自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

昆虫の頭・顔 ~ツマグロヒョウモン(メス)~

2021-04-24 | ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモンが活動を始めています。食草のスミレやパンジーが勢いよく育ってくると,どこからともなく現れて産卵を始めます。しかし,まだそのシーンを目撃できないでいます。

さて,公園でメスのツマグロヒョウモンが飛んでいたので捕獲。もちろん,頭部の写真を撮るためです。指で持って撮影するのは禁物。わたしの流儀ではありません。できることなら大自然のなかにいるところを撮りたいのですが,動くものをシャープに撮るのはまず無理。対策として台にそっとおいて撮ることにします。

今の時期は夜間冷えるために動きが止まります。これぞチャンス,です。それで,早朝にじっとしているところを撮るのです。撮影中に動きかけることもあります。とにかくさっさと撮り終えなくてはなりません。

その画像をご紹介します。

 

これはトリミングでなく,さらに近づいて撮ったコマです。両眼が入り,毛の一本一本がブレないように撮りました。

 

もっと近づいて真横から,個眼の並び方がなんとかわかるように撮りました。

 

反対側から近づいて。

 

おしまいに真正面からです。吻も入れました。

 

両眼が入る構図で撮りました。

 

撮り終わったとき,チョウは動きかけました。なんとタイミングのよいこと!

これでチョウを野外に放しました。感謝。

 


ヤマザクラと昆虫(オドリバエのなかま)

2021-04-23 | 昆虫と花

ヤマザクラの花を観察・撮影していると,いろんな昆虫が訪れます。その中でめずらしい昆虫が目に留まりました。オドリバエのなかまです。

からだに花粉がいっぱい! 花に相当な執着心がありそうな行動ぶりで,その花粉はヤマザクラのものと考えてよさそうです。ただ気がかりなのは,単に花粉・蜜を求めてやって来ているようには思えない点です。見ていると,花から栄養分を補給しているようにはまったく見えませんでした。

 

アブのなかまなので,長い吻は花からではなく,捕らえた昆虫から体液を吸い上げる道具に見えます。オドリバエならまちがいなくは捕食性昆虫。花に来たのはここで昆虫を捕らえるためと推測するのが当たっているでしょう。

 

カメラを近づけても逃げる気配はなし。

 

それにしてしても付着した花粉とオドリバエのつながりが気になります。

 


交尾 ~クロボシツツハムシ~

2021-04-22 | 昆虫

アラカシの若葉で交尾中のクロボシツツハムシを見かけました。ふつうならぽとりと落ちてもおかしくないのに,さすがそれはなし。

 

しっかり画像記録をしなくちゃ。と思い,近づきました。

 

ややあって,分離。

 

オスはさっさと離れていきました。メスは隣りの葉に移り,裏側で長い間じっとしていました。産卵でもするのかなと思ったのですが,時間をおいて行ってみると,その形跡はありませんでした。

 

翌日も交尾シーンを目撃。二組も。

 

カップルの誕生する季節だとわかります。

 

若葉はいろんな昆虫たちの食草にぴったりのようです。柔らかいと食べやすく,栄養も詰まっていて,申し分ないのでしょう。さらに,ある種の昆虫にとっては巣の材料としても好都合。そこは生態を観察する格好の場所です。

 


昆虫の頭・顔 ~クロボシツツハムシ~

2021-04-21 | 昆虫

クロボシツツハムシはアラカシの若葉が好物のようで,あちこちにいます。体長5mm。ヒトの気配がすると,あっさり落下します。それが積極的な護身術のようです。

 

午後遅くなり,気温が下がると動きが鈍くなりました。それで,顔写真を撮ることに。小さいながらもどっしりとした姿勢で,貫禄十分。

 

もっと近寄りました。解像度がぐんと落ちました。でも個眼が詰まっているのがわかります。

 

この口で葉をむしゃむしゃ食べるのです。

 

今度は,解像度をもうすこし上げたものを撮りたいなあ。

 


アラカシの葉とカシワクチブトゾウムシ(1)

2021-04-20 | 昆虫

アラカシの若葉を観察していて目に留まったのが,このカシワクチブトゾウムシです。体長5mmで本当に目立ちにくい! 

 

それでも,草食性なので口形がよくわかります。この葉にいたということはもちろん葉を食べていた証し。

 

しばらく,コップの中に葉とともに入れておいたら,葉に食痕ができていました。葉にがっちりとつかまっています。脚先の鉤爪が威力を発揮しています。

 

葉の縁にいるとき,見上げるようにして撮りました。からだ表面のごつごつ感が伝わって来ます。いかにもゾウムシのなかまらしいからだつきです。

 


ヤマザクラと昆虫(ホソヒラタアブ)

2021-04-19 | ヒラタアブ

ヤマザクラの咲く風景写真を撮っていたら,すぐ傍の花にホソヒラタアブがやって来ました。びっくり! こんな近くで虫の目レンズで撮れるなんて,めずらしや!

