能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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能『葵上』の主人公は六条御息所

2014-10-14 17:22:20 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
11月1日(土)は古典の日。喜多能楽堂にて『葵上』のシテを勤めます。

世の中には、プライドが高い人がいます。「源氏物語」の六条御息所もそのひとり。

時は葵祭りの頃、光源氏の正妻・葵上と六条御息所が祭り見物の場所取りから事件は起きます。最初からよいところに留めていた御息所の車に対して、後から来た葵上の車を引く男どもが数名、「俺たちの車には偉い葵上様が乗っておられるだぞ~、どけ~場所をあけろ~」と、わめき散らし、御息所の車を祭りが見えない奥へと追いやります。車もベコベコ状態にされ散々な目にあわされた御息所様。

さあ~たいへんお怒りですがプライドが高い六条・熟女・御息所様は、あらわに怒ることが出来ません。

葵上の旦那、以前おつきあいしていた源氏様へは恨み、怒りは表しませんが、同性の若妻葵上には、めっちゃ腹を立て、心の中は怒り爆発寸前です。

プライドが高い女がプライドを傷つけられるとたいへん・・・。しかも高貴な方ですから。

本来ならば葵上の連れている男どもを恨めばいいのに~~なんですが・・・。

熟女・御息所様は若妻・葵上に「あんた単に妻になっただけじゃないの~、私はね!あなたなんかよりずっと以前から源氏様のことは知っているのよ!それを正妻ヅラして偉そうに・・・あ~気分が悪い、あたまにくるわ!
と、たぶんそう思っていたのではないだろうか?と想像して、御息所の生霊を演じたいと思っています。


チケットはネットでお申し込みになれますが、喜多能楽堂でもお取り扱いしております。
電話 03-3491-8813
皆様のご来場、お待ちしております。

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