ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

高野聖さんと、那智龍くんと、天野照子さん

2012-04-30 | 高野さんと那智さんと、伊勢さん
行ってきました。
紀国霊山めぐりです。

高野聖さんの金剛峯寺です。



不思議な象ですか?
龍ですか?
なんでしょう?
わかりませんが、
撮影したら、えらく気が張っておられました。


この灯籠、大火鎮魂のために建てられたそうです。


きれいな椿が咲いておりました。

高野聖さんと、那智龍くんと、天野照子さんⅡ

2012-04-30 | 高野さんと那智さんと、伊勢さん
金剛峯寺から、霊廟 奥ノ院に行って、
潮岬で温泉入って、
千畳敷に行って、

潮聞乃湯(中之島)に入って、
寝ました。ぐっすりです。
さて、次の日、熊野に行きました。
去年の台風の爪痕は深く、
痛いです。というわけで、
龍様に鎮守鎮魂の祈りを捧げてきました。ここが、

熊野那智大社です。

結構な階段でした。
足の都合の悪い方は、杖を用意しましょう。
八咫烏の八咫坊がお出迎え♪


きれいな藤棚ですね。

那智の瀧君です。

ごぉぉ…と。

高野聖さんと、那智龍くんと、天野照子さんⅢ

2012-04-30 | 高野さんと那智さんと、伊勢さん
お伊勢さんに行くのは二度目ですね。
二、三年前から参拝客が増えたそうです。
たけしさんの影響かなと思います。
ありがたいですね。
ちなみに、お伊勢さんの内宮近くに、猿田彦様がおられますが、
私は、どちらかといえば、猿田彦様にご縁があるようです。
行き返り(生き返り)道中、助けて頂きました。
「助かりました」とお礼を言ったら、
コクン、と小さく頷いて、帰って行かれました。
ありがたい人の姿をした神様でした。

伊勢にお立ち寄りの際は、こういうヒト型神様との対話もお楽しみ下さいませ。
さて、鳥羽院の浜離宮で宿泊です。
夜の宴、二胡の演奏会がありました。
いい音色でした。
こういう音色を聞くと、舞いたくなるですよね。

さ、寝ましょう。

寝て起きたら、
郡上八幡です。
八幡踊りが有名ですね。
ただ、時期が違っていました。
福巡り雛人形が所々、興味深いポーズを取っています。
五月まで町中ポーズを取っているそうなので、
サンプル工場ともにお楽しみください。

水がうまいです。
近くに流れる霊(冷)水、宗祇水というらしいですが、
ミネラルがミラクルを起こして、体のむくみが取れました。

というわけで、自然の脅威と偉大、
神人一如を感じた旅でした。

ちゃんちゃん。

覆してみたくないか?

2012-04-30 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
その後、俺は、池田仕込みの薬学と医学知識と、似非医者の医療器具の入った鞄を持ち、岡崎矢作(やはぎ)で、あの似非(えせ)医者に成り代わり、
医師免状の『斎藤 佑』から『斎藤利祐』と名を書き換え、診療所を開いた。
開業して一年経った頃、
「“腕が立つ”と聞いて来た」と、えっらそうなおっさんが診療所に現れた。
あ?
「私の主治医にならないか?」
アンタらクラスなら、主治医の一人や二人、すでにいるだろ。
「聞こえなかったか?“腕利きの”主治医が欲しいんだよ、長井君…いや、斎藤君」
あんた、何モンだ?
「何者か…それも知らず、その姓を名乗るとは、呆れたものだ」
藤原一門…か?
「私の下に就けば、その名を自由に使わせてやる。こんな所で燻る人生では、勿体ないだろ」
勿体ない?
「その出生、覆してみたくないか?」
…俺の、どこまで調べた?
「さぁ、君に関しては未知数だ。ただ、私の使えない薬師の代わりに、働いて貰いたい」
池田の…、代わり?
「報酬は、歩合制でいこうじゃないか」
池田に指示を出している奴が、こいつ…松殿だと分かった。
一つ、条件がある。
「条件…?」
潜入捜査、得意なヤツが、要る。
「好きにしろ」
妹と、菖蒲の子に潜入捜査をさせて、俺は政の裏でヤツの指示した仕事に着手した。
途中で引き返す事の出来ない裏参道に迷う事無く、入っちまった。
出生を覆すために、
“陸な人間に成らんよ”
アイツらを見返すため、俺は“斎藤 利祐”に成った。
そして、二度と“長井”に戻れなくなった。

