ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

デッカイ便秘?

2014-08-30 | ~ 出 産 ~
とうとう、その時が来たと腹をくくり、覚悟を決めた10時過ぎ頃、
「あ、義母様…」と主人と二人で顔を出した。
主人は一足先に病院に到着していたらしいが、どう入って良いのか分からずロビーで待ちぼうけを喰っていたらしい。ちなみに、我が父も駐車場で、まいもこ、うろうろ、母に電話を掛けるも病院内での携帯マナーを守って父の電話を完全無視、音信不通となった。
病院スタッフに聞けばいいものを、誰に、何を、聞けば良いか分からず、渋々帰路に着いたらしい。したがって、両家爺様方は自宅待機組となった。
こういう時の男性陣は、もうどうにもこうにもならない。
さて、出産は長丁場、しかも私初産である。
今夜になるか、明朝になるか、分からない。
本格的な陣痛が起きるまで、待っていてほしいと思ったが、母が「入院した」とだけ義理の母に伝えたところ、駆け付けて来られたらしい。
初産の平均12~15時間、経産婦(出産経験者)で平均6~8時間といわれているのに、こんなに早く役者が揃ってしまって…。
「これ、食べられ」義母様が巻きずしを買って来られた。出産時、かなりの体力を使うらしい。今のうちに、食べておかれ、と言うが、私はそれどころではなく、辛うじて水分を摂る程度で、食べる気力さえ無かった。
「参ったな…」
分娩室で、そんなに長時間待たせるわけにもいかないし、
「あの、一階に食堂があるから、そこで待ってて…」
ちらり、私は母を見た。私の付き添いで母は徹夜を強いられている。
彼女の疲労も極限に達しているので、出来れば、休ませてあげたい。
誰かいると、やはり、気を使う。出来れば、どこかで待機して頂ければ…と思った。
それに、
「お産なんて、デッカイ便秘だって」
この野郎を分娩室から即刻退去させたい。
デッカイ便秘って、どっから得た情報だ?
妊娠初期はペンギン、妊娠中期はシロクマ、妊娠後期に入り相撲取り、
度重なるマタハラ発言で、マタニティ代表として、イラッと来ていた。
何度も言うが、妊婦にはリラックス。イライラストレスは厳禁である。

陣痛促進剤

2014-08-29 | ~ 出 産 ~
前期破水、その要因の一つとしてストレスがある。
先生の、何やってんのという顔も分かる気がする。
「…じゃ。すぐ子宮口見せて」
4月から私の主治医になったこの先生、一刀両断、一寸も迷わないタイプで、
バッサリと、モノを言うか、切るか、二つに一つどっちかのタイプだと思う。
私はこの若き医師を心の中だけで密かに、こう呼んでいる。
“毒舌 ジャック”
もちろん、私の崇拝する手塚治虫先生の漫画『ブラック・ジャック』から拝借した。
タイトルの説明が要るのか?分からないが、ブラックは黒、ジャックは男。
天才無免許医 本名 間 黒男(はざま くろお)が、その由来らしい。
さて、ジャック先生による子宮口監視に入ろう。
ぐぃぃんとお股を広げる機械に乗って上がって、「ちょっと痛いよ」って、
ちょっとどころじゃないッ、悶絶だ。
「ぐぇ、い、痛い…イッ」
あぁ、ごめんごめん、痛いよねぇとか何とか言ってるけど、
先生、男だからこの痛み、分かんないでしょ?と、思った。
ふいいぃ…、お股が閉じて下がって、
うわ、羊水が漏れる。あちゃちゃ…、
ゆっくり、そろり、と部屋に戻って、
で、先生?
ひらひらと二枚の用紙を持って来た。
“陣痛誘発 促進 説明・同意書”
いろいろ説明されたけど、破水しているし、陣痛微弱。で、誘発しちゃうけど、
良いよね、の同意書である。副作用の欄にいろんな危険性が載ってはいるが…、
「え、帝王切開?」
まぁ、稀にあるよ、と軽く言ってるけど、切開という言葉に硬直した。
しかし、このままじゃ…。娘の苦しむ姿見たくない。私は迷わず、OK同意のサインをした。
「これ…、私もですか?」
同席者欄には、母がサインした。
「じゃ(促進剤の)準備します」

