ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ママ先生

2018-10-19 | ~ 育児 ~
昨日、保育士体験というイベント?があった。
「幼稚園にママいない」と言って毎日
泣いている娘にとっては嬉しいイベントであり、
毎日が保育の私には全く嬉しくないイベントだ。
今日はママが幼稚園に居ると、
朝からテンションの高い娘は、
「ママずっと居てぇ」
ずっとは居ない。
「イヤ、お昼で帰る」
このイベントは、
12:30の給食終了まで園児たちと付き合えば良く、
イベント終了後私は一旦帰宅、
通常通り15時のお迎えとなる。
さて、
娘と登園朝9時、
ここからママ先生がスタートする。
お、パパ先生もいるのか。
よし次回(次女)、
何とか、自称イクメンを説き伏せようと思った。
「おはようございます、よろしくお願いします」
事務所でエプロンを借り、名札を付け、
教室に入ると、
「あ、紗花ちゃんのママだ〜」
園児たちに囲まれる。
「今日はよろしくね」
最初は一緒に帰るメンバーだった。
慣れてきたら、
「手伝って下さい!」
他の子たちもママ先生を使い出す。
お絵かきをファイルするのを手伝い、
ブロック遊びして、
「お片付けの時間です!」
片付けたら、トイレのお世話、
「シャツ、入っているか見てあげて下さい」
本物もママをこき使ってくる。
1人ひとりシャツの確認、
その後歯科検診、静かに並んで遊戯室(検診場)、
ママっ子ちゃん、ちらっと私を見ては手を振る。
まあ、これくらい良いだろと、私も笑顔で返す。
さ、次は園庭で遊びましょっと?
「紗花ちゃんのママ先生ぇ〜、一緒行こ」
私の手を握ってくる園児たち、
「ハイハイ、行こうか」
出遅れた娘、唖然。
1人で園庭に出た。
「ダメェ、紗花ちゃんママ先生は私と行くの!」
おっと、先生争奪戦が始まった。
いつもは次女に対して
強気な長女(結局負けて泣く)が、
私の傍に来れない。
園庭でも他の園児がママ先生を独占。
仕方ない…。
今日は私は先生なんだ。
このイベントの前日、
娘に行って聞かせたことがある。
「明日はみんなの先生だからね、
みんな平等に遊ぶね」と。

お砂場で遊んでいた娘が、
「ママ〜、カレー作ったよ」
「すごーい、さぁちゃん」
お砂のカレーをモグモグ食べる振り、
「デザートも作ったの」
ケーキにアイスにジュース全て砂、
あ〜ぁお腹いっぱい。
お、食後に鉄棒しよ、
と鉄棒をしている子を手伝っていたら、
娘も付いて来た。
他の子と遊びながら、
娘とも遊んで、
「お片付けして下さーい」
先生の号令 で、わぁーとお片付け。
教室に入ってトイレに手洗い、給食準備。
「ママ、何で隣なん?」
「さやちゃんの隣、他の先生が良い?」
「うぅんうん、ママが良い」首を振った。
天邪鬼の隣で給食を待つ。
しかし、今日のメニューは…。
天邪鬼の顔は正直だった。
娘の嫌いなお野菜がお皿に
ちょろっとだけ乗っている。
先生も分かっているので、
ほんのちょろっとだった。
ママ先生たちの分も配膳され、
「いただきます!」
モグモグ、
「見て、ピッカピカ」
きれいに食べられたお皿を私に見せる。
「うん、ピッカピカぁ〜、エライよぉ」
ピッカピカになったのは、白飯だった。
さ、次にピッカピカになるのは?
芋煮、厚焼き卵…で、ピッカピカは止まった。
キャベツの即席漬けだけがちょろっと残っている。
「ゔ!げふぉ、げふぉ」
「だ、大丈夫?」
「むせた」
平均年齢の高いうちに育つ娘、
ジジババのようにむせ返った。
「なんか入ってる!」
即席漬けの中に入っている、
「それ、切昆布だよ」
ゴムじゃないって!
ゆっくり何度もモグモグ、
モグモグ…モグモグ…
よく噛むが、
ゴックン、出来ない。
他の園児たちが「おかわり」をしていく中、
モグモグ…モグモグ…
目は真っ赤、涙が出そう。
もうダメかなと思ったら、
本物先生が、
「ママに良いとこ見せよ。
紗花ちゃん、
最後には全部食べられますから」
娘の口に即席漬けをサラ入れた。
本物の前で為す術のないママ先生、
デザートを残すのみとなった私は、
ただただ、娘を見守る。
「さぁちゃん、バナナ、一緒に食べよ」
「ぅ…ん」
みんな、
「ご馳走さまでした!」と
グループごとに食器の後片付け、歯磨き。
最後最後で、
「さぁちゃん、食べれたね」
「うん」
バナナに手が伸びた。
待って待って、
「さぁちゃん、バナナで乾杯しよ」
取り残された親子二人、
小さなバナナで小さく、
「乾〜杯🍻」
モグモグ、ゴックン。
「ご馳走さま」

二人で食器を片付けて、
娘が歯磨きしている隙に、
私はこっそり帰るつもりだった。
事務所にエプロンと名札を返して…と、
「ママ!一緒に帰ろ!待ってて!」
事務所まで歯ブラシ持って追いかけて来た。
「歯を磨きなさい!」戻れ戻れ!
「帰ったらダメだよ。一緒に帰るから!」
歯磨きそこそこにおかえりの準備に取り掛かり、
「一緒に帰られるママさんもおられますよ」
って、本物は園児の味方をしたが、
昨日のママ先生はさっさと幼稚園バッグ
持たされたって言ってたぞ。

でもまぁ、
ママ先生の手を握れなくても我慢強く堪え、
苦手な野菜相手に格闘最後にはやり切った、
この笑顔を残して行くことが出来なくなって、
「じゃ、みんなにコレ…」

娘と折った折り紙を残し、
手を繋いでうちに帰った。
帰ったら、
ジジババ、
笑ってた。
やっぱりかって。

娘に対して本物先生みたいにはなれないけど、
ママ先生やってみて良かった。
娘が幼稚園で頑張ってる。
それを見て知って、
分かって嬉しかった。
貴重な経験させて貰って、
ありがとう、さやちゃん。

「ねぇ、さぁちゃん。ママ先生どうだった?」
ママの先生振りは何点だろうと思って聞いたら、
「ママは先生になっちゃダメ」
ママは、紗花のママ、
先生は、みんなの先生だもんって。