幸せになろうね 改め しあわせだね

日々の生活の中のほんの小さな出来事をどう捉えるかで
私達はすぐにも幸せになれるのです。

誰かのために

2012年11月29日 09時23分22秒 | ひとりごと
 河口湖の続きです。


 宿泊した湖畔亭うぶや。

食事の接遇をして下さったのは地元で生まれ育った21歳の女の子。

明るくて、はきはきした人だった。


 うぶやさんからそう遠くもない河口南中学出身。

今はオルゴールミュージアムや
ハーブの何とかなどという、
(あ、そうそう、サル回し何とかもあったっけ・・・)
いかにも、日本の観光地と化した
ごちゃごちゃした場所、
でも
河口湖を通して
富士山の全景を仰ぎ見ることのできる一等地に存在する中学校だ。

 
 毎日のほとんどをそこで過ごした彼女は
校庭はもちろんのこと
教室や廊下からも
いつも富士を眺めており
富士山があるのは
当たり前のことだったという。

富士山が出ていようがいまいが
さほど関心はなかったらしい。



 ところが
この仕事についてから
富士山が出てくれない日はとっても嫌だと思うようになったとか。


「私にとって当たり前だった富士山を
 わざわざ遠くから
 見に来て下さる。

 そして、
 一喜一憂なさる、

 そんなお客様に接するようになって
 自分はどれほど素晴らしい環境に暮らせているのかを
 しみじみと思うようになりました。


 せっかく富士山を見に来て下さる方々のために
 毎日晴れてほしいし
 毎日
 富士山が見えてほしいです。


 見えない日はとてもつらいです」


彼女は
美しく青空に映えた富士山に目をやりながら
そう話してくれた。




ステキだな、と思った。

誰かが喜ぶ姿がうれしいから、
誰かに喜んでほしいから
その誰かが喜ぶことを願う。


それは
人間の究極の美しさだろう。




彼女は
今日もきっと
誰かのために

「富士さん
 姿を見せてくださいな」

と、祈っているに違いない。