ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~天武が一つ~

2013-05-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
元は父の重臣、その娘である私の下で、
義を通し、主君の仇討戦に加われ、と。
帰蝶「しかし、明智様と義龍の兄は、兄弟の契りを交わした仲にございます」
だからこそ、両家の板挟みで、
酷な状況に置かれてしまった。
「それをこちらから、謀反を起こせ起こせと煽っているようなもの…」
信長「御従弟殿とて、その血を絶やしたくは無かろうが」
ましてや、年頃の娘が三人、その嫁ぎ先も危惧される。
それに、父が明智の娘を継妻に置いたには理由がある。
帰蝶「殿の御野心、どこまでも深こうございますね」
殿の目論見、
それは朝廷。
「京を、乗っ取るおつもりにございますか?」
信長「ぬるい」
帰蝶「天を変える…そう仰るのですね」
父が築いた地で、殿が天を目指す。
しかし、壁となるのが朝廷だった。
信長「いずれ御上、移る時が来よう」
民に膝を付き、その目を合わせる。
その手に触れ、天の思いを知る時。
上が下を知らずして下は変わらず。
帰蝶「市だけに留まらず、政まで…」
信長「天に武布くだけでは治まらん」
“天下布武”
「天、武が一つ。それこそ天下平安」
日ノ本、支えのない心柱。
しかも小国まとまりなし。
さらに異国の時は、速い。
帰蝶「…はい」
殿は、やはり焦っていた。