陣痛

2014-08-28 | ~ 出 産 ~
子宮口検査の結果、子宮口が2、3㎝開いている程度で、“全開”の10㎝までほど遠い。
“全開”となって初めてお産の準備が整う。陣痛を待って子宮が開くよう処置室で待機することになった。お腹に巻き付けられた分娩監視装置は、胎児の心拍を聞きながら、陣痛の状況(子宮収縮)を視覚的に確認できるという優れものだ。
ど、ど、ど…力強い鼓動が聞こえる。
これは、辛うじて残る羊水の中で、生きる娘の鼓動である、娘は無事だ。
私は数時間、陣痛の波を待った。
陣痛とは子宮の収縮活動のことで、ギュウと痛みが寄せては、その波が引いての繰り返し、その痛みが打ち寄せる波の間隔をいう。つまり、痛い辛いの間に休息があり、また痛む、その繰り返し。波と波の合間に、ウトウト…と、
「あ、お母さん…」
母が入院準備用品諸々を引っ提げて、部屋に入ってきた。
まず、私を見て、部屋を一周ぐるりと視線を回して整った設備をまじまじと見た。
「私たちの時代には、こんなの無かったわ」
ジェネレーションギャップは医学医療、及び、出産の現場で顕著に表れる。
母が私たち兄妹を出産した時は、こんな整った設備では無かった、という。
「(出産の時)どんな痛みけ?」
この世とも思えないほどの痛み…とは聞いていたが、実際にどれほど痛いのか?
「忘れた…」
元々もの覚えの悪い母である、40年余り前のお産のことなど、
とうの昔に記憶から抹消されているらしい。
いったいどんな痛みだろう?もしやこれか?
AM4時~5、6時の間、痛みの波が五分間隔で押し寄せた。
装置の数値も上がっては、下がっての繰り返しになった。
しかし、“この世のもの…”には程遠い。
外は雨、分厚い雲が太陽を隠してはいるが、夜が明けた。
暗闇からほんのり薄紫、視界が開けた。それと同時に、陣痛の波は遠退いた。
そこへ、私の主治医が「何しとったんよ?」と言いたそうな顔で入ってきた。
私は、どう答えて良いのか分からなかったので、
「えへ、破水しちゃった♪」とおどけて答えた。

鼻からスイカ

2014-08-27 | ~ 出 産 ~
12時前には、病院に着いた。しかし…なんというか、
「真夜中の病院ってのは、」真っ暗で怖い。
そろろろ…と静かに歩くが、
「あッ」スタタタ…と、
後から来た妊婦に先を越されてしまった。いかん急がねば。
しかし、己の意思には関係なく、羊水はジョボジョボ…と流れて、そんなに早く歩けない。それに股に挟んであるバスタオルは、もうベッチョベッチョである。
流れる羊水に不安を感じ、
「ねぇ、羊水が無くなったら、どうなるの?」
その不安を破水経験者にぶつけてみた。当然、
胎児を守る羊水が全て無くなれば娘が苦しむ。
何とか羊水の放水を食い止めねばと、
グッ、とお腹に力を入れた。すると、
「あ゛」まずい、余計に漏れ出した。
東病棟まで自力で行かねばならないのだが、
スタタタ…と、同じ方向へ歩いて、そして、
同じデカさ腹の妊婦は、
チン、
エレベーター2Fへと消えて行った。
遅かったか…。別にスピードを競っているしているわけでは無いが先を越されると、
ナースステーションで「しばらく掛けてお待ち下さい」待たされる。
こうしている間も羊水は流れ出る。ははは早く、早く、看護師さん、
お願い、この放水を何とかして…。先にナースステーションにゴールした妊婦は、
検尿カップを持って、私に、御先に…という感じで会釈、検査室に入って行った。
先の妊婦の検査が終わり、ようやく、私の番である。案の定、「破水してますね」と、いうわけで、診察室に入ることを許された。羊水量と子宮口のチェックをし…、
「テテ、イタ、痛い…です」
胎児がどこまで下がっているか、のチェックで、とにかく、痛かったが、
「出産のときの痛みって、こんな感じですか?」ノンノン、陣痛出産は、
こんな可愛いモンじゃない。『鼻からスイカ』の表現は結構当たっていた。

