古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『昭和史』(半田一利)を読みながら考えました。

2010年10月08日 03時10分41秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 ふた月前に半田一利の『昭和史』(1926⇒1945)を読みました。その本をまた図書館で借りて読み直してみようと思います。この本のもつ庶民感覚目線をもう一度体験してみたいのです。著者の半田一利さんは1930年(昭和5年)生れです。ぼくより8歳年上ですから日本の敗戦のとき15歳でした。その人が敗戦後65年を経て、庶民の目線で当時の時局を解説してくれる本です。
 尖閣列島付近で中国漁船の船長を日本の海上保安庁が逮捕するという事件が起きました。にぎにぎしく報道され、日本と中国の国民はそれぞれ何かを感じたでしょう。政府の対応がどうのこうのと、庶民のレベルでも論議をしたでしょう。そんなときテレビを見ていたらコメンテイター同士が口角泡を飛ばして熱っぽい議論をしていました。すると黙って聞いていた若い女性のコメンテイターが、イライラしてこんな発言をしました。
「とにかく100年前だったら戦争になっていた事件ですよ!」
 えっ? 街角で見知らぬ人と肩が触れ、どちらもキッ! とにらみ合い、険悪な空気になり、なぐり合いの喧嘩になり、ついには命のやりとりまでするような、そんな軽々しい感覚を垣間見た思いでした。戦争前の日本国民の心情と変わりません。
 昭和のはじめ、日本は満州国という傀儡国家をつくり、さらに中国を懲らしめるのだといって日中戦争をはじめました。軍部は「すぐにやっつけてしまう」といい、国民は、勝った! といってはちょうちん行列をし、自分から泥沼にはまっていきました。
 あのときの庶民といまの庶民は、どれほどちがうでしょうか。
 こんな小さい事件からいきなり「戦争」に飛躍する思考に危機を感じました。
 
 
 

 
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