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光内恒子「風のハーモニー」 苫小牧の野外彫刻 (7)

2019年01月09日 21時26分00秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 女性の立像。
 正面から見ると、衣服の流れるような曲線が美しい。




 横から見ると、これは衣服というより体を便宜的に覆っている布であることがわかる。
 この布、いったいどういうふうに巻いてあるのだろうか。

 前後からは見えない肌が大きく露出しており、ある意味で全裸よりもエロティックである。




 また、この女性が、かなりがんばって全身をそらしていることも見て取れる。
 つま先立ちしており、このままの姿勢を続けて立つとしたら、相当に苦しいだろう。

 布に覆われた頭部から見える顔は、人間のバランスを失して、かなりの小ささといえる。
 下に服を着けていないのに、頭はほぼすっぽり布に包まれているというのもふしぎだ。

 苫小牧市のサイトによると、1999年の設置で、材質はブロンズ。
 苫小牧ライオンズクラブの第45回地区年次大会を記念して設置した。

 作者については検索しても、この作品以外にまったく情報が出てこない。

 当時の北海道新聞苫小牧・日高版(1999年5月31日)に掲載された記事は、次の通り。

ライオンズクラブ国際協会331-C地区の第四十五回地区年次大会(大会長・瀬野篤史ガバナー)が二十九、三十の両日、苫小牧市内で開かれ、最終日の三十日、市内四クラブから市に、大会を記念するブロンズ像が贈られた。

 ブロンズ像の除幕式は式典に先がけて、市科学センター南側の遊歩道で行われ、札幌市在住の彫刻家光内恒子さん(31)が制作した高さ二百十センチの女神像「風のハーモニー」が披露された。

 この遊歩道は、市の文化の発信地であるカルチャーストリートであることから、親しみやすい女神の像に「自然と人と文化がハーモニーを奏でてほしい」という願いが込められた。


 女神だったのか…。



 前項の浅井さんの「メロディ」のほか、「勇払千人同心」「青年の樹」も近く、苫小牧でも有数の彫刻密集地帯となっている。



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