ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

私の鏡

2014-09-29 | ~ 出 産 ~
手の掛からない大人しい子よりも世話の焼ける可愛い子の方が良い、と結論付けて多少のぎゃん泣きには目を瞑り、夜泣きにお付き合いすることにした。
しかし、付き合せるわけにいかないのが主人と、義理の義父様義母様で。
里帰りを終え、家に帰る日が近づくにつれて、私の不安はどんどんどんより募っていった。
家は二世帯住宅、一階寝室の真上に私たちの寝室がある。
主人には自室で寝起きしてもらうことにして…、もう一つの課題は…、
「義父様と義母様にご迷惑が…」
考えるだけでも気が重い。帰る前に何とかして夜泣きを止めさせないと…。
私は焦っていた。育児経験者アドバイスを基にあの手この手を使って夜泣き対策を試みた。
しかし、小怪獣と侮るなかれ。ブーちゃんは手強い、日々進化している。
あの手この手も三日目にはもう利かなくなってしまう。次の手立てが…思い浮かばない。
どうすれば…、進化を遂げる夜泣き…どうにもならないのは分かっている。でも、どうにもならないからこそ、悩んでしまう。
「んぎゃぁーー、あ、あーあッ」
そして、育児ノイローゼ+産後うつに陥る。しかし、お母さんがノイローゼだからって、赤子泣き止むか?ノイローゼだろうが、なんだろうが赤子は泣く。
「私…じゃ、…」
この子の母親に成れない、この子が分からない。私の抱っこもいやいや嫌がる。あやせない。
もう母親失格…ダメだと思った。すると、痺れを切らした母が降りて来てくれた。
母が「アンタが泣いてどうすんが」ブーちゃんの前で泣いている私を叱責した。
「う、うぇ。おかぁ…さ、ん…私、出来ない」
まず母はブーちゃんに救いの手を差し伸べ、ゆらゆら抱っこで泣き止ませた。
「…。私の抱っこじゃ…ダメなん」
どうして母の抱っこで泣き止んで、私の抱っこはダメなん?
「アンタがダメダメって思ってるからでしょ、伝わるんよ」
子供って敏感だ。私が不安に思っていること、全て御見通し。
私の心を映す“鏡”、そのもの。
「ごめんね、さぁーちゃん…」
母からブーちゃんを受け取り、気を取り直して、母親に戻って、お乳やって…。
その日は、二人とも朝までぐっすりでした。

サイレンベビーとサイレントベビー

2014-09-28 | ~ 出 産 ~
ブーちゃんの毎日の日課に沐浴がある。ブーちゃんの適温は、手を入れて「少し温めかな?」ぐらいだ。寒くなって来たから…と気を利かせ、温かめに入れたら逆効果だった。
温めのお湯にゆったり浸かって…、母はこう願う。
「早く首がすわれば良いねぇ」
もちろん、ブーちゃんの首を支える手首が痛いからである。
これ以上、腱鞘炎が悪化しないための祈りであり、何の効果も無いおまじないだ。
さて、お風呂上りは連係プレーが必要になる。
「お母さん(ブーちゃんのばぁちゃん)ッ、行くよ」
脱衣所で母がバスタオルを敷いて待っている。さぁ、ブースカ、来い。
婆ちゃんがタオルドライ、御へその洗浄(へその緒が取れた所)して、お召しかえだ。
その後、母に冷蔵庫にストックしてある搾乳を飲ませて貰い、その間、私は入浴を済ませる。
一日の疲れを癒して、さぁ、入眠…と思うだろうが、ブーちゃんは違う。
9時から11時が魔のゴールデンタイムだ。
う、ぎゃぁーッ
母としては、一刻も早く寝て欲しい。
その理由は一つ、ただ私が眠りたいから、である。
まったく利己的としか言いようがないが、とにかく、私は横になりたい。
夜中の授乳搾乳のためにも、横になる時間を少しでも確保したい。
おっぱいを銜えさせ、たっぷり乳を飲んだら、おねんね…目を瞑ったところで、御布団へ…。
「うんぎゃぁーッ」
失敗である。私の体から離れ、御布団に入った途端に、ブーちゃんは覚醒する。
パチッと目を見開き、この世の終わりだぁと言わんばかりに、泣き叫ぶ。
ちなみにブーちゃんも眠たいのだ。眠りたいなら御布団に入って寝て…と思うだろうが、新生ブーちゃんの感覚は少々違うらしい。突如母から引き離れた不安や温かい母のぬくもりが無くなる恐怖を敏感に察し、泣くのだ。どこまでも母、母で、なんと愛おしい…と思った。
ブーちゃんは、ただ母に抱っこされて眠りたいだけなのだ。
御布団の温もりよりも、こんな私の懐が良いと。
「良かったね、アンタでも必要としてくれる人がいて」添い寝する私を見て、母が言った。
私もかつて、そうだったのだろうか…聞いてみた。答えは「なぁ~ん、全然泣かんかったわ」
…どうやら、私サイレントベビーだったようだ。

