堪えました。
この世の中、何が起こるか分かりませんね。

「備えよ、常に…」

騎士道の精神と、
何か羽織るモノをお忘れなく…。

くしゅん…。

さて、こちらサン・マルコ広場前のサン・マルコ寺院です。

聖マルコさんが眠っています。
さぁ、入りましょう。
おっと、いけません。
中はサンクチュアリ、
肌の露出を好みません。
ショールで肩を隠します。

中は、どこで集めて来たのでしょう?
まばゆい黄金がちりばめられています。
時の栄華が目に浮かびます。

しかし、栄華に溺れてばかりではいけません。
水都の維持管理、保全保存をお願い致します。

Madonna lily、聖母の象徴

2013-08-31 | Italy-聖地巡礼の旅-
これは実家に咲いた鉄砲百合ですが、

白百合は大天使ガブリエルが受胎告知した際、
その手に携えていた花としても知られ、
マドンナの象徴として描かれ、聖母の純潔や清純を表します。

この受胎告知の花ですが、
どこからともなく球根が転がって、
ポコン、
「え?」
植えた覚えもないのに突如咲かせます。

まるで、
どこからともなく転がり込んだ、

この子のようです。

「にゃんだよ?」

さ、ヴェネツィアへ行こう!

ARENA(砂)の涙

2013-08-30 | Italy-聖地巡礼の旅-
さて、

ここは、
Areniano(アレーナ)。

アリーナの間違いだろ?と言いたく成りますが、
語源はラテンです。
アリーナの意味は観客席に囲まれた闘技場、競技場の事ですが、
元々はラテン語のARENA、砂の事。
剣闘士(グラディエーター)たちの流れる血を砂に吸わせ、戦いを続けさせる、
ローマのコロッセオ(円形大闘技場)がモデルです。だから、コロッセオ型ね。

ここアレーナでは毎年「アレーナ・ディ・ヴェローナ野外音楽祭」が開催されます。
1913年からジュゼッペ・ヴェルディの生誕100周年を記念してアイーダが公演されたのが始まり。
戦争による中断もあったが、
今年丁度生誕200周年目という事でやはり「アイーダ」が公演されるという事でヴェローナは大盛り上がり。

アイーダに登場する指揮官が闊歩し、
舞台であるエジプトスフィンクスが寄付??を募ったり…で、
複雑な思いでアイーダを思う。

エジプトの砂の大地に日が沈み、
空がオレンジから闇に変わる頃、
至る所で灯されるキャンドル。

開放的なアレーナで、
幻想的な光りを見つめ、
開場を待つ…

しかし、
あぁ、残念。見たかったわ。

私はイタリアで初めてジェラートを買って、
アリーナを見つめた。

エジプトと、エチオピア王妃の悲恋を思いながら。

その後、私たちは、ホテル近くのレストランへ行き、
ミラノ伝統料理カツレツを堪能。

そして、就寝。
お疲れ様です。
さて、明日は舞台をミラノから水の都ヴェネツィアに変えてお送り致します。







シンボリックと、エターナル

2013-08-29 | Italy-聖地巡礼の旅-
イタリアは兎角、
神の肖像が美しい。

日本も八百万の神々を視覚的に造形する文化がある。
下の写真は、
サン・マルコの象徴である、

有翼のライオン。

他に聖書外伝ともいえる福音書を記した聖人たちも、
ヨハネは鷲、マタイは天使、ルカは雄牛とそれぞれ人間以外の姿で象徴される。

ちなみ、サンとは、聖なるという意味で、
サン・マルコとは、聖マルコとなる。

守護聖人マルコさんに関しては、
ヴェネツィアで再登場致します。


権力者たちがこぞって家の壁にフラスコ画を描かせました。
目に見える形の力が欲しかったのでしょうね。

さて、
ここには14、15、16世紀のルネッサンス建築が、
一か所に集約されています。

ルネサンスとは、
「再生」「復活」を意味するフランス語。
古代ローマ文化を復興しようとする文化運動であり、
14世紀にイタリアで始まり、やがて西欧各国に広まった。
文化運動としてルネサンスがあります。また、これらの時代(14世紀 - 16世紀)を指すことあります。
今、日本もかつての大和魂、大和撫子、
その精神の復興期に差し掛かっていると、思うのは私だけではないはず。

