一日おきくらいに美代子さんから朝、電話が入る。
どうも、朝の方が混乱している。
そうして、被害妄想、「盗まれた」説を繰り返し、ちょっと攻撃的な性格になる。
夕方ごろ電話をすると、少し落ち着いている。
「ごめんね、こんなになっちゃって・・・・・
みんなに迷惑かけて、申し訳ない。
早く死ねればいいのに・・・」
と涙ぐむ。
まぎれもない認知症の初期症状。
こんな風にどんどん進んでいく。
高齢によるものだから治ることはない。
いわゆる「まだらぼけ」。
この時期、そばにいる者はとても大変。
分かっていても感情的に振り回されてしまい、腹が立つし、
何よりも疲弊してしまう。
でも、でも、ふと思う。
「まだらぼけ」のとき、一番つらいのは本人ではないかしら?
だって、被害妄想に陥っている時はもちろんやりきれなくて、怖くて、しんどいだろうし、
正常な状態に戻ったときは、
異常になってしまった自分を、せめたり、悲観したり。
どっちにしても地獄、なのではないかしら?
そう思った時、美代子さんが愛おしくなった。
実父の時には、初めての経験だったからそこまで考えが及ばなかったけれど、
二度目の今、
私はどこまで、壊れつつある彼女を愛せるだろうか。
「認知症になることは、
親が身体を張って、子供に与える最後の成長の機会なのだ」
私の中にあるこの言葉が私を支える。
美代子さんは私達にどんな体験と成長をくれるのだろうか。
そのために、彼女は今、苦しんでいる。
正常と異常の両方で苦しんでいる。
ありがとう、ありがとうございます、義母さん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/7d/77495703d50f95825fa8f3e7dadea948.jpg)
2020・12・8 14;46 琵琶湖 水鳥公園前にて
どうも、朝の方が混乱している。
そうして、被害妄想、「盗まれた」説を繰り返し、ちょっと攻撃的な性格になる。
夕方ごろ電話をすると、少し落ち着いている。
「ごめんね、こんなになっちゃって・・・・・
みんなに迷惑かけて、申し訳ない。
早く死ねればいいのに・・・」
と涙ぐむ。
まぎれもない認知症の初期症状。
こんな風にどんどん進んでいく。
高齢によるものだから治ることはない。
いわゆる「まだらぼけ」。
この時期、そばにいる者はとても大変。
分かっていても感情的に振り回されてしまい、腹が立つし、
何よりも疲弊してしまう。
でも、でも、ふと思う。
「まだらぼけ」のとき、一番つらいのは本人ではないかしら?
だって、被害妄想に陥っている時はもちろんやりきれなくて、怖くて、しんどいだろうし、
正常な状態に戻ったときは、
異常になってしまった自分を、せめたり、悲観したり。
どっちにしても地獄、なのではないかしら?
そう思った時、美代子さんが愛おしくなった。
実父の時には、初めての経験だったからそこまで考えが及ばなかったけれど、
二度目の今、
私はどこまで、壊れつつある彼女を愛せるだろうか。
「認知症になることは、
親が身体を張って、子供に与える最後の成長の機会なのだ」
私の中にあるこの言葉が私を支える。
美代子さんは私達にどんな体験と成長をくれるのだろうか。
そのために、彼女は今、苦しんでいる。
正常と異常の両方で苦しんでいる。
ありがとう、ありがとうございます、義母さん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/7d/77495703d50f95825fa8f3e7dadea948.jpg)
2020・12・8 14;46 琵琶湖 水鳥公園前にて