破水

2014-08-26 | ~ 出 産 ~
お盆は何かと忙しかった。
13日夜、実家に兄夫婦が来て、
主人も顔を出して、私のお腹を肴に大宴会。
兄が推奨するスーパー英才教育法(“Zero to Three”)で盛り上がり、
「兄ちゃんってさ…、教育パパになりそうだね」
妹の子供だと持って好き勝手言いたい放題だった。
翌々日の16日、主人のお兄様が横浜から帰郷、そして、帰省されるという事から、
「ちょっと寄らせてもらった」と、嫁ぎ先の両親主人義理のお兄様が挨拶に来られて、
まだまだ元気そうな…つまり、兆候らしい御しるしも陣痛が起きて無い事を確認して、
「大事にしられ」と帰られた。娘が腹から出る予定は8月27日で、まだ2週間もある。
まだまだ妊婦の苦しみを味わうのかと、床に就いた。
すると、睡魔は打ち破られ、その兆候が起きてしまった。
じょじょじょじょ…
「ひぃ?」
この年齢(37歳と八ヶ月)にして、おもらし?を疑った。
いや、ちょっと待て、尿意を催さない尿って…もしや、
“破水(胎児を守る卵膜が破れて羊水が流れる)か?”
まさかの母の二の舞?
まずはトイレに行って、確に…「ん?」と思ったら、
御しるし(出産の前兆である出血)が、出た。
御しるしとは、出産が近くなると胎児が出やすいように子宮を収縮したり、子宮口が開き始めたりと活動する。すると、胎児を包む卵膜と子宮癖がずれて出血する。この御しるしがあって、数時間後、ないしは、数日以内に陣痛が始まり、出産という流れがあるが、如何せん、破水となると話は別である。
病院で配布された『こんにちは 赤ちゃん』を再読し、破水が起きたら、という項を読み返す。
すると、こうある。“迷わず、来院…”と。
では、破水経験者を起こし、
「お母さん…ねぇ、お母さん…」
夜11時40分過ぎであろうか、
掛り付けの病院に連絡して、そこへ向かった。

退院

2014-08-23 | ~ 出 産 ~
出生届を出した次の日に掲載されるのですね。
主人の名前の下に、

“紗花(さやか)”

娘の名前がありました。

母から、
「神棚の下に置いておいたわよ」

早速、神棚へ。
すると、北日本新聞の切り抜きが、
注連縄から下がる紙垂のように
ひらひらぁ、と靡いていました。

パンパン、

娘を連れて無事退院が出来たことへの感謝。

ちょよりんと男のナニが付いているか疑われた子でしたが、
正真正銘、娘でした。
産まれたのは先週の土曜16日で、

んぅ~ん、

やっぱり、ちっちゃかったですね。

昨日三時に退院して実家に戻った、

ら!?

