朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

韓国のシャーマニズム

2009-05-12 | 伝統芸能
造形大「日韓伝統芸能史」の続編。
 この日は、韓国のシャーマン、神がかりになる人々と宗教、民族の伝統文化のお話しがありました。
 講師は崔吉城(チェ キルソン)先生。1940年生まれ、ソウル大学卒業、72年に日本留学、文化人類学専攻。

 アジアのシャーマニズム、特にシベリア満州朝鮮の伝統的シャーマンについて、画像映写の交えながら、飄々とされるお話しを拝聴しました。

 「神がかり」、トランス状態になる。その手段として、煙(お香)、ダンス、音楽、酒、麻薬(南米の場合)などがあります。伝統的な状況では、現代の法律とは別の基準や文化があるといくつかの実例の説明がありました。

 韓国では、現在キリスト教の信者数は30%に近い。その中でも、伝統的なシャーマンの儀式を取り入れて信者を増やしている教会がある。
 その背景として、戦前の儒教は男性優位、父性優先の教義があり、儒教では否定されていた母娘関係や子供の存在と尊厳を認識したシャーマニズムやキリスト教が受け入れられたのではないか。

 一方で、ソ連時代にシベリアの伝統は迷信として廃絶され、また現代の中国ではシャーマニズムはほとんど消滅したとの説明がありました。
 日本でも、東北の恐山、沖縄に少数のシャーマンが残るだけです。

 ※講演では触れませんでしたが、現代も(現代だからこそ)新興宗教やオカルト集団では、秘儀行事、秘蹟、歌・ダンス、(薬物による)トランスなど、多種のシャーマン的「宗教」活動はあるだろうと思いました。



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