ビンゴとコンビ

2012-04-29 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
すり棒を渡して、
「この薬草は阿仙薬、タンニンと言って…」聞きもしねぇのに、薬の成分を教え始めて、
俺を仕込んでどうするんだ?
「痕は、自分で処置しろ」俺に薬学書や医学書まで貸して、
いいのか?俺に手の内明かして。
「お前の掛かり付けなんて、御免被る」
まっぴら御免なのは、患者の痛々しぃ~ツラ拝む事じゃねぇの?
「…」
ビンゴッ
「…女に面倒掛けるより、見れた方がいい」
そりゃ、ごもっとも。一生、頭が上がんなくなるからな。
池田とコンビを組んで半月。火傷の痕は残ったが、コンビの解消は無かった。
「仕送り…?」
あぁ。ちょっと…な。
池田には、妹にやったガキの事は伏せておいた。説明すんのが面倒だからな。
帰ってやれだの、何だのうるさそうだ…と?
「これ…」
あん?
「虫除け」と、紙に金を包んで、くれた。俺のプライベート、勝手に詮索してセンチになってんだろうな。それ以上、ツッコむ事はしなかった。
池田とツルんで、二年経った頃、
やっちまった。
「“貴様と組むと、ロクな事にならんッ”」
あぁ、怒らしちまった。いつもの事だが、
人型ロクでなし人間を見ると、つい、カッとなって、
医者を殴っちまった。
「これまでだッ」珍しく、堪忍袋の緒を切らしちまった?
いや、違う。上から指令が飛んだ。そういう奴だよ、お前は。
危なっかしい仕事が入ると、俺に黙って仕事して。ただ、今回は、ちょっと違うらしいな。
で、池田とのコンビは解消。

ネタ…持ってないんだ

2012-04-28 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
「この間の礼だ」と新品の軟膏と、
紙風船?
「その顔じゃ、子供からの情報は皆無」
嫌味な野郎だな。
「痛みが引いても軟膏塗れよ。痕が残るから。じゃ…」立ち上がって「…あ」
バサッ、
医学書が落ちた。
ブラックジャック(闇医者)…なんだぁ、裏でこっそり開業ってか?
「知ってるのか?」
あぁ、チラッと読んだ。
「裏稼業が、医者になっても闇に葬られるだけだ」またいじけちまったよ。
なぁ、俺と手ぇ組まねぇ?
「断る」
即答かよ。
「面白いネタ、持ってないんだ」
誰が一緒に漫才しようって言ったヨッと、ツッコミ入れ…テェッ。いててぇ…、
「その手じゃ、ツッコむのに、二、三週間は掛かるな」
全治三週間…なげぇ。これじゃ、仕事にならねぇよ。
「…傷が治るまでなら、」お?こいつのWeak-Point発見。
これでしばらく、食い扶ちには困らねぇっと。
池田は、どうやら政府官僚筋の密偵らしく、羽振りが良い。だが、
おい、くせぇぞ。
「我慢しろ」
なんだ、そのクセェ玉は?
「正露丸…腹痛の薬だ」
池田は暇を見つけては、薬の在庫をチェック。忠実(まめ)に、ずりずりぃ、ずりずりぃ…、擦りゴマみてぇに青クセェ薬草をすり潰して、
それ…薬草潰す道具だったのか?
「乳鉢(にゅうばち)という。薬の他、スパイスのすり鉢で…」
面白そうだな。やらせてくれよ。

どっちがいい?