日本再興を夢見て、ルネサンスに思いをはせて…。

あ、ルネサンス代表の、

『新曲』ダンテ様。
おやおや、
スマホで撮影する私たちを見て、
「それ、音楽も奏でられるのかぁ?」と、
進む次代と加速する時の流れに、
首を傾げているようにも見えます。

こちらの建物は、

ダビデの紋章(✡)がありますね。
イスラム教の方のための、教会だそうです。

カトリックの街で、
イスラームを見る。
これが本来あるべき、
宗教なのでしょうね。

象徴を崇拝するカトリックと、
永遠を重んじるイスラーム。

象徴や崇拝の対象が違っても、
それで、いいんじゃない?

そう思うのは、皆でしょ?

帰国して…、

2013-08-28 | 日記
イタリアから帰国して、
夫婦たるものが如何に一蓮托生か、
少しずつ分かってきました。

夫が体調を崩せば、
妻にも危機が及ぶ。

すみません。
夫の風邪をタイムラグで、
丸ごと引き受けてしまいました。

あら珍しい。
三年ぶりです。
何も起こらなければ良いのですが、
すると、
「幸子さぁ~ん」
はい、呼ばれた嫁は、
一階の義母様の許へ。

で、びっ栗、

とっても早い実りです。

一体…、自然界で何が起きているのでしょう?
それはいいとして、美味しく頂くためには、
これらを実家に持って行き、
娘「おかぁさぁん、一緒に剥こう♪」
母「ヤちゃよ」
そう言って、文句言いながらも
一緒に剥いてくれたお母さん、ありがとう。
九月、うちの栗が実ったら、
一緒に剥いたげるからって、
「ん?」
父が帰宅して、
父「おぉ、仕事持ってきてやったぞ」
こういう言い方しかできない父です。
持ってきてやったとは、
なんと恩着せがましい。
父に仕事を下さいと頼んだ覚えはない。
で、
娘「断るッ」
父「で、これはな…こうで…」
私を無視して話を進めます。
断っても、拒絶しても、
面倒を持ってくる父です。

そう言えば、
宮崎駿さんが言っていた。
「面倒くさい事が、大切なんだ」

…はい、時間外労働、頑張ります。
娘「私、風邪っぴきなんだけど…」
父「男はな、仕事しながら風邪を治すんだ」
娘「…」
根本間違ってる…。
私、女で娘です。

さて、
話は変わって、
イタリア行きの前、
父がバックをねだりました。
イタリアはファッション街で、
革製品も有名ですが、
娘「イタリアンなバッグ?お父さんが?」
似合うはずもない。
娘「お父さんに似合うバック…イタリアに無いでしょ…」
父「そうか…で、」
目を細めて、
分かっておろうなぁ、ん?というような視線を送ってきます。

えぇ、分かっておりますとも、
面倒くさい父です。
で作りました。


が…、
父「もっと、こう…かっこいいボタンが付けれんか?」
かっこいい?
こういう台詞が父の口から聞けるとは、
思いもよりませんでした。
よってかっこ悪いバックは、
娘「…」
黙って、夫に進呈しました。

もちろん夫、
妻の作ったものは、何でも喜びます。
新婚ですので、至極当たり前ですが、
時と共にこういう感情は必ず失せる。

さて、風邪を治すぞぉ。

ぶしゅッ。

ロミオー、あぁロミオ…

2013-08-27 | Italy-聖地巡礼の旅-
さて、
これから…、
「ロミオぉ、あなたはなぜ、ロミオなの?」

で有名なバルコニー。
「ロミオとジュリエット」の舞台、
ヴェローナです。

中世の街並みが残り、

地面を掘ると古代の遺跡があり、

こんな感じで発掘され、工事中断。
調査団が入って調査開始。そして、

道路整備が遅れるという現実があるらしいです。


てくてく歩いて、

はい、この方、ジュリエットです。
彼女らの時代、恋愛結婚は出来ませんでした。
親が決めた相手、身分相応の方、
そして、何より重んじられる家系というもの。
まるで戦国の姫様方のようです。
「私、ロミオと結婚します」と我は張っても、
聞き入れてはくれないでしょうね。
そんな悲しい時代に生まれてしまった彼女、
今世では主に女性に胸をモミクシャにされ、
可哀そうに胸の辺りだけ少々剥げています。

