ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ブックスピン(栞紐)

2013-02-28 | 日記
わ~い、わ~い。
お友達を作りました。
で、

男なら、ふんどしでしょ。
でもこれ、まわしでしょ?

さて、

私の愛読本「武士道 By 新渡戸稲造」にブックカバーを作りました。


ど?ハードカバーのバイブルらしくなった?

ちなみに、


切腹と敵討ちの項に
ちょろりん栞紐が…。

さ、明日から三月、
…春だね。


散華の如く~神の御使い、白きサル~

2013-02-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
信長「ふむ」
殿は、こういう縁起、験担ぎのお話がお好きだった。
「しかし、さるとは…」
猿…と聞いて、お気に召さぬのか?
ムムと眉間にシワを寄せ、腕組む。
帰蝶「美濃は山に囲まれた御土地柄、山神を崇拝…」
すらすら~と、さるぼぼの隣に、
真っ赤なお顔の山神天狗を描き、
「我が山の神、戸隠様は白き猿を御使いに遣わし、我らを助けまする」
悪戯も多かれど、猿は賢い。
民は猿の悪さも愛嬌と考え、
猿を囲い、許すのだとか…。
信長「猿めを、許す…か、のう」
帰蝶「殿が、猿めを嫌うとは…」
可愛い可愛いとあのサルを囲ったとばかり思っていた。
しかし、
信長「困ったサルでな…」
帰蝶「何か、あったのでございますか?」
信長「褒美は要らぬ、嫁をくれと」
戦の手柄、何が良い?と聞いたら、
帰蝶「嫁?」
信長「市を、くれと言うて来た」
帰蝶「まぁ…」空いた口が塞がらない。
なんと体それた事を…。しかも、
市をサルの嫁にするという事は、
「殿がサルの義兄様?…ぷっ、あはっは、あはは…」
信長「女子が大口上げて…」
笑い事でない。現にサルめ、
見事手柄を立てて寄越した。
帰蝶「なるほど、あの時の宣戦布告、その意味だったのでございますね」

ぼぼさ、こさえて…

2013-02-28 | 日記
さるぼぼ…作ってみました。
赤いふんどし古布が無くて、
父の肌着で作ってみました。

もちろん、父の加齢臭は除去済みのシャツ。
だから、大丈夫くちゃくないから安心して、

ちくちく…、ちくちく…、

で、

わぁい、ぼぼの出来上がり。


こさえたぼぼを、
御年18歳のじぃちゃんに、
「孫が出来たよ…」

と老猫にプレゼント。

「おじーちゃーん」

抱っこ。
何とも迷惑そうな老猫、
しかし、

「ややに手出しは出来ぬ…」
と、
しばらくぼぼの子守、尻尾に絡ませ遊んでいました。

ちなみに、中綿は低反発クッションを使用。
父シャツで肌触り抜群、まくらに最適です。

さ…、レッスンしよう。

散華の如く~さるぼぼ~

2013-02-27 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「お祭り…にございますか?」
おい文机、
はいただ今。
筆に墨、
はいここに。
信長「紙を持て」
帰蝶「はぁ…」
また始まった、殿の閃き。
すらすら~と図で示すは、
教育係の坊主沢彦様譲り。
信長「ややこにほれ、あれ。こんなやつが下がっておる」
赤子が眠る籠に、天から吊るした花笠。
そこから下がる、丸丸丸と無数の団子。
それが、ゆらりと揺れ、くるりと回る。
「ややがそれ見て、陽気に笑っておるであろ」
帰蝶「吊るし飾り…」
殿の手から筆を拝借、ちょんと、
墨を付けて、殿の思いを描くと、
「笠に花、涅槃団子(釈迦供養団子)とぼぼさ、下がって…」
美濃飛騨地方、古くから伝わる赤子の魔除けを描いて見せた。
信長「ぼぼさ?」なんじゃそりゃ?
帰蝶「あ…と、こちら美濃の言葉にございます」
殿に、さるぼぼ、を描いて見せた。
ぼぼさ、赤子、ややのこと。
さるは、去る、猿(縁、円)。
飛騨の女たちは、ぼぼさ人形を古布で縫い、
ややが授かるよう祈り、ややが生まれたら、
天から吊るし、ぼぼに厄災を移して、祀る。
女子桃の節句、男端午の節句と同じ意味で、
「安産の祈り、ややの厄除け、夫婦円(猿)満、良縁(猿)成就のお守りにございます」