2012-04-27 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
池田は、あん時の膏を軟膏に変えて、俺の火傷を手当てしようとしたから、
いいって。何でもねぇよ。
「これが何でもない?」池田は強引に俺の腕を引っ掴んで、掌に軟膏を塗って、
気持ち悪ぃ。よく、男の手ぇ撫でられるな。出来りゃ、女の肌の方が…、
「悪いが、俺は、お前でホッとした」
んだそりゃ?
「この手が女のだったら、それこそ…辛い」
“医者はな、いちいち感傷的になってちゃ務まらん”
優男が。それじゃ、ドクターに成れねぇよ。
「ん…」あぁあ、黙っちまった。
一言で、イチイチ、傷付くなよ。これじゃ、
俺の瞼の奥に焼き付いた、全身火傷で死んだ女の話は出来ねぇな。
池田、お前、女にモテんだろ?
「モテてたとして、何の意味がある?」
女嫌いか?
「…の、逆だ」俺の手に、ぐるぐると仰々しい包帯なんて巻きやがって、メシ食えねぇだろ。
お前でも、モノにできない女がいんの?
丁寧に巻かれた包帯を見て、池田に視線を移した。
「亡くなった…らしい」
らしい?
「遺体が、上がらないんだ」
壇ノ浦か。
「あぁ…」あぁ、一人の女に感傷的になっちまって。ダメだこりゃ。密偵務まらねぇな。
女の死に目なんか、合わねぇ方がいいって。
「そうかもな。ただ、一年以上経っても、彼女の死を受け入れられずにいるんだ」
密偵もただの人間だな。
さて、問題です。
女の最期を見せ付けられ、否応なく、死を納得させられる方と、
女の死をあやふやにされ、生きている可能性に泳がされる方と、
どっちがいい?

よッ、また会ったな。

2012-04-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
うぁあ…
似非(えせ)医者は倒れた家屋の下敷きになって、俺の目の前で粛清されちまった。
パサ…ッ
肌身離さず紙切れ持って、ここまで逃げてたか。
『斎藤 佑』さいとう たすく…
どうやら、ヤツの免状らしいが、当の本人死んじまったら、何の意味もネェ。
ヤツの佑(たすく)は、俺の字“祐”と同じく、人を助ける意味があるが、
人助けしねぇから、天罰喰らうんだ、ヨッと、死んじまった女を背負って、とにかく、ここから逃げようと、ヤツの医師免状と潰れず残ったヤツの鞄を持って、炎の中を走った。
逃げ切った藪の中で、ヤツの鞄を広げた。中身は医療器具が詰め込まれていた。これがあれば、一人でも多くの人命が救えると…、思った訳ねぇだろ。見た事ねぇ器具で、どう使うのか皆目見当つかねぇから、穴掘れそうな白い容器を取り出し、穴を掘った。
穴ン中に女を入れて、医者が握ってくれなかった、ただれた手を組ませ、その半分は黒く、半分は赤い、その女の顔に、懐から取り出した少し血の付いた“産着”を被せ、土を掛けた。
ツッ…。
女の墓を作り終えて、自分の掌を見たら、赤くただれていた。
無我夢中で炎の中、女を背負って逃げて、穴掘って、自分の火傷に全く気が付かなかった。
油野大火から二日後、山手から向火を作って鎮火させたらしいが、当分蝦蟇には住めねぇ。
焼け野原となった町を離れ、関所脇をすり抜けて、闇にまみれて歩いた。岡崎まで行けば…、
岡崎は、金持ちお偉方、摂関藤原家別荘、その接待用大旅籠の高級遊郭がひしめき合う町で、何とか食ってけると、そこまで歩こうとしたが、イテェの何のって、火傷がじくじくと疼き始め、矢作川の水で手を冷やしたが、一向に治まらない。
そこへ、
「長井ッ!」
脅かすなよ。サッと、手を隠したが、
「火傷か!?」目敏く、気付きやがった。
よッ、また会ったな。
「呑気に挨拶してる場合かッ。先日の大火で…だな」池田の表情から見て取れた。
あの大火も、お偉方の指示らしい。下っ端ってのは、いつもこうだ。
密偵ってのは否応なく、手を汚させられ、足も洗えねぇってか。

