そして、ガッ!と一発、弁慶の腹目掛けてパンチかましたら、
弁慶「おっ!」と掌で能子の拳を受け止め「なるほど。お前の繰り出す気の利いたパンチを受け止めれないような奴なんだな。で、誰、そいつ?俺らの知ってる奴か?」
能子「多分、公家の面子(メンツ)って知らないだろうけど…藤原 兼雅(かねまさ)って…」
鞍馬「プッ。麻呂眉(公家)のおぼっ茶丸くん…」
弁慶「誰?その、おぼっちゃま?」
能子「先生。麻呂の事…知ってるの?」
鞍馬「清盛ンとこ遊びに行った時、チラッと見た。あいつの話じゃ、あの公家じゃ…うちのじゃじゃ馬乗りこなせんって言ってたぞ。ククッ」と笑いながら、じゃじゃ馬を見た。
能子「じゃじゃ馬って、父上も失礼ねっ!」
弁慶「ちょ、ちょっと、あの…口を挟んでよろしいですか?あ…あのさ…鞍馬さん。かつての平家の棟梁 清盛様とお知り合いで?」
鞍馬「あぁ、とんでもない悪友だ。ちっこい義経引き連れて鞍馬寺に遊びに来て、あんにゃろ、暇つぶしに預かれって置いて行きやがった!」
弁慶「What’s?(・・)?」
鞍馬「あぁ、この話、知らないよな。義隆も次いでだ、聞いとけ。今から30年位前の話だ。源平合戦で負けた源氏は京を追われ、世は泰平 平家の時代到来。義経の親父 義朝は尾張に逃げたが、そこで家臣に殺され、その妾の常盤(義経の母)は二人の子供と生後6,7ヶ月の赤ん坊…それが義経だが…そいつらを連れて逃げた。捕まったら殺される。しかし、逃げた時期が冬だ。女の足で山中逃げ惑っても、子供諸共凍死か飢え死のどっちかだ。すでに常盤の母親は平家に捕まっていたし、観念して捕まった常盤は、清盛の前で勝負に出た。自分を妾にしろって言い出し、その代わりに子供たちの命を助けろと言ってきた。さすがの清盛も度肝抜かれたらしいぞ。その条件を飲んで、上の子供たちはそれぞれ流配の刑…」
義隆「るはい…?」
鞍馬「あぁ、遠い国や島に流されることな。義経は生後間もないことから鞍馬寺に預けられた。坊さんになれってな。最初は何も知らずに、言いつけ通りお勉強してたさ。蔵の本を片っ端から読み漁って。…今考えれば、実に恐ろしい光景だ。ちっこいガキが仏法書どころか、兵法の類までも隅から隅まで詠んでやがったんだ。こりゃ、坊さんより軍師(軍の指揮官)向きだぜってのん気に感心してた矢先、自分の出生の秘密を知っちまって…」と義隆を見た。
義隆「え…」
弁慶「おっ!」と掌で能子の拳を受け止め「なるほど。お前の繰り出す気の利いたパンチを受け止めれないような奴なんだな。で、誰、そいつ?俺らの知ってる奴か?」
能子「多分、公家の面子(メンツ)って知らないだろうけど…藤原 兼雅(かねまさ)って…」
鞍馬「プッ。麻呂眉(公家)のおぼっ茶丸くん…」
弁慶「誰?その、おぼっちゃま?」
能子「先生。麻呂の事…知ってるの?」
鞍馬「清盛ンとこ遊びに行った時、チラッと見た。あいつの話じゃ、あの公家じゃ…うちのじゃじゃ馬乗りこなせんって言ってたぞ。ククッ」と笑いながら、じゃじゃ馬を見た。
能子「じゃじゃ馬って、父上も失礼ねっ!」
弁慶「ちょ、ちょっと、あの…口を挟んでよろしいですか?あ…あのさ…鞍馬さん。かつての平家の棟梁 清盛様とお知り合いで?」
鞍馬「あぁ、とんでもない悪友だ。ちっこい義経引き連れて鞍馬寺に遊びに来て、あんにゃろ、暇つぶしに預かれって置いて行きやがった!」
弁慶「What’s?(・・)?」
鞍馬「あぁ、この話、知らないよな。義隆も次いでだ、聞いとけ。今から30年位前の話だ。源平合戦で負けた源氏は京を追われ、世は泰平 平家の時代到来。義経の親父 義朝は尾張に逃げたが、そこで家臣に殺され、その妾の常盤(義経の母)は二人の子供と生後6,7ヶ月の赤ん坊…それが義経だが…そいつらを連れて逃げた。捕まったら殺される。しかし、逃げた時期が冬だ。女の足で山中逃げ惑っても、子供諸共凍死か飢え死のどっちかだ。すでに常盤の母親は平家に捕まっていたし、観念して捕まった常盤は、清盛の前で勝負に出た。自分を妾にしろって言い出し、その代わりに子供たちの命を助けろと言ってきた。さすがの清盛も度肝抜かれたらしいぞ。その条件を飲んで、上の子供たちはそれぞれ流配の刑…」
義隆「るはい…?」
鞍馬「あぁ、遠い国や島に流されることな。義経は生後間もないことから鞍馬寺に預けられた。坊さんになれってな。最初は何も知らずに、言いつけ通りお勉強してたさ。蔵の本を片っ端から読み漁って。…今考えれば、実に恐ろしい光景だ。ちっこいガキが仏法書どころか、兵法の類までも隅から隅まで詠んでやがったんだ。こりゃ、坊さんより軍師(軍の指揮官)向きだぜってのん気に感心してた矢先、自分の出生の秘密を知っちまって…」と義隆を見た。
義隆「え…」