台湾ワン!(Taiwan One!)

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「小姐」xiao3 jie3と呼ばれて...

2008年10月01日 | 日々の日記帳
朝日新聞の「特派員メモ」にこんな記事があった。
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やってしまった。台湾から中国に出張し、上海から南京行きの新幹線に乗った。新聞を買おうと車内販売の若い女性に「小姐」と呼びかけた。女性は露骨に嫌な顔をして無視し、周りの数人の乗客が私の顔をじろじろ見た。

小姐は「お嬢さん」の中国語。台湾では年齢を問わず女性を呼びかける時に使える便利な言葉で、口にしない日はない。だが中国ではクラブなどの接客女性を指す。車内販売の彼女はサービス係を意味する「服務員」と呼ぶのが正しい。気をつけていたつもりだが慣れは怖い。逆に台湾で女性を「服務員」fu2 wu4 yuan2と読んだら、これまた失礼になる。

中国と台湾。50年以上も交流が途絶えたら語彙に違いが出ても不思議ではない。

政治・経済用語はほぼ同じだが日常用語が厄介だ。トイレは台湾では「洗手間」xi3 shou3 jian1で中国では「衛生間」wei4 sheng1 jian1。「タクシーに乗る」の俗語は中国で「打的」da3 di1だが、台湾では「搭小黄」da1 xiao3 huang2となる。台湾では金銭の不正取得は「A銭」と言って新聞の見出しにもなるが、中国人は理解できないらしい。

馬英久政権になって中台交流が活発化し台湾の本屋では用語の違いを解説した本が売れている。「一国両制zhi4」ならぬ「一国両字zi4」解消の日は来るのだろうか。
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台湾では「小姐」は職場で年齢(どんなに年配の方でも)・未既婚問わず使える便利な単語。街で「すいません!」と女性に話しかけるときや、レストランでウェター(おばさんでも)に呼びかけるときも大活躍。もちろん記事の元となった問題の「飲み屋の接客女性」の意味もある。たとえば「彼女は飲み屋でホステスをやっている」は「[女也]在酒家当小姐」。とにかく「小姐」は職場であれば、どんな職場でもとりあえず通用する汎用語。
(※職場以外なら、たとえば街で年配者に話しかけるときは個人的に「這位阿[女夷]a1yi2」または「這位[女馬][女馬]」がお勧め。年配者に「小姐」と呼ぶとかえってふざけて聞こえて失礼だから。微妙な熟女の場合は...、若く見られるからと喜ばれることもなきしもあらず...。そのへんは個人差ということで)

台湾人はなぜ中国人のように「小姐」と呼ばれても怒らないの?わたし的には「場所と状況」だと思う。どうみても「ノーマル」の場合は、誰でも自分が「ホステス」と呼ばれている気がしないから。記事を書いた記者もそういう台湾に慣れていて、ついやってしまったのだ。改めて言葉の習慣の違いを再認識。

ちなみに「服務員」はわたし的に「ふた」昔前の響き。適切かどうかわからないが、いまのJRからみた「国鉄」時代といったところでしょうか。

トイレは台湾では一般的に「洗手間」または「厠所」ce4 suo3というが、わたしはさほど親しくない相手の場合は、「用を足す」からイメージが遠い「洗手間」をよく使い、親しい間柄なら「厠所」と言っても恥ずかしくない。中国の「衛生間」は漢字の意味から、台湾人でも意味を理解できるが、「服務員」と同じく「遠い時代の言葉」に感じられてしまうから、中国に行ってもくおそらく口にはしないでしょう。(なにを言う?やはり「洗手間」か「厠所」に徹します。)

「タクシーに乗る」はなぜ中国で俗に「打的」という?香港辺りからの影響だと思う。香港ではタクシーのことを「的士」と音訳される。もちろん発音は広東語で標準語ではないが、標準語に乗って全国に行き渡るようになったと考えられる。それに「動作をする」の意味をもつ「打」と組み合わさって、「タクシーに乗る」が「打的」になる。

記者が取り上げた「搭小黄」はわりと新しい流行語じゃないかな?いまでもやはり「搭計程車」da1 ji4 cheng2 che1が主流だと思う。台湾はアメリカにまねてタクシーがすべて黄色い車体。その色から愛称「小黄」となったのでしょ。(実はわたし、この記事を見てはじめて知った)

余談だが、以前勤めた会社の中国人スタッフから「小黄」と呼ばれていた。中国ではそうかどうか不明だが、実は台湾で一番ポピュラーな「小黄」は、どこでも必ずいる野良の黄色い犬のこと!だから、呼ばれるたびに自分が犬になった気分...。

最後は金銭の不正取得の「A銭」。「A」は確か台湾語の「脅迫・強要」を意味する動詞の当て字だと思う。中国の方が理解できないのも当然のこと。

いずれにしても「一国両制zhi4」も「一国両字zi4」も、よっぽどのことが起きない限り、解消することはないでしょう。と私は思う。




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2 コメント

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勉強になりました (jupitar)
2009-03-10 05:02:05
こんにちは、中国語を勉強し始めた日本人です。突然の訪問、申し訳ありません。

記事をとても興味深く読ませていただきました。大学では中国大陸の言葉を習ったのですが、台湾では繁体字だけでなく言葉の意味も異なっているのですね。

ただ、「小姐」は中国でも女性に対する言葉として通用する事を大学で教わったのですが、実際は台湾のみの話なのでしょうか?
中国の方では「小姐」はあまりいい言葉でない、というのは意外でした。
そして台湾では「服務員」を使う事はあまりよくないのですね。
中国語はとても面白い。とても勉強になりました!!
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土地が違えば (こうりん)
2009-03-13 10:01:21
jupitarさん
コメント、有り難うございます。謝謝イ尓的留言!
「小姐」をどうあつかうか?結局、一番無難なのは、
現地の人がどう言ってるのかをまねることでしょうか?
中国語圏が広いだけに、その土地土地で、様々な状況も違うわけですものね...。
それと、台湾で「小姐」は全然OKよといっても、道ばたでヘンなおじさんにそう声をかけられたら、それはやはりイヤな感じですものね。
大体の状況をわかった上で、あとは現地で柔軟に対応を、でいきましょう。
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