なになに?彼女の胸をお触りすると、
「今度は、あなたが幸せになる番よ」
と結婚できるそうです。
なんとも縁結び寺のようですが、
妻「あ゛!」
ささ…とうちの夫が、ジュリエットの許へ。
そして、随分と長く胸を摩って、
夫「おい、(写真)撮れ撮れ」
と私に命じます。
妻「え?」
あんた、結婚してるよね?
夫「(イタリアに)来たって証拠が欲しい」
妻「…」
ジュリエットのハートが伝わらぬ夫でした。

さ、次行きましょう。



古代の記憶

2013-08-26 | Italy-聖地巡礼の旅-
ドゥオーモに、

わが身の皮を剥ぎ取って、
体の構造を調べる聖人がいました。

病を治したい、その一念だったのでしょうね。
彼の右手には、己の皮。

わが身を犠牲にしてまで、治療治癒に向ける思いがある。

聖人を超えた神の姿をここに見ました。

さて、
ドゥオーモを出て、ステンドグラスの裏に回ります。


白い建物に青い空が美しく、
ステンドグラスの聖書が、
時に光って、
また不思議。

イタリアの礼拝堂、
ほとんどが大理石。
外を歩けば、石畳。
あら、

古代の記憶アンモナイトがここに。

日本では石や岩には古代より霊を宿し、パワーストーン。
神座、岩座、岩峅などといわれ注連縄を付けて祀られる。
そう考えれば、イタリア全土がほぼパワースポットです。

懺悔なさい…

2013-08-25 | Italy-聖地巡礼の旅-
ドゥオーモ内は、
祈らずにはいられない…荘厳な雰囲気です。


大きなパイプオルガンですが、
大きなミサの時のみ、
その音色を聞けるそうです。

ステンドグラスもはやり新約聖書(キリストの生誕から死、復活まで)を物語っているそうです。

そこかしこに神と天使と、

聖人がいて、

隣には懺悔Boxが、
妻「入ってこれば?」
夫「清廉潔白で、懺悔することないが」

だそうです。

ほぉ?

裏切りのユダ

2013-08-24 | Italy-聖地巡礼の旅-

ドゥオモ(礼拝堂)は、ミラノのシンボル。

開門まで少々時間がありますので、
ちょっと聖書のお話をしようかな。

さぁ、こちら注目。

『マリアの歓び、と悲しみの門』です。

キリスト様の誕生から死、そして、復活までが、
理解しやすいように門は作られています。

大変不思議な現象ですが、
神様は人(マリア)の子です。

「あなたに、神の子を授けます」と、
神のメッセンジャーといわれる大天使ガブリエルから、
『受胎告知』を受けます。

いきなりの告知にびっくりしたでしょう。
妊娠ってそんなもんです。

「おんぎゃー」
無事、厩(うまや)で出産。
ここら聖徳太子と重なりますね。


ほら、人間たちより天使に祝福されて…、

これじゃ、王様、時の権力者に疎まれます。
あの手この手で救世主を捕えようとします。

人気の高い救世主様ですから皆が守ります。
業を煮やした権力者は最終手段を使います。
それが、ユダの買収です。

「家族がどうなってもいいのか?」

王様や権力者にこう脅されたなら、
あなたはどうしますか?

愛する家族を捨ててでも、
主を庇いますか?

愛する家族が磔の刑、
それを黙って見ていますか?

究極の、命の選択を迫られ、
もし、私がユダなら…、



『最後の晩餐』では、
ユダの手に数枚の銀貨が握られています。
権力者に魂を売った、そんな悲しいお金です。
救世主を権力者に売り渡し…、
その後の、ユダは?

仲間の許にも居られないでしょう。

でも、ユダを恨みますか?
ユダの罪を罰しますか?

主「許そう」

全てを受け入れ、許す。
息子の決断に、母も頷きます。

これが、マリアの悲しみ。

聖母がこの裏切り者を恨み憎しみ、
責め立てていますか?いいえ、

聖母もこの世の現実全てと、
この裏切りを受け入れます。

これが大天使ガブリエルに選ばれた理由なのではないでしょうか。
神の子を宿す、マリアの度量の深さ。
ガブリエルはそれを見抜き、
マリアを神の母にと選んだ。

選ばれるには、
それだけの理由がある。
さ、開門の時間です。
中に入って祈りましょう。

Buongiorno!