散華の如く~尾張津島の天王祭~

2013-02-26 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「あ…」
端切れ箱を大事に抱え、
大切な人形様をころり、
忘れて行ってしまった。
針山にちくり針を刺し、
ねんねこした人形様を、
手に取り、胸に抱いた。
やはり、
あの時の、娘のよう、
ぴくりとも動かない。
そんなあの時をぼんやと回想させ、
意味も無く、ぽたり、涙が流れた。
丸の養母となり、もう大丈夫だと、
もう、悲しくはないと思っていた。
しかし、どうやら、それとこれは、
違うらしく、娘が可愛く羨ましい。
信長「濃よ」
殿に名を呼ばれ、我に返る。
涙を拭き、殿に振り返って、
帰蝶「古布ゆえ…目にホコリが入りまして…、」
聞かれてもない涙の理由を、
慌てて繕い、言い訳をして、
そんな自分が空しく、滑稽。
時に、自分に心を戻さねば、
心が、娘の許へ行きたがる。
ずるずる…と死を引きずり、
つい娘の姿を追ってしまう。
信長「…」こんな私のいい訳に無言で、何もお答えに成らず、
帰蝶「あの…お寧々、可愛ゆうございますね」そう言うたら、
信長「祭るぞ」

散華の如く~躾け縫い~

2013-02-25 | 散華の如く~天下出世の蝶~
寧々は、じ…と、布を見つめ、
夫婦の会話に耳を傾けていた。
信長「分からぬ話で、すまなんだな」
一人取り残された寧々を気遣うと、
寧々「私…」ぽそ…、本音を言う。
帰蝶「え?」
小さく、私の耳には届かず。
今なんと?と、殿を見ると、
殿、寧々に笑ってこう返す。
信長「左様か、よう習って嫁(ゆ)くが良い」
寧々「はい」
ぷくりと赤い頬を膨らませ、寧々も笑う。
帰蝶「…」
何を伝え合ったか?この二人、まるで、
父娘のやり取りのようで、微笑ましい。
尾張暴君の脅威威厳、そうかと思えば、
可愛い可愛いと溺愛子煩悩ぶりを発揮。
とりわけ寧々可愛い、殿のお気に入り。
しかし、
「お寧々、そろそろ…」
時間。お気に入りを返さねばならない。
寧々「…はい」
帰蝶「並べた布、躾け(仮縫いし)ておこう、そのままに、」
残りの端切れを箱に片して持たせ、
母の許へ、暗くなる前に送り出す。
すると、寧々の顔に変化が現れた。
寧々「…しつけ…とうございます。教えて下さいますか?」
帰蝶「分かった、このまま当たらぬぞ。明日も来るが良い」
寧々「はい」変化した顔が、ほ…と弛み、
「御屋形様、御方様、失礼致しまする」母の許へと戻って行った。

散華の如く~男心遠く、女心難し~

2013-02-24 | 散華の如く~天下出世の蝶~
信長「利治戻ったら、笑って迎えよ」
知らぬ存ぜぬ、無事帰ればそれで良しと、
笑って弟を迎えよ、良いな?と私を諭す。
帰蝶「…もちろんに、ございます…」
弟の立派、覚悟と決断に、
姉が横から何と言えよう。
むしろ、
弟の成長を第一に考える、殿らの、
その御心遣いが嬉しく、有り難い。
しかし、第一に妻に伝えぬ一大事、
意固地になって、礼の言葉が出ず。
それに、私は、やはり、姉として、
手に届く範囲にいたはず弟が離れ、
男の中に身を埋め固めるも淋しい。
弟遠く、すか…と掴めぬ雲に同じ。
ただ、弟の成長を見守るしかなく、
何と無く心複雑、感情がうごめく。
殿に「分かったな?」と、念を押されても、
芯まで理解が届いたか否か、定かでは無く、
かくん、首を垂らして、殿のを縫い始めた。
ちくちく…、ちくちく…、
くい、く…、
「あぁ~あ、殿がややこい事仰るから…ほれ、」
注意散漫、縫い糸が絡んでしまった。
信長「他の因にするとは何事ぞ」
帰蝶「女子が針を持つ間は、話し掛けてはなりません」
指に針が刺さって、危のうございます、と絡んだ糸を解し、
ビンッ、ビンッと、糸を張って弾き、琵琶のように奏でた。
信長「妻に声を掛けるも苦労する」
やれやれ、これだから女子は…と、寧々に目を向ける。