助からないと分かっても、

2012-04-25 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
危険な油に紛れた、汚ねぇ儲かり話が多く、一般善良な市民のフリした他国隣国スパイも集まっていた。池田と初めて会った町でもある。
しっかし、危なっかしい奴らが多くて、スパイスに仕込まれた薬で毒殺、隠蔽工作に油流して火付けてって話も日常茶飯事。その飯事の大半は上で揉み消されていた。
上手く隠蔽工作出来りゃいいが、油野は上質な油が多く、一旦火の手が上がると収拾がつかない。港町特有の東風(こち)が炎を煽り、まるで龍の如く町を飲み込む。木造家屋はあっという間に丸焦げで、怒り狂った龍は隣町 泊の大旅籠、菖蒲の居た大橋屋(遊郭)まで襲った。
逃げ遅れたヤツらは炎にのまれ、崩れた家屋の下敷きになり、
おい、しっかりしろ。呼び掛けたが、その女も虫の息だった。
“助…けて…”
生きてる、焼けた木材を退かして、その女を救助した。そこへ、
おい、待てよ。
“陸な人間に成らんよ”
あん時のクソ医者と出くわした。
ケガ人を置いて、逃げるのか?
医者が死んだらな、他の患者が、死ぬんだよ。
一か月前、アンタが見殺しにした妊婦は死んだ。
し…知らんよ。そんな事。医者はな、いちいち感傷的になってちゃ務まらん。
それがお医者様のセリフか?医者に、人命選択権でもあんのかッ!
“せん…せ、さ、とう先、生…た、すけ…て”
おい、しっかりしろよ。
全身火傷を負った、その女は消え入りそうな声で医者に助けをお求めた。
火傷で赤くただれた、痛々しい手を必死に伸ばしたが、クソ医者は、
アンタ…もう助からんよ。医者は、救える命を救うだけだ。
“せ…生、斎…藤、せ…せ、”
医者に見捨てられた女は、最期まで、クソ医者を先生と呼び、助けを求めた。
助からないと分かっても、この赤くただれた手を握るのが医者じゃねぇの?
パタ…、力尽き、伸ばした手が地面に落ちた。そして、女は、俺の腕の中で死んだ。
アンタも逃げろ。火の手がすぐそこに…、
この、ロクでなし…うぁッ。

その名の通り

2012-04-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
着いた菓子屋で、斎藤「あ…ん?」驚いた。
照「あやめ姉さんっ」
あやめ「いらっしゃいませ…」
斎藤「…いずれ、菖蒲(あやめ)か、杜若(かきつばた)…」
あやめ「え?」
斎藤「…別に、何でもねぇよ」
照「姉さん。こちら、斎藤…」
斎藤「利祐(としひろ)」
照「…様よ。お茶請け、見繕って下さいませ。そうねぇ、二箱はいるわね」
あやめ「中に入って、お待ち下さい」
斎藤「あぁ」照さんの姉さん…にしては、
“こんな言葉に笑顔で応えていないと…、私、泣いてしまうんです”
タイプが違う。
誰もが羨む美人が、勿体ねぇ。
あやめ「どうぞ…」お茶と、お茶請けの団子を運んで「すぐに、ご用意致します」
その折り菓子を待ってる間、
ずずぅ…、ずず…、宇治茶を啜って、
斎藤「…」茶請けの団子を眺めた。
さすがに、これは、食えねぇな。
団子から目を背け、あやめって女を見た。
照「甘いもの、苦手ですの?」
斎藤「あぁ…」柔肌にさ、ぐっさり刺さる串が、
“それこそ…辛い”
池田の気持ちが分かるようになっちまった。濃紫のタレに隠蔽された傷も、どうかと思う。
「あやめ団子って、苦手なんだよ。それより、姉さんの腕さ…」
照「え?」
斎藤「いや、」気付いてねぇなら「…何でもねぇよ」自分の右手の、火傷の跡に目を移し、
鬱陶しい4年前の、大火を思い出した。
菖蒲が死んで、俺は膏売り(情報屋)に戻っていた。
俺の縄張りは三河蝦蟇(蒲郡)油野…ここは、その名の通り、油の流通の要だった。