ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

ライス元米国国務長官自伝

2012年03月08日 | 女性の自立

 

前回のマレーシア旅行でゲットした、元国務長官ライスさんの自伝。この前行ったバンコクのキノクニヤではまだ販売されてなかったので、マレーシアで先行販売されたのかなあ。

 

 

女性の自伝は大好き☆ 

特に世界を動かしてた女性となると、人間的にも面白いし、英語もかっこいいし、背筋が伸びながらビール片手にぐんぐん彼女の世界に引き込まれるのである。

彼女の最初の大きな仕事は、国家安全保障問題担当大統領補佐官。これがなんとも面白くって、専門的な仕事をやってるというよりは、仲の悪い人たちの間をとりもってばかり。最終決定を下すのは大統領とはいえ、その決定を下すまでに、紆余曲折の人間関係のぐちゃぐちゃがある様子が臨場感あふれる様子で紹介されてて、とっても面白いのである。学問の世界から政界に入った彼女にとって、そういう魑魅魍魎の世界はどう映ったんだろう・・・・・国務長官にのぼりつめるまでを読みながら追っかけるのが、とっても楽しいのだ。

ちなみに、バンコクの空港ではイギリスの元首相ブレアさんの自伝も売ってたんだけれど、ペーパーバックだし、いまいちかっこよくないのである。自伝となると、ハードカバーで、分厚くって、手に取るだけでわくわくするようにデザインとかも考えてほしいな。

 

 

 


男と女ー

2012年03月08日 | カンボジアのジェンダー規範

 

中学生のころとても好きだった渡辺淳一。京都を舞台にした大人の世界の話がとっても素敵だなあ・・・・と内容もよくわからないままに読んでたのだ。シャトールージュで、ああ、この人はこんな作品を出すようになったか・・・・とちょっとがっくりしたのだけれど、古い作品は今読んでも素敵で、時代を超えて共感される人間関係を上手に描いていると思う。

↓子どもに大切なのは社会勉強、ラヨットを連日連夜バーに連れ出すのである

 

「男と女」は、渡辺淳一が、自分の作品の中から男性について、そして、女性について、それぞれ作品の中で書いていることを「愛」を主軸にしてとりまとめた引用集。

 

渡辺淳一の作品は、たいてい美人しかでてこないのが難点なのだけれど(物語だよなあ・・・と思ってしまう)、でも精神的に自立してたり自己主張できる女性が多いので、なかなか読みごたえがあるのだ。加えて、彼の描く男性は、たいていお金持ちで、精神的に弱い。こういうところが、人気作家のゆえんだろうと思ったりするのであるけれど、医者として多くの患者をみてきて、女性のほうが生命力も強いと実感してるのにくわえ、作家として素敵な女性とたくさんロマンスがあるんだろうなあ・・・とか察してしまうのである。また同時に、女性については、生理や出産を通して身体がどんどんかわっていくっていう記述もあって、医者の観点からそういう体の変化を認識してるのかなあと思うのである。

↓いやはや、子どもはたくさん恋愛してくれるかな??

 

 

男は表面こそ強がりを言うが、その実、生命力の根幹にかかわる点では、はるかに弱い。くわえて精神的な面でも男は弱く、たとえば孤独や、忍耐力、さらには環境に対する適応力などにおいても、いちじるしく劣る。(淑女紳士諸君、より引用)

↓とりあえず、オンナよりもアルコールより、食べることが好きな子ども

 

「女性のほうが弱い」という一般論を、なんとか打破したいと思うわたし。男も女も、二分法で語れるのではなくって、個人差なのだ。でも、渡辺淳一がいうように、男性より女性のほうが強いっていう男性の主張を否定はしない。子どもを産んだ女性は、強くならざるをえない(それは、本来男性もそうなのだけれど・・・・、でもまた種をまくってことは可能だし)。男と女かあ、二分法で語りたくないけれど、実際恋愛は男女間でのほうが多いのだから、男と女って切り口は、まだまだ続くんだろうなあ。

 子どもを通じて、男女関係についてもいろいろ考えたいな☆ 

ぜひぜひ、素敵なボーイフレンドをつれてきてほしいのだけれど、さてさて、母親の希望なんてぶちこわすのが子どもなのだろうなあ。

 

 

 

 


Human Traffickingー人身取引

2012年03月07日 | 女性の自立

 

ジェンダー学の講義で、人身取引について連続講義中。これまで自分自身がいろいろと調査でかかわったり、被害者たちと接してきたこともあって、講義だからといってあまり準備はしないんだけれど、毎回かなり力の入る講義。

