新聞に「所有者不明土地」の社説があった。調査によると、全国の土地の20%が所有者不明という。不明土地は約410万ヘクタールに達し、九州より広いとある。
このため公共事業や再開発の用地買収が難航するようだし、災害復興の妨げにもなるとか。相続登記の義務化などの法整備をするらしいが、そもそもの所有者がわからなければ、相続人は相続登記ができまい。
だいぶ昔になるが、ある町の町長名で「公共用地に係る登記承諾の依頼について」という公文書が届いた。
相続人は祖父(父方)で、その土地を消防用地などの使用のため町に寄付してほしいという文書であった。土地台帳で所有者は判明したのだろうが、祖父も父も亡くなっており、我ら兄弟はそんな知らない場所にある土地なんぞ知る由もない。
つまり、登記されていても所有者が二代前、三代前の者のままでは相続人が不明もあり得るし、相続争いも起こりかねない。眠った子を起こさないほうがよいのではないか。
固定資産の納税義務もあることからそうもいかないのだろうか。
さて、我ら兄弟はその土地の寄付を承諾し登記承諾書を送付した。厄介なのは印鑑証明書を添付することだ。
その後、所有権移転登記完了の報告文書が届いた。