中高年になると早起きになる。尿意からもあるだろうが、長く寝る体力も落ちてきているからだではないだろうか。若い時、平気で10時間以上寝ていたが、あれは寝る体力が豊かだったのだろう。今の私は23時に寝たら翌朝4時には一度目が覚める。さすがに早すぎるので二度寝をするが、それでも5時半か6時には起きてしまう。加齢とはそういう習性に変えてしまうことを言うのだろうか・・・。

朝は頭が冴えている。特に快晴の日は雨天よりもいろいろなアイデアや発想が生まれてくるので面白い。謡を覚えるには朝が一番効果的だと思っている。
何を隠そう私のブログのネタの大半は朝生まれている。

「ブログ拝見していますが、よく毎回ネタがありますね。感心しちゃいますよ」
と同業者に皮肉も込め言われるが、何にも気にせずにお応えしている。

「ネタはなんということはないのよ。早起きして外に出れば、脳が動き始めて勝手にいろいろなことを己に問いかけてくる。それに答えればいいだけのことよ」と。

シテ方能楽師が能を勤めるには、まず謡を覚えるところからはじまる。全部諳んじたら7割方その能は出来上がったと考えていいぐらいだ。それほど謡が大事でむずかしい。
私の謡暗記法は、朝散歩しながら覚えること。すると不思議と謡っている意味が判ったり、逆にもっと深い意味を知らなくてはいけない、などと新発見がある。脳が心地よく刺激してくれるのだ。

朝の脳がよい能創りには有効、これが私の結論だ。
今日も『葛城』を謡って来て発見が多かった。身体を動かし、謡を覚え、本当は大声を出せるともっと効果満点なのだが・・・。そろそろ東北大学能楽部の後合宿だ。学生さんには毎回お話しているが、再度、言おう。

「いいか、みんな騙されたと思って試してみてくれ、どんなに夜更かしして覚えるよりも、早起きして早朝に覚えるのがいい。その方が効率的だぞ!」と。

私も、この秋、いろいろ責任ある立場で謡わなくてはいけないことが多くなりそうだ。効率を考えると、早寝早起きという真面目回転にハンドルを変えたほうがよさそうだなあ。

文責 粟谷明生




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« ジョークから能へ 継続いろいろ »