たまたま、久しぶりにカンボジアに戻ってきたVichutaおばちゃんのところに遊びにいったら、「例の映画、アメリカで買ってきたよん」とのこと。Human Trafficking (人身取引)というタイトルの映画で、ぜひ見たいなあって言ってたのだ。

借りてさっそく見てみると、まあなんとも悲しすぎるし内容なのと、超がつくくらい腹の立つ映画。出来栄えは相当よいのだけれど、一般受けはしないだろうな・・・・講義とか教育目的で作られたのだろうか。

↓フランス人の友達が「家庭料理よ」と言う料理、Atmosphereで

中欧から人身取引されてアメリカに連れてこられる数多くの女性と、フィリピンで誘拐されて売られちゃう白人の女の子が中心になってるのだけれど、まあ、よくここまで映画にできたなあというくらい、残酷な現代の奴隷制について描き出しているのだ。

↓わたしはいつもこのサラダ

人身取引の映画は、ドキュメンタリーを含めいろいろと講義を進める中で上映していくのだけれど、以前よく上映していたのはリリア・フォーエバ-。スェーデンの人身取引を描いた実話にもとづく話でかなり出来栄えもいいのだけれど、レイプのシーンがかなり残酷なので、カットして上映したりするのがなかなか邪魔くさくなってきて(そういう残酷なシーンも見てほしいけれど見せると問題になりそうって不安もある)、最近はちょっと上映してなかったのだ。

カンボジア語でも人身取引関係のDVDはいろいろあるのだけれど、今年に入ってから「RED LIGHT」っていうカンボジアを舞台にしたドキュメンタリーも上映中。これは、クメール語なので、学生のうけはかなりいいのだけれど、私は個人的にあまり好きではないドキュメンタリー・・・というのも、かなりハリウッド的に色づけされているから。

↓なぜか、がぶりと母をかむ子ども、腕の傷を撮影

子どもにがぶってかまれただけでもいたいのに、人身取引の被害にあう女性たちは、なぐられる・けられるの連続・・・・なんて、比較しちゃあいけないんだけれど、肉体的に痛いのも精神的にいたいのも、つらいよなあ、などと思うのである。

この映画、Human Trafficking は、第一部が90分、第二部が90分の大作。作り話とはいえ、何度も目をそらさなきゃいけなくなったし、さらには、どうなるか心配で見るのがつらい・・・・・みたいな、臨場感あふれる映画。

おじいちゃんになってもドナルドサザーランドはかっこいいなあと思ってしまう以外は、楽しくないんだけれど、この映画は人身取引に関する認識を高めてもらうためには、抜群にいい映画。ちょっと長いのと、ショッキングすぎるシーンが多いから、学生向けに上映するかは要検討だけれどなあ・・・・でもぜひ見てもらいたいなあ。

 

 

 

 


比較法学会 

2012年03月06日 | カンボジアの生活

 

カンボジアのRULEとPUCが、名古屋大学と毎年開催している比較法律学会。今年はPUCが会場になったので、学生を動員して参加することに。

残念なことに、プノンペン大学での講義と重なってしまったので、ちょっとだけの顔出し。参加したセッションは、プノンペン裁判所の裁判官の方の発表で、「ハーニパイ」について。いったいこのクメール語、日本語でなんていうんだろう・・・って考えながら聞いてたのだけれど、物忘れの激しいわたし、以前1年間も司法省で民法起草にかかわる仕事をしてたのに、この単語が思い出せないのである。

「5時間でとりにくるという約束で、AさんがBさんに豚を預けました。でもAさんは5時間が過ぎても豚を取りに来れなくって、その間に豚がけがをして価値が下がりました。誰が責任をとりますか」という事例とか、いろんな面白い事例を紹介してくれる裁判官さん。

英語では、Risk Coverageという題目なのだけれど、日本語でなんていうんだろう・・・・

民法は、親族家族法とか、相続とか、女性の権利擁護にかかわる条文がたくさん。UNWOMENの事業では、民法をCEDAWのコンプライアンスの視点から分析するっていう活動がはいってるので、詳細にわたる分析がはやくできてくるといいなあ。

 

 

 

 


カンボジアーナのプール

2012年03月05日 | カンボジアの母子保健

 

カンボジアーナのプールが、割引になってるとのことなので、みんなでおでかけ。

↓せっかくなのに、ずっと寝てる子ども・・・・・

会議でくるたびに、プールの横でブレイクがあったので気になってたプール。閉鎖して工事をえんえんとやってた記憶があるんだけれど、きれいになって再オープンしたらしい。

バーも併設されてて、眺めは抜群だし、夕方来て飲みたいなあと思うのである。

↓PIZZAは分厚い、超空腹だったのでおいしかった☆

なんだか、ばたばたしてたので、あまり写真をとれなかったのだけれど、まったりしたかんじの午後を過ごすにはばっちり。ただ、プールは直射日光をあびざるをえない場所になってるのが残念。太陽光が苦手なわたしは、ほとんど入れなかったのである。

