幸せになろうね 改め しあわせだね

日々の生活の中のほんの小さな出来事をどう捉えるかで
私達はすぐにも幸せになれるのです。

オークランドでお陰様   その2

2016年04月28日 18時13分43秒 | ひとりごと
娘の危篤を聴き
気が動転してしまった私。

その時もう一つの声がささやいた。



「それも、運命。
 もし死んだとしたら、
 そのことによって彼女はみんなに何かを残す。


 そもそも
 死ぬということ自体、
 そんなに悲しむべきことでも、不幸なことでもない。


 残されたものは悲しいし、困ることもいっぱいあるだろう。
 でも、それはそれで、乗り越えるべき何かがあるから与えられること。


 悲しむな、
 必要以上に嘆くな。
 うろたえるな。


 淡々と受け入れよ。
 それが運命ならば
 ただ、淡々と受け入れよ。
 
 うろたえるな」




そして、同時にもう一つの声も。





「大丈夫だよ。
 彼女は死なない。
 
 彼女は生命力の有る子。

 避妊していたのに受精し
 切迫流産になりかけても生まれてきた子。


 あと30分遅れていたら危なかった、と言われた腹膜炎からも立ち直った子。


 今まで、沢山の困難に見舞われても、ちゃんと今日まで生きてこれた。


 大丈夫。
 あの子には強い生命力がある。

 あの子はまだ死なない。

 強いお陰様がついているもの」
 

オークランドでお陰様   その1

2016年04月28日 17時05分14秒 | ひとりごと
突然
余りにも突然
否応なしに
ニュージーランドの最大都市オークランドで単身ホテル住まいをする羽目になってしまった。


英語もろくにできない私が
一ケ月に4か所のホテルをブッキングしたりキャンセルしたり・・・
ナースやドクターに病状を尋ねたり・・・
まったく
思いもしない海外生活を体験したのである。

今回は
そんな私の体験と成長を少しずつ綴ってみようと思います。




3月22日 午前6;00

突然にスマホの電話の呼び出し音が鳴った。
目を覚ました直後の寝ぼけ眼(まなこ)の私。

「だれよ、こんな朝早くに。
 もしかして、独居高齢の母に何かあったのかしら・・・・・」

と、電話番号を確認すれば「表示圏外」

「うん?!・・・だれ?????」

と思いながら耳に当てれば

〝Hello, Peter here″

なんと、娘の義父ではないか!!

そうして、英語が入ろうはずもない起き掛けの私の脳に
彼は立て続けにまくしたてた。


「君の娘は、今、たいへんだ!!
 もしかしたら、死ぬかもしれない。

 とりあえずはフィジーの病院にいる。

 毒の魚を食べたかも知れない!!

 でも、よくわからない。

 状況が分かり次第また、連絡する。

 とにかく今は危険な状態だ!!」


かなり緊迫した声で、まくしたてる。

眠気はいっぺんに吹き飛び、心臓は高鳴った。

え?!

何?!

娘が死ぬ?!

危篤状態?!

毒の魚?!

フィジー?!

ニュージーではなくフィジー??????



飛び起きたが、もう何も手につかない。


去年の12月
ニュージーランドはニュープリマスで双子を出産し
義両親の家で彼らの手を借りながら育児に励んでいた彼女。

日々、子供の成長を楽しんでいるはずの彼女が、死ぬ?!

なんで?!
なんで?!

どういうこと?!





人生は一瞬先、何が起こるかわからない、とはまさにこのことだ。

1年前に突然、結婚宣言をし、
その2ヶ月後には彼と暮らすためにフィジーへと旅立ってしまった彼女。
私にとっては青天の霹靂。


そしてその直後に妊娠し
しかもそれが双子とわかり、
子供たちの将来のためにとNZ(以下ニュージーランドのことをこのように省略する)で
出産することを決めた彼女。

なんという急激な変化。
1年前には想像もしなかったこと。

愛する夫と生れてくる子供のことを考え
NZのニュープリマスに住む義両親の助けを借りることを決めた彼女。

そして
昨年12月11日、帝王切開で立派な双子の赤ちゃんを得た彼女。

義両親のヘルプを受けながら
愛する夫と可愛い我が子との幸せな日々を紡いでいるはずの彼女。


その彼女が死ぬ?!
生まれて間もない双子を残して死ぬ?!
私より
祖母より先に30歳そこそこで死ぬ?!


晴天の霹靂どころではない。

そんな変化って有なの?!

残された子供たちはどうなるの?

そんなのって、あまりにもあまりではないの?





頭の中は真っ白になり
どうでもよいことが駆け巡る。

娘は今、死に目にいる。
でも、その死に目に会うことさえかなわない。

今すぐ発ったとしても
フィジーに就くのは明日の夜か、明後日。

もう間に合わない?




その時だ。
私の中でもう一つの声が聞こえた。