そろそろ寝ない?

2014-09-27 | ~ 出 産 ~
ぶりぶり出されても、必死にラクトフェリン含有のお乳を生成する小人たち…。
文句も言わず、
きゅこきゅこきゅこッ。
べろぉ~…と乳を飲み過ぎ、吐瀉した時も、
きゅこきゅこきゅこッ。
なんて働き者なんだろう。
ちなみに、授乳育児中のお母さんは、しっかり米を食って、寝て、と言われている。
なぜか?
おっぱい作業中の小人たちは英気を養うために米を食い、夜間睡眠中人知れず働くからだ。
小さく生まれた娘ブースカを大きくするため、
きゅこきゅこきゅこッ。
お乳の生成を続ける。乳飲んじゃ寝てを一ヶ月繰り返し、ブーちゃんは3995gとなっていた。
一日平均、乳幼児は20~30g増えるらしいが、
「スゴイですよ、一日60gも増えて」
通常の倍、急激な体重増加は体に負担が掛かる。
首のすらないブースカの首を支え続け、こっちの手首が腱鞘炎になってしまった。
腱鞘炎?
そんな難しい漢字、その意味や母の痛みがまだ分からないブースカは、
んぎゃぁ~(ゆらゆら抱っこぉ~)
ぎゃぁ~(乳くれぇ~)
心満たされるまで要求を続ける。だが、上記二つの要求は手首にかなりの負担が掛かる。
腱鞘炎となった私のゆらゆらは、ゆ…ら、ゆ…ら、と不愉快に揺れて、酔うらしい。
私のふらふらに気分を害したブースカは、抱っこ中、愚図って泣く。
泣いて疲れたらお乳タイム。しかし、べろぉ~と、折角飲んだお乳を出す。
「あぁあ…」
出したら飲む、飲んだら、ブリブリ。このべろブリ+オムツ替えがエンドレスに続くと…、
さすがの私も、
「眠い…」
しかし、母の気持ちのまだ分からないブーちゃんは布団に寝かすとパチ。キラキラしたお目目で私を見つめる。そして。再び抱っこを要求する。ねぇ…もうそろそろ寝てくんない?

