朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

サン・シュルピス教会

2009-10-05 | 外国の風物
サンジェルマン地区にはサンジェルマン・デ・プレ教会があって、由緒あるいくつかのカフェや、映画館、ブティックが集まっています。
 地図を見ていて、最近、世界中の観光客から人気の教会があることに気がつきました。



 メトロのサンシュルピス駅のプラットフォームですが、意図的にこんな洞窟、あるいはカタコンベ風に壁面を仕上げているのでしょうか。

教会前の広場には、巨大な彫刻に飾られたヴィスコンティ作の噴水があります。



 教会に入って直ぐ左手のチャペルには、ドラクロワのフレスコ画が2枚飾られていて、聖書の場面を寓意的に表現していました。



 この教会が、小説と映画「ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著)の謎解きの一つとして登場するまでは、「噴水」「ドラクロア」「パイプオルガン」が名物でした。

 現在は、この小説に出てくる「オベリスク」と「ローズライン」を見るために、観光客が押し寄せてくるようになっています。

 教会の床面を見ると、こんな奇妙な真鍮の線や円と文字が埋め込まれていました。



 左の写真の線をたどって、椅子の置いてある先をたどっていくと、その壁面には・・・
 ......「オベリスク」が。



 反対側のラインを眺めた写真が、上の右です。上部には半円と長方形の窓があります。
 このオベリスクの形をした装置は、実は、「グノモン(gnomon)」と呼ばれる中世の天文観測器で、日時計の役割も果たすものでした。



 教会が用意したグノモンの説明が掲示してありました。
 夏至や冬至、春分秋分には、反対側の窓からの太陽光が所定の位置に届くことを示しています。

 教会の掲示には、この床面のラインは「ローズライン」と呼ばれたことは無いし、異教徒の秘蹟となったことも全くないと、小説のプロットを否定していました。



別の掲示された図面を見ると、以前には小さな古いキリスト教の教会が建っていてその遺跡の上に現在の教会が建設されたと説明してありました。
 
 ダン・ブラウンは、この史実をヒントに元の遺跡を異教徒の教会として、ストーリを組み立てたわけです。
 「オベリスク」にしろ、「ローズライン」にしろ、作家の創作力はすごいですね。逆に言えば、そんな歴史上の素材から、ストーリを組み立てる面白さに少し引かれました。直木賞の山本兼一さんの講演会の時もそんな感想を持ちましたが。

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