「何やっての、この子?」

タルトが紗花のおもちゃの下で寝ていました。

「焼きもちかね?それとも…」

そろそろ来るか?と
待ってただけなのか。

新参者におそるおそるその姿を覗く愛猫の姿に、
微笑ましいなと思いました。

そして、
あぁ帰って来たなぁと実感しました。

病院の産褥食も有難いのですが、
やはり、
母の作ってくれた食事が一番です。
おっと、晩酌する前に父の腕に、
「抱いてみる?」と、
紗花を乗っけて、
おっかなびっくり。
首のすらない孫に、
父は、
「もう…勘弁…」

そうだろうな、と思います。

新たな家族の一員に中心に、
久しぶりに、家族を満喫して、
一息ついたら、
主人と義母様に退院報告して…、と。
実は、
一昨日のうちに退院できると思って、
早々に退院のお知らせをしたところ、

がーん、

看護婦さん「やっぱり心配だわ…」と、
退院延期となってしまった。
私も、両親もそうですが、
義両親もガックリしたことでしょう。
それに昨日も退院が出来るかどうか、
内心、ちらり、
紗花をみて、
ひやひやしました。

何分、小さいので、
何かと心配は多いですが、
「小さいのに、よく頑張る子だわ」と看護師さんに言われた娘です。
だから、
私は、この子の生命力を信じようと思います。

私は、と言いますと、
ヨガが出来るところまで回復しました。

しかし、
出産秘話、母乳奮闘記、乳飲み戦争を経て、
へとへとです。
私の体重は…、
妊娠18、9週(五ヶ月目)に戻りました。

「産後の方が、大変なのよ…」と言われた通り、
育児って、大変ですね…。

新米かぁちゃん、頑張ります。

御招霊 盂蘭盆会

2014-08-14 | 産前修行
お盆だ、
墓参りだ、
里帰りだ、

というわけで、

両親、兄夫婦と私たち家族揃って、

妊婦「お酒、飲むんでしょ?」

飲まずに「帰ります」とは言えないのが、
松郷家、

実父「じゃ、そろそろ行くか」

Let’s 鯛や

先祖供養を兼ねた大宴会。

もっぱら話題は生まれてもいない娘のことで、
前回ブログで紹介した兄の英才教育法がまた、
出た。
ので、
詳しく兄のその教育方針について調べてみた。

それは、

“Zero to Three”

というらしい。
え…と、
つまり、
どんな子でもIQが高くなるって?

そのために環境を整えてあげるが大事だッ!っていう、
ゼロ歳から三歳までの教育スーパー英才教育法のこと、
…らしい。

そんなウルトラな子を育てて、
親の私はウルトラの母…って、

集中力三分?

そんな事は書いてない。
え…と、
妊婦「この状態で大学の講義を受けるって?」
臨月で大学に行けってか?

それから…と、
腹に話し掛け、一日20冊読み聞かせ、
リアルな犬猫の擬声語音を聞かせて、
良い食品を食べてさせ、
フィンガーペイントに、
ティッシュを破らせて、
数を数えさる。
(詳細カット)

実母「あら、私やらせたわよ」

元・保育士(当時、保母)さん曰く、
幼稚園で園児たちにやらせていた、
らしい。
…で、
妊婦「私と兄ちゃん、なわけ?」
兄「…」

まぁ、IQにも両親遺伝の限界というものがあるだろう。
それに、個々の興味がどこに向けられるか、にもよる。
私の話で申し訳ないが、
私の幼少期は、もっぱら絵を描いていた。
おもちゃで、
何が欲しいの?好きなもの言いなさい、
と言われて、
小さい私は、
「これ…」
持ってきたのは、
100円の真っ新な落書き帳と、
色マジックと色鉛筆だった。

総合計500円にも達しない品々である。
その反面、兄は、
「これが欲しいぃーーッ!!」
おもちゃ屋さんの前で買ってもらえるまで
「買って、買ってぇーッ!!」
とタンタン踏んで大暴れ。