2013-08-23 | Italy-聖地巡礼の旅-
さて、観光開始。
で、
イタリア人に出会ったら、

「Buongiorno(ボンジョールノ)!→おはよう、および、こんにちは」

ちなみに、イタリアに着いたのが夕方で、
初めてイタリア語は
「Bounasera(ボナセーラ)→こんばんは」でした。

一期一会の旅です、さよならする時は、
「Ciao(ちゃお)♪→ばいばい」

神の言いつけ、申し出に素直に了承する時は「Si(シ)→はい」
丁重にお断りする時は、発音を短く「Noッ(ノ)!→いいえ」

神のご加護、人々の温かい善意に対しては、
「Grazie(グラァツィエ)→ありがとう」と答えます。

ちなみに私この旅行中、
上記単語のみで会話しております。

夫「すごい。ジェスチャーだけで伝わった…」
伝わったから、私…、
お財布を持たされて、
買物係になりました。

とにかく店員さんには、
Allボディランゲージで思いと心と、
欲しいモノや食べたいモノを伝えます。

たとえば、
イタリアンジェラートを食べたい時は、
定員さんにアイコンタクトを送り続け、
ジェラートをガン見して、指差します。
そして、
「これよこれッ!これが食べたいのぉ!!」
と、思いのたけを店員さんぶつけます。
ぶつけられた店員さん、
最初は困惑気味ですが、
ここは世界遺産の街。観光客で経済が保たれています。
昨今イタリアも困窮気味で、特に日本人(カモ)を逃す手はありません。
ちゃんと、私の言いたい事(ジェラート)の細部まで理解してくれます。
で、
ピスタチオのジェラートを食べました。
「bouno!bouno!(ボぉノボぉノ)→うまい!うまい!」

旅の恥は掻き捨て、
必死に心伝えたら、
何とか伝わります。
が、どこかそこらで妥協して、
諦めてしまえば、そこまでよ。

神は、人の諦めない精神を見ている。

ピカァッと、
天から光が!

と、これはイタリア一美しいアーケード、
"ガレリア・ヴィットリオ。エマヌエーレ二世"です。
1867年に完成し、周囲鉄とガラスのモザイク画と、フレスコ画に囲まれています。

はて、フレスコ画とは…?
イタリア語でフレスコ(新しい、新鮮)という意味。
フレスコは壁に漆喰を塗って、
漆喰がまだフレスコな状態(生乾き)で石灰水で溶いた顔料で描きます。
やり直しが効かないので、冷静さと度胸と神をも恐れぬ精神?と、
天に選ばれた才能とそれを維持する努力と、
磨き込まれた高度なテクニックが必要です。

ちなみに、
最終日ローマ、システィーナ礼拝堂の"ミケランジェロの『最後の審判』"もフレスコ画です。

夫「え?最後の晩餐は?ないの?」

妻「ないよ…」
ちなみに、ほとんどの礼拝堂や美術館は完全予約制。
予約が無いと…残念な結果となります。
イタリア観光遺産巡りの計画は綿密に。


さて、遺産には必ずそれらを造形するアーティスト集団がいます。
その一人が、レオナルドさん。

レオナルド・ダ・ヴィンチさんの足元には、
多くの弟子たちがいます。

おぉ、神よ、足元にも及ばない凡人の私は、
ただただアートを見るだけなのでしょうか?

レオ「アーティストとは…
芸術を想像し、想像し得る能力と、
それを造形具現化する技術が要る。

ある一つの事だけではなく、
絵画、彫刻、建築、施工の、
すべてを熟す者たちが、
「アーティスト」と呼ばれ、
彼らによって神は作られる。
神を作るのは、彼らの心…」

私たち、レオナルドさんに御会いするにあたり、
近代美術館「ダ、ヴィンチ展」に予習がてら行きました。

まず驚いた事は書記のすべてが鏡文字になっていたということです。
左利きの彼が右手で作業しながら左で書くのは考え得ることですが、
わざわざ鏡に映して普通に読める文字を書くというのは不思議です。

もしかしたら、
多くの弟子たちに見せて、読ませて、
すぐに取り掛からせるために、
わざとこのような手法を使っていたのかな?と思ったり。

元祖カンニングの高度な技術を見たような気がしました。

わざわざ人に解答を読ませるとは天才の考える事は深い。

では、また明日。