と思って,大慌てで撮ったのが下写真です。

 

ホソヒラタアブがどんな状況にあるのか,写真をとおして理解できます。偶然のことながら,うれしい一コマになりました。

 


公園の春(9) ~続 ヤマザクラ~

2021-04-18 | 

ずっと前にも書いたのですが,ヤマザクラの花はとても清楚だなと感じます。表に出過ぎず,さりとて後ろに引き下がり過ぎず,程よい見え方だなあと思います。抑え気味の美しさが品位を醸し出しています。だから,わたしはすきです。もちろんソメイヨシノよりも。

写真を撮っているとき,ウグイスのけたたましい鳴き声が林間に響き渡りました。すぐ近くにいたのです。びっくりして,気持ちがぐっと引き締まりました。「しっかり撮らなくちゃ」「ヤマザクラが喜んでくれるように」。そんなふうに。

 

電車が来る瞬間をねらいました。といっても,ローカル線のこと,二時間に一本程度の運行です。したがって「一回一回が勝負!」といったふうなのです。構図に近景・中景・遠景を入れるのが理想です。

接写は対象物が揺れるとさっぱりです。下写真は貴重な画像になったはずなのに,花が風でわずかに揺れ失敗に終わったコマです。

 

翌日。晴れ上がったものの花弁がずいぶん散り落ちていました。季節が進んでいきます。

 


ヤマザクラと昆虫(ニホンミツバチ)

2021-04-17 | 生物

ヤマザクラは昆虫たちと相性がずいぶんよさそうです。晴れた昼間,花を観察しているとハナアブやらヒラタアブ,ミツバチたちが飛び回っているのがわかります。それは羽音がするほどなのです。

花後,マッチ棒のような実がたくさんできることを思うと,訪花昆虫のはたらきが想像できます。実際,開花中にこれほど来ているとは知りませんでした。迂闊でした。

まず目に留まったのがウロコアシナガグモです。これなら昆虫が来ているはずと期待。

 

さっそくクモの写真を撮っていると,すぐ横の花にニホンミツバチが飛来。

 

ミツバチは近くの花に移っては懸命に蜜を吸っている様子。

 

クモがいるのも当たり前だと合点。

もっとよく見ると,あちこちに昆虫たちが来ていました。これで花と実がつながり,事情が理解できました。

 


コナラとナナフシの子

2021-04-16 | 昆虫

N公園にて。

山麓でコナラの若葉を見ていると,ナナフシのごく小さな幼体がいるのが目に飛び込んできました。体長はせいぜい2cmといったところ。

雑食性の昆虫で,主にサクラ,イバラ,アラカシあたりを食べるようです。わたしがこれまでに見て来たのはどれもイバラの葉か地面にいました。コナラはアラカシと同じなかまなので,この葉にいるということはコナラも食草だということになりそうです。その証拠に,葉には食痕が。そして,右側の葉にはヒメコブオトシブミがいます。

 

これまで何度も成虫を見てきた公園なので,幼体が見つかっても何らふしぎではありません。しかし,「よくもまあこんなに小さなからだが目に留まったことよ」と自分ながら感心するばかり。

 

歩き方が意外に速いのは,外敵から避難する習性によるのでしょう。

葉の上にいるままの状態で近接撮影をしました。個眼がきっちり見えます。

 

枝の下側にぶら下がっている状態で撮りました。

 

これからは木々の若芽に注目しておこうと思います。どんな出合いがあるかなあ。

 


今季初,べニシジミの孵化

2021-04-15 | ベニシジミ

先日,公園にて。

スイバの薹が伸び,ベニシジミが舞いかけ,春が進みます。「これならベニシジミの卵が見つかるのではないか」と思い,スイバの根元を数株探してみました。そしたら,予想どおり産付されていました。

それを三株,ポットに植え替えて観察を開始。その一つが下のものです。

 

8日後の早朝。見ると,タマゴのてっぺんに小さな穴がぽっかり。孵化が始まったのです。これは見逃してはならないとばかりに,経過を注意深く観察・撮影。

 

頭部が見えかけました。

 

ゆっくりと右回りに移動しながら,出口を広げていきます。

 

休むことはありません。

 

もう出られると判断。さっさと出始めました。

 

無事誕生! ほんとうになつかしい姿!

 

穴が開き始めてから1時間30分が経過しています。

いのちが動いているって感じが,わくわく感とともに伝わって来ます。