もう…根負けするしかない両親。

しぶしぶ高価な、
乱暴に振り回せば、
すぐぶっ壊れそうな、

しかも、

すぐ飽きて、次の興味に走りそうなおもちゃを買い与え…、

妹の私は、というと、
「ほんとに、これでいいの?」

これでいい、ではなく、
これがいいのであって、

落書き帳を使い果たらしたら、
チラシ裏の真っ白なものを掻き集め、
落書きお絵かきを一人楽しんでいた。

一人遊びが好きな私を悲観した母は、
「ぬいぐるみとか、お人形さんとか、遠慮なく言っていいのよ…」

せめて、意のままに動くお友達を作って欲しかったらしい。
「おまま事セットとか…」
しかし、小さい私はそれらにまったく興味がなかった…。

興味があったのは、

「まぁま、書いてぇ」

母の絵だった。

しかし、母は元来のめんどくさがりで、

若かりし母は、
「じゃ…」
私の差し出した白いキャンパスに、
「クレヨンでめちゃめちゃに、描かれ」
結局、母が手を出すことはなく、
私がぐちゃぐちゃに色を塗った。
赤、青、黄色、緑、紫、
兎に角、
ぐちゃぐちゃ。
白いキャンパスを様々な色で覆い付くし、
覆い尽くされたぐちゃぐちゃを今度は…、

「はい」

黒のクレヨンで塗り潰す。
下の色が見えないくらい。
ぐちゃぐちゃは、
美しくほど黒い。

幼い私には、母が何をしているのか、
まったく分からなかった。
だって、
折角のカラフルなぐちゃぐちゃが、
…真っ黒だもん。

ふいに、

母が黒色のクレヨンから、
ボールペンに持ち替えた。
そして、
まるで、
ボールペンを魔法のスティックの様に動かして、
ペン先で「ぴ、ぴ、ぴ…」と黒い部分を削って、
無数の線を描き始めた。

浮かび上がったモノに、
幼い心は躍り上がった。

「わぁあ、すごい!」

漆黒の闇から生まれた、
色とりどり、鮮やかな、

「花火…」

だった。

後々、その技法がエッチングだと知った。

母は母なりの独自英才教育を私たち兄妹に施していたのだ。

教育って、
それで良い…と、
私なりの結論である。

そんなこんなで、
食って、呑んで、

主人が私の実家に泊って、
墓参りして…、

お盆が始まった。

ご先祖様、
ようこそ。

ゼロ歳スタート?

2014-08-13 | 産前修行
健診に行ってきました。

38週目に入り…、
分娩監視装置で赤ちゃんの様子を探る事に、

看護師さん「わぁ、張ってますね。痛くないんですか?」

痛いんですよ、かなり。

お腹の中で、
ヒップアタック、
夜中、目を覚ますくらいのキッキング、
えいッと繰り出す頭突きが、特に痛い。

もう前駆陣痛が始まっているんじゃないか?
と思い始めて二週間…

どうなん?
先生「やっぱ、ちいさいな…」

げッ、
前回より小さなっとるやんッ。

2660g

どいうこと?

「まぁ、推定だから…」
前々回の体重を引き出され、
「ほら、前々回から比べたら、大きくなっている」
ジェスチャーで比例グラフを示して頂き、
「もうちょっと下がってきたら…」

で、

まだ生まれません。

まぁ、元気ならいいにか、ね。
という感じでエコーは終わり。

妊婦「先生…むくみ酷いんですけど…」

先生「…」
むずんと、
私の足を押してみて、
「これくらい、大丈夫。全然大丈夫、酷い人もっとひどいから」

妊婦「ええぇ!??そ、そうなんですか?」

す、すみません。
私、贅沢な妊婦でした。

確かに、
何も食べられない、
何もしたくない、
「水分は取ってよ」と言われて、
何も飲みたくないんです…って、妊婦さんがいた。

おしっこの回数は?

