念版屋スケッチブック

日々のスケッチ、星のメモ帳

哀別

2018年03月12日 | デッサン

 

  術後、公園に面した談話室でひとりで窓辺にたたずむ女性患者をよく見かけた。

私と同じような点滴、栄養剤をつけていた。

ほどなくして会えば話すようになり、展望の良い12階まで一緒に行って話したりもした。

話せば、彼女はもう2カ月も入院していて食事も口からまだ食べさせてもらえないと言う。

いろいろ話すと、主治医も同じで、どうやら肺と食道を切っているようです。

私の場合胸は肋骨の横から切ったのですが、彼女は胸の前面を切ったようです。

切り口も見せてもらいました。

思うに彼女の場合は、肺ガンが食道まで転移して、肺と食道を切ったのではなかろうか。

私の場合はもう口から食事も食べていますが、彼女の場合は食べる練習を始めたばかりである。

そして彼女は今日近くの胃腸科病院に転院するという。

そこで食べる練習をしてから退院だそうです。

 

面影から品が良く、若い頃は美人であったことは間違いない。

看護師から・・・・あの人とは一回り年が違いますよ・・・・と言われた。

恋心とかいうものではありませんが、一か月ほど会うと話したりしていたので情が湧いたとでも言うのでしょうか・・・・・。

小さな出会いと別れ。