五兵衛「んん??」
どういうこっちゃと言いたげに、
眉間にシワを寄せ、私を睨んだ。
帰蝶「それより早う、出よ」
憑きものが居りそうで、監獄氷室は気味が悪い。
五兵衛「へいへい」
氷室から出ると、ひゅうぅ…と、
風がセイロンの香りを飛ばした。
帰蝶「龍が喜んでおるわ」
五兵衛「龍…?」
帰蝶「こちら(故郷)の風のこと」
濃尾平野を走る風、人は、
龍の伊吹(いぶき)という。
五兵衛「あぁ。あゆの風、な」
帰蝶「あいの風…?」
五兵衛「おらが風よ」
帰蝶「良い名である」
どうやら、五兵衛のお国、
越の風をそう言うらしい。
「なぁ。この茶を入れてくれぬか?」
五兵衛「あ?」
帰蝶「そなたも混ぜて、5人分」
五兵衛「ごッ」
今度は、五兵衛を引っ掴んで、竈に連行。
帰蝶「確か、ここに、」
戸棚を開け締め、木箱を取り出し、
「違う…これじゃない」
五兵衛「あん?」
何を探しているのかと私を訝しむ。
帰蝶「父の、茶器…」
どういうこっちゃと言いたげに、
眉間にシワを寄せ、私を睨んだ。
帰蝶「それより早う、出よ」
憑きものが居りそうで、監獄氷室は気味が悪い。
五兵衛「へいへい」
氷室から出ると、ひゅうぅ…と、
風がセイロンの香りを飛ばした。
帰蝶「龍が喜んでおるわ」
五兵衛「龍…?」
帰蝶「こちら(故郷)の風のこと」
濃尾平野を走る風、人は、
龍の伊吹(いぶき)という。
五兵衛「あぁ。あゆの風、な」
帰蝶「あいの風…?」
五兵衛「おらが風よ」
帰蝶「良い名である」
どうやら、五兵衛のお国、
越の風をそう言うらしい。
「なぁ。この茶を入れてくれぬか?」
五兵衛「あ?」
帰蝶「そなたも混ぜて、5人分」
五兵衛「ごッ」
今度は、五兵衛を引っ掴んで、竈に連行。
帰蝶「確か、ここに、」
戸棚を開け締め、木箱を取り出し、
「違う…これじゃない」
五兵衛「あん?」
何を探しているのかと私を訝しむ。
帰蝶「父の、茶器…」