一日、酷い時は一回だって。

それに比べて、
私…、
妊婦「何?」
毎日電話掛けてくる主人に、
毒付いてストレス発散して、
そんな私の毒付きに対して、
主人「ん、元気な証拠だ」
と喜んで毒を受け入れ、
また明日と電話を切る。

なんて有難い主人と、
妻は内心思っている。

巷妊婦に対する認知度は低いにしても、
主人「だって、わからんもん…」

これから妊婦育児の知識を、
高めれば良いというもので、
無事生まれてから、
主人の育男力を高めようと思っていた。

ら、

健診から帰って、
寛いでいたら、
ぶるるるうん。
兄夫婦が来た。
兄「お前、ゼロ歳スタートだぞ」
妹「は?」
何の事?
つまり、
ややが腹の中にいる段階で、
教育は、もう始まっている。
兄「腹の中にいる時に(妊婦が)何を勉強するか、で(将来が)決まる」

いたよ、
ここに。
教育パパが。

「モーツァルトを聴かせて…」

妹「…(ーー;)」

って、兄ちゃん…、
絶対にモーツァルトとか聞かないでしょ?

それにさ、妊婦って、
勉強どころじゃないし、
胎教に良い曲って、

私、寝ちゃうよ…。

自分のことじゃないから、
好き放題言ってるけどね、

父「娘に、将来、何をさせたいんだ?」

って、お父さんまで…。

娘「私の時お父さん、何してくれた?」
ねぇ、お母さん。
母「何もしてないわよ」
オムツだって替えたことないし…。

早く生まれて、
出て来い来い、
って言っても、
思い通りにならない我が子に、
将来どうのこうのさせたいと、
勝手に願っても、
言うことを聞くはずがないし、

私と主人のDNAを考えて、
それほど立派な子が産まれるはずもなく、

立派過ぎても、対処に困るし…。

先生「生まれても小さいけど…」

妊婦「私も小さい(148センチ)ですから…」

小さい体で元気いっぱいなら良いんだよ。

将来、未来は、
自分で決めなさいって、
それだけかな。

散華の如く~死者からの声~

2014-08-12 | 散華の如く~天下出世の蝶~
今の殿と同じ四十八で、
幼い小鬼たちを残して、
塩川「さぞ、無念だったことにございましょう」
帰蝶「無念…」
だったのだろうか…?
弟を庇って、負傷した。
あの傷で戦に出れば…、
“死”
覚悟を決めねばならない。
合戦出陣前、
私に、頭を下げて逝った。
死を予見する者にとって、
無念、未練、執着、後悔、
そういう感情を他人に見せるものなのか?
戦人にとって死は、
是とも(良いとも)、
非とも(悪いとも)、
及ばない(言えない)。
戦国時代に生を宿した鬼の宿命、
だから、全ては仕方のないこと。
“後のことは、お頼み申し上げます”
私には、可成様から、
妻と子を頼みますと、
そんな言葉が聞こえたような気がした。
武骨寡黙な死者からの、
たった一つのお願いが、
残された者たちの安否。
「あの世で、可成様に何と申し開き(言い訳)をしよう…?」
塩川「何か、後ろめたいことでも?」
帰蝶「あぁ…」

散華の如く~鬼の天下取り~

2014-08-11 | 産前修行
塩川「大殿様…蘭丸が可愛くて可愛くて…」
最初は子供と、
と侮っていた。
しかし、
鉄砲を持たせれば、呑み込みが早く、
長槍の腕は、あの兄をもしのぐ勢い、
軍師としての手腕も目も肥えて来た。
帰蝶「可愛いだけならいいが腕も勘も良い」
少し殿から離れてくれないと、
私も、内々の話がしにくい…。
「過ぎるは、時に脅威である」
塩川「大殿様以上に大物にございます」
帰蝶「赤白鬼以上とはどんな化け物か」
殿の開花は十の時。
沢彦様との出会い、
そして、平出様が、
殿を目覚めさせた。
出会いとは、偶然にして必然。
神のイタズラにしては過ぎる。
塩川「森の…お父上様も恐ろしい方でした」
帰蝶「あぁ、実に恐ろしき化け物であった」
殿と互角か、それ以上の化け物。
殿に長槍を教えた、人物である。
「可成様が亡くなって早12年…蘭が五つの時であった」
狙い打ちだった。
そして、
鬼の親は、討死。
哀しいかな、それが宿命。
鬼の物語は、それで終い。
鬼の天下取りなど、ない話である。