布おむつと紙おむつ

2014-09-26 | ~ 出 産 ~
少々寝不足、ノイローゼ気味の私の思考回路は少しずつ、異常を来たした。
正常な思考回路からずれ始めた私の脳内にある映像が浮かぶようになった。
おっぱいタンクの中で小人たちが自転車の空気入れのような道具を必死に、
きゅこきゅこきゅこッ、
と押して、おっぱいの付け根辺りに溜まるお乳を先端乳房まで送っている。
きゅこきゅこきゅこッ、
おっぱいの中で小人がいっぱい働いている。
きゅこきゅこきゅこッ、
特によく働くのは、私が疲れて仮眠を取っている時や夜間の睡眠中である。
きゅこきゅこきゅこッ、
小人たち寝ている間よく働き、目が覚めたら、タンク貯乳量を超えてパンパン。
チャージ完了だ。この小人たちの働きぶりを知っているのか?ブースカ、
あ、あ、あ、うんわぁ~、
愚図り始め、そして、泣く。
やれやれ、食事の前にオムツを替えてきれいになったところで、さぁ飯だ。
飲めと乳房を銜えさせる。すると、突如ブースカは顔を真っ赤に、鬼の形相に豹変。
そして、イキむ。この時点で、お乳を飲んでいられないから、ぶぇッと私の乳房を吐き出す。
うッうん、うぅ、うぁあッ、
ぶーぶりぶりッ
ふはぁっ、すっきり。さぁ、お乳…、
ちゅーちゅーちゅー。ちゃんとぶりぶり出せれば、お乳を飲んでくれるのだが、イキんでもぶりぶりが出ない時がある。
「さーちゃんさーちゃん、そんなに息まんで。うんちって自然に出るから…」
うー、うー、うー…と、どうやらイキみたいらしい。
母は乳を半分露わにした状態で怪獣ブースカのブリブリを只管待つ。
第一波、ぶりぶりーッ。
「もう、いい?オシメ替える?」
うッ、うーッ、まだ駄目らしい。第二波。
ぶりぶりーーーッ。
オムツが何枚待っても足りない。当初、布おむつを用意していたが断念せざるを得なかった。

おっぱいタンク

2014-09-25 | ~ 出 産 ~
ブースカの素は、私の乳である。
ブーちゃんは今を生き抜くため、必死に愚図り、お乳を催促する。
そして、乳に吸い付く。
ちゅーちゅー、
吸血鬼に血を吸われているような感覚だ。ブースカの口から乳房が離れた時、
くらぁ~、と軽く貧血が起きる。タンクのおっぱいはカラで、私の喉もカラカラである。
二、三時間もすれば、おっぱいタンクにいっぱい乳は補填される。
このタンク残量を知っているかのようにブースカは愚図り始め、乳を求める。
そして、授乳タイムとなる。昼夜関係なく24時間、それを繰り返すことになる。
ブースカがぐっすり眠って、この授乳タイムに間に合わない時は、
ぎゅぎゅッ、自ら乳を搾って溜めて冷蔵しておく。後から飲ます。
ちなみに、この搾乳業…暴れん坊ブーちゃんを母に預ける時に重宝する。
私がタンクの洗浄のためお風呂に入っているとする。
その時、ブーちゃんが愚図ったら、母は冷蔵庫にストックされている搾乳を哺乳瓶に入れ、湯せんして飲ましてくれる。大体、30~50㏄くらいストックを用意しておくが、
「うぎゃぁ~」
最近は足りないらしい。
お乳というのは不思議なもので、一人の母体の中でおっぱいは双子なのだ。
は?何を言っているの、大丈夫かって?
うぅ~ん、つまり簡単に説明すれば、
ブースカが右乳をまず吸うと、左乳がビンビン唸る、痛いくらい感じるのだ。
また、タンクのキャパを超えてお乳が生成された時なんぞ、両方の乳が出る。
ぽたぁ~、ぽたぁ、ぼたぼた…と。
母体は阿修羅じゃないので、腕は左右一本ずつ、計二本だ。
何当たり前のことを言っちゃっているのかって?
まぁ想像してくれ。
片方のお乳を受け止めたら、もう片方は流れっぱーだ。
「きゃぁ~、お母さん(私の実母)ッ、お乳が、お乳がぁ、流れる」
元々勿体ない症の私は、何として両方受けようとするが、
「私の腕は二本だけなのぉ~」当たり前だ…片乳ずつ丁寧に受け取る他、術は無い。

