昨日の投稿の続きである。
「このムダな努力をやめなさい」(成毛眞著)はビジネスピープル向けの本だが、能楽に携わる私にもいろいろと参考になった。

第三章
「仕事はラクをしないと成果は出ない」
「こんな終わっている人間とは距離を置け」

とまあ、お題目から興味がそそられる。では少し引用してみよう。

~他人から何かを学ぶには、その人になりきることがもっとも効率的だ。話し方や歩き方、口癖や視線の配り方に至るまでコピーして、それが身についたら、次は自分なりの方法を模索するのである。~

その通り私は実践している。世阿弥もまずは物真似から、と説いている。
但し、この真似には気をつけなければいけない落とし穴がある。
真似る者はお手本となる者のすべてを真似るが、真似してはいけないところまで真似てしまう、これは良くない。

この真似てはいけない部分を「悪」と呼ぶと、どうも真似の作業にはこの「悪」がセットで付き物になっているように思える。
この「悪」、意外と真似た当人は判らないが、真似されたお手本側にその人の「悪」を見せつけることが出来る。

謡や舞の稽古のときに
「なんだそれは! そんなおかしなことするな、ちゃんとやれ!」
と注意して

「え? ちゃんと一生懸命そっくりに真似をしたのに…」
と返り打ちに会うことがある。ちゃんとしなきゃいけないのは、真似されたお手本側だったりする訳で、これ笑い話ではない。

さて、真似られたお手本側がこのように自分の「悪」が見つかる場合はいい、救われる。
しかし、大半はお手本側の叱責の声に怯え、返り打ちは御免だと、心の内に納めてしまうのが世の常で、お手本側には得にならない。なんでも言われ、指摘を受けて、それを改善する方がお利口だ。

成毛さんの
「真似ることが身についたら次は自分なりの方法を模索する」
この方法が記載されていないのが残念だが、自分なりの模索、このことについて父の対応が「粟谷菊生能語り」で紹介されている。その方法を知りたい方は、私までご連絡下さい。
粟谷明生サイン入りの「粟谷菊生能語り」(定価¥3,360)を送らせていただきます。

で、最後は

「なに、宣伝?」
と呆られながらも、
懲りもせず


お申し込み先
akio@awaya-noh.com


コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



« 「このムダな... 粟谷能の会ホ... »
 
コメント
 
 
 
御本について (どうきゅうせい)
2012-10-20 08:05:02
すでに持っているものは、サインしていただけないのでしょうか?
 
 
 
お返事 (粟谷明生)
2012-10-20 08:43:55
どうきゅうせい様

ご持参下さい。
サインします。
但し、予め言ってね、朱肉と印が必要ですから。
 
 
 
!! (どうきゅうせい)
2012-10-22 07:43:04
本格的なのですね、畏れ多い・・・
 
コメントを投稿する
 
現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。