ガラシャ雛

2013-02-24 | 日記


昨日、ガラス雛を戴きました。
ガラス工房さんで制作体験されたとか、
良いですね。素敵ですね。美しいですね。
まるで明智光秀娘の珠ちゃんのようです。
というわけで、
珠(ガラス)のような美しさ、
ガラシャ雛と名付けました。

さて、
明智珠ちゃん、後の細川さんもなかなか気丈な方で、
三成の人質となり辱めを受けるくらいなら死を選ぶ。
しかしキリシタン、自刃は許されず、でどうしたか?
家臣に長槍で胸を貫かせた。ガラシャの死により、
人質作戦は取りやめになった…のは、有名なお話。

もう一つ、

“ぶりぇえものッ”

幼き珠ちゃんが扇で殿を打つ、
というエピソードも有名です。

もちろん、我が殿、
「妻に似た姫がおったわ」と大喜び、
細川家との縁談をまとめて下さった、とか。

さてさて、
家臣の夫婦けんかの仲裁に、縁談仲人と、
寧々の亭主浮気問題愚痴聞きと慰めの文、
多方面に気苦労絶えない殿にございます。

では、物語の続きを…。

散華の如く~戦と、命と、その重さ~

2013-02-23 | 散華の如く~天下出世の蝶~
父道三の末子だけあって利治、
槍を得手としていた。しかし、
日頃と実戦とは、勝手が違う。
実戦の恐怖を目の当たりにし、
動けなくなった利治を森様が、
帰蝶「あのお怪我…利治をかばって…」
“これ以上勘繰るは許さぬ”
可成様が私に忠告した意味が分かった。
信長「考えみよ」
盾と成り負傷したとなれば痛むは誰の心よ。
無論両者、体に傷負う者と心に傷背負う者。
利治若く、年長可成に負わせた傷に苦しみ、
可成「気に病むな」宥めるものの、
若き心、その深部まで声は届かぬ。
帰蝶「戦とは実…恐ろしい…」
そうやって、男たちに試練を与え、
命の重さを背負わせ、成長を促す。
もちろん、殿も数多傷を背負い戦、
命の決断、その断行を促す御立場。
信長「男とは、濃…女子のよう強うない」
戦最中腰を据え、男の帰りを待ちつつ、
縫い物など、到底出来るものではない。
戦の恐怖に震え、心が揺れ、体が動く。
決断一つ誤れば、負け。死にも繋がる。
ましてや、他の命を預かる身となれば、
他から繋がる命にその身絡まれ、喘ぐ。
「利治…ひとり廻らす思慮もある」
帰蝶「はい…」
利治が美濃偵察を買って出た、その経緯が理解出来た。
辛かろう利治。今、上に立つ、その重みと戦っている。

散華の如く~それが男、許せ…~

2013-02-22 | 散華の如く~天下出世の蝶~
信長「お寧よ、この布はどうか?」
ふぃと、話を逸らし、
寧々に布を差し出す。
帰蝶「殿ッ、信輝は利治と、一緒なのでございますね?」
つい腹立ち、強い調子になった。すると、
寧々「ッ!?」ビクッ、
殿から布を受ける手が、
大きく縦に振れ動いた。
帰蝶「あ…すまん、お寧々」
私が声を荒げたからか?
それとも、
弟の名に動揺したのか?
信長「おとろしいよのう、お寧や」
寧々「あ、いえ…その、」
そそと殿の手から布を受け取り、
「う…ん、と。え…と、」
目は端切れを睨み、合い方を探すが、
耳はこちら夫婦の会話にそばだてる。
帰蝶「利治…美濃偵察の件、」
信長「子供の前で分からぬ話をするでない」
帰蝶「子供も、いずれは大人。分かる話に成りましょう」
信長「いずれ知れる話か…」
帰蝶「弟の事…、私に一言あっても宜しいのでは?」
信長「言うたら止める」
帰蝶「当たり前にございます。利治まだ、十六。そんな大役…」
信長「手柄を失くした故の決断、許せ」
殿の御声、急に小さく成られた。
しかし、聴き取れぬ程では無く、
利治の心情事情お話し下さった。
その話で初めて知った、男の心。