怪獣ブースカ

2014-09-24 | ~ 出 産 ~
実母はこのエーリアンのことを、怪獣ブースカと呼ぶ。
私はこのブーちゃんに、
“夏衣、絹の紗(しゃ)のような美しい花となれ”
と願いを込めて紗花(さやか)と名付けた。しかし、産まれ出てみたら、紗から遠い鬼瓦だ。
ブーちゃんは顔真っ赤にして、
「うぅ~ー…ん、んッ、うんッ」
悶える。
授乳中、精神安定剤である乳房をベッと出し、
「うあぁ~ん」
泣く。
「どうしたの?お乳がまずいの?」
ちなみに、お乳は怖い。母の口にしたものがそのまま乳と出る。
つまり、レトルト、インスタントにケーキなんぞ食べようものなら、そのまま影響が出る。
母たちはいったい、何を食せば良いか?助産婦さんに質問したところ、
「子供与えたいもの、体に良さそうなものを、食べて下さい」
個人差があるが、牛乳、小麦粉も乳腺を詰まらせるので控えている。代用に豆乳と米粉を食している。妊娠中それ以上に気を使うのが授乳中の食事だそうだ。
「梨とか柿とかも一口くらいなら良いけど、控えて下さい」
なぬ?秋の味覚をガッツリ食べられないのか?もしや、好物の栗も?
大正解、控えましょう。まだまだたくさんあるのでは?と調べてみた。
すると、出るわ出るわ。マズい母乳を作る食品が、ずらりと、ネットで公開されていた。
兎に角、甘いモノを節制し、団子汁飲んで、ヒジキ食って、豆乳飲んで、米食って…。
ちなみに、母乳に即効性があるのが“米”らしい。病院の産褥食でも米はどんぶりだった。
体に良いモノを食べ続け、便秘解消にバナナ、ミルミル、ヤクルト…と、
ぶー…ぶりぶり、ぶ、ぶーッ
真っ赤な顔のブースカは一瞬、あちゃっとはにかみ、すっきりした顔に戻る。
抱っこしているとオムツごしに分かるが、大量の実が出ているのだ。
母乳しか飲んでいないのに何で?と当初不安になり看護婦さんに質問した。
「この子、下痢ばかりして…、お腹が弱い子なんじゃ…」
母乳にラクトフェリンが多く含有している証拠だ…で、ブースカは緩い。しかし、正常だ。

和解の後…

2014-09-23 | ~ 出 産 ~
結局、母乳外来で母乳に自信を持つことで終わり、夜泣きの原因は特定出来なかった。
腹を空かせれば、泣く。
怖い夢を見ても、泣く。
不意に損なわれるご機嫌で、不愉快になっても、泣く。
体温調整がまだ出来ないため暑くても寒くても、泣く。
オムツ汚れやかぶれ、湿疹その他虫刺されでも、泣く。
さらに、羊水という保護シールドから突如過酷な現実世界に産み落とされた娘は娑婆(シャバ・この世)の空気に合わないと、泣く生物なのだ。
泣きたいのだ、泣かせて待とう、子の成長…。
愚図って、泣き始めて、無駄に時間だけが過ぎて、数時間このエーリアンを揺らし続けている夜もしばしば訪れるが、この言語未習熟エーリアンを産み落としたのは、私だ。
エーリアンの母は私しかいない。
エーリアンに母乳を与えるのも、私…。
エーリアンが時に襲撃、お乳をグーでパンチ、パワフルあんよでキック。
何されようとも、この意味不明なエーリアンと付き合えるのは、私しかいない。
エーリアンに、
「(お乳に)やり過ぎってこと、ありませんから」
分かった。
今はこのエーリアンをデッカく成長させることに専念し、言語習得後に和解、立派な地球のガーディアン(守護聖人)となるよう、育てよう。
このエーリアンの使命は立派な地球人になること。
それだけでいい。
兎に角、理解できる地球人になってもらいたい。
エーリアンの目標は、地球人…で、どうだろう?
同じ地球人として、この地で共に歩んで行ける日を楽しみに、
「ほれ、乳の時間じゃ」
乳首を銜えさす。
チュバ、チュバ、
気持ち良く乳を吸い上げ、満足気に笑みを浮かべる、この横顔…、
どことなく、実母に似ているように思う。それはそれで、複雑だ。

