早朝。アゲハの庭園で作業をしていると,突然,蝉がなにかに捕まったような鳴き声が響きました。なんだかけたたましい声です。
その声がしばらく途切れたかと思うと,また思い出したかのように聞こえて来るのです。わたしは声がした方に近づいて,どこから聞こえて来ているのか確めました。
そこは庭の片隅でした。ジョロウグモに捕まったヒグラシが糸で巻き付けられ,悶えているのでした。このクモの巣はしっかりしていて,縦糸はかなり上丈夫です。糸の一部はレモンの木に取り付けられており,揺れても切れない仕上がりに見えます。実際びくともしません。
こうなっては自然の摂理のまま,なるようになるがままにしておくほかありません。容赦のない「食べる」「食べられる」営みが展開されているのです。
虫の目写真で記録しておこうと思い,さっそく準備。
太陽が昇り,日差しがきつくなりかけました。逆光ですが,それを味方にする気持ちで撮ったのが下写真です。
クモとセミの頭部を入れて撮りました。
クモの糸が光ります。
こうなっては,もう降参するほかないようです。
まことに厳しい自然の掟です。