ごめんね、ごめんね…

2014-09-22 | ~ 出 産 ~
お乳チェックの結果、
「(母乳に)自信持って下さい」
体重は四日で294gUPの3454g、一日73.5g増えていた。
母乳が出てないから、娘が泣くわけでは無かった。
「スゴイですよ、90㏄も飲んで…」
母乳は十分に飲んでいる。
体重も順調に増え続け…、
じゃ、何で泣くの?
泣くのは仕事とはいうけど、仕事し過ぎだ。
「スんゴイです。泣いて、泣いて…死んじゃわないかと思って…」
泣き過ぎて、息が止まっちゃうんじゃないかと思うくらい泣く。
あれこれ試して、必死に宥めるが、
“うぎゃぁ~、うぎゃ、うッ、ぎゃぁッギャッぎゃあ、あッ、あッ、あッ…”
泣き止まない。
泣かれると…、
子供の要求に応えられない自分が情けなくて、
ごめんね、ごめんね、
私の所に生まれたばっかりに、こんな、ごめんね…。
お母さんのこと嫌いでも…お乳は上げ続けるからね。
なかなか泣き止まない娘を前に、夜中、空しくなる。
眠っていると天使、愚図ると鬼瓦。その豹変ぶりに、
もう…どうしていいのか、分からなくなる。
そう悩みを訴えたら、
「みんな、そうですよ」
お乳、夜泣き、育児に悩み、悩みながらもお母さんはずっとお母さんで…。
赤ちゃんは赤ちゃんで今を必死に生きて、成長過程で途中もがくわけで…。
私から生れ落ちた赤ちゃんの方にこそ、大きな試練が与えられているのかもしれない、そう思った。
ちなみに、どうしようもなくなったら、赤ちゃんを安全な所にそっと置き、パタンッ。
別室で深呼吸、ノンカフェイン茶でも飲んで一服してから、再びあやそうと言われた。

神秘の水、アムリタ

2014-09-21 | ~ 出 産 ~
「私の、(お乳)出にくいですか?」
助産師さんにお乳チェックしてもらった。
むぎゅッ、
「ッ(イタッ)」
右乳の脇に大きな塊があって、母乳渋滞を引き起こしていた。
その渋滞を緩和したら、出るわ、出るわ、お乳がでるわ、で、
お乳を鷲掴み、すると、お乳はぴゅーッと噴水みたいに出た。
自分で揉むと力をセーブしてしまうので噴水になることは少なかった。
しかし、躊躇容赦ない助産師さんの乳マッサージは一発で噴水させる。
助産師さんは私の乳噴水を浴びながら、
揉む。揉む。揉む。
ピュ、ピュ、ピュ、
いったい、どこでその乳マッサージを習得するのだ?
どんだけの乳を揉んだら、そうなるのだ?
私は揉み解されながら、その技を盗もうと試みた。しかし、噴水はすぐに終わった…。
「大丈夫です。十分に出ますよ」
余り出すと、勿体ないらしい。
お乳とは貴重であり、神秘としかいいようがない。
インド神話で月から流れ出るアムリタ(甘露水)というものがある。
神々や悪魔が世界を舞台にそれを廻って、大戦争を起こす、なんて話であるが、乳白色のそれは、まさに、お乳だ。
入院中、私のアムリタを固く信じて疑わない助産師さんがいた。
多くの男性陣から、無礼にも貧乳とレッテル張られる私の乳で。アムリタなんて出せるはずがないと思っていた。しかし、一人の助産師さんはこう言った。
「金田さんの、出ますから」
何を根拠に?どうしてそんな自信を持って、出ると言えるのか?
「青い筋が見えるから」
つまり、胸が小さいとか、大きいとか、関係ないらしい。
胸の青筋がアムリタの通り道で、私のはくっきりと、無数に浮き上がっていたのだ。
妊娠したら体質が変わるというが、お乳もそれなりに準備をしていたというわけである。