 

 


まったりの午後

2012年03月05日 | カンボジアで感じたこと

 

 プノンペン大学へと講義にいくと、別に寄らなくってもいいんだけれど、帰路はエレファントバーに寄りたくなるのである。

↓大学の講義の様子、グループ討論してもらってるところ

修士課程の開発学コースは、いろんな人がいて、とにかく楽しい。政府の人も数名、NGOや国際機関のひとたちも多数。地方から通ってる人も数名いて、毎週末だけプノンペンにあがってくるそうな。えらいなあ。 

↓バーは、明るいうちに行くと、閑散としてて遊び放題

  ↓乾杯大好きの子ども 

暑くなってきた今日この頃、講義のあとの生ビールはたまらなくおいしいのである☆

↓エレファントバー常連の子どもたち、いったいどんな大人になるんだろう?

にぎやかな家族、みんな健康だし、幸せだなあと思うのである。

 

 


高等教育へのジェンダー主流化

2012年03月04日 | 女性の自立

 

大学などの高等教育機関で、どのくらいジェンダー学の講座が開設されているかの調査結果の発表会に出席。昨年8月頃にこの調査のインタビューを受けていて、どんな結果がでるのかとっても楽しみだったのだ。

↓調査はRUPPの先生とGADCが共同で実施

調査では、181人の学生と71人の教員にインタビューしてて、学生の97%がジェンダー学を勉強したいと回答、教員の71%がジェンダー学の講座を開設することが重要と回答。ちなみに、教員の5%はジェンダー学の講座は不要だと回答していて、名前を公表しろ!!って言いたくなるのである。うちの同僚でないことを期待しよう。

うちの大学は、カンボジアでは唯一ジェンダー学が必須科目になっているの超珍しい優秀校。毎年1500人がジェンダー学を受講するっていう異例というのか、珍しいカリキュラムの大学。現在、ジェンダー学は7人が担当していて、わたしはそのジェンダーチームのリーダーというのかとりまとめ役なのだけれど、まあ、教員一人ひとりの個性も違うし熱心さも違うから、レベルの高い講義をやってもらうのは、そりゃあ大変なのだ。

公立大学ではジェンダー学を開設しているところはなくって、「カリキュラムは3年先まで決定していて、変更するにはけっこう大変な手続きが必要」だそう。

ジェンダー学を導入することへのバリアーとしては、「教員不足、カンボジア語の教科書がない、カリキュラムがない、男性のマスキュリニティを減少させることになる」などなど。カリキュラムの改変と、カンボジア語でのテキストなど副教材の充実が必要であることはまったく同感。

今回の調査、なかなか面白い結果なのだけれど、残念なのは、高等教育機関の組織的なジェンダー主流化の視点での質問がなかったこと。いくらジェンダー学を導入しようとしても、組織としてジェンダー政策がなかったりセクハラ方針がなかったりすると、講座を一つ設けるくらいでは、不十分なのである。大切なのは、ジェンダー主流化を組織的に進めていくこと、男女平等について基本原則として組織が理解すること。それには、まだまだ時間がかかるなあ。

 

 

 

 


TOPAZで素敵なランチ

2012年03月04日 | カンボジアの母子保健

 

お雛祭りの3月3日、TOPAZで、女子会ランチ。

↓素敵なベビーチェアもあるTOPAZ

コース料理なのでいろいろ出てきたけれど、一番おいしかったのはパンではないかと思うわたし。

↓バターの入っている容器がおしゃれ、ラヨットは指をつっこんで食べるのである

わたしの前菜、セロリ料理。ちょっとマヨネーズが濃すぎて、わたしも子どもも苦手かも。

子どもたちが食べやすいかなとおもって注文したパスタ、悪くないけれどそれほどでもなかったかな。

午後から講義があったので、残念ながらワインは楽しめなかったのである・・・・無念・・・・・・

デザートは4種類で、甘いものは食べられないから適当に注文するのである。

↓マウのとわたしのデザート、全部ラヨットが食べるのであった

ホテルのランチは、会議とかで頻繁に行くことがあるのだけれど、TOPAZのような素敵なレストランに行くのは久しぶり。たまには、子どもをつれて、大人の時間を楽しんでもらうのもいいなあと思ったのである。

 

 

 


もうひとつの土曜日

2012年03月03日 | カンボジアで感じたこと

 

週末の政治学の講座の準備をする時間が十分にとれなくって、雑用で走り回ってるわたし。

あーあ、かわいそうなのは学生・・・・?

明日は土曜、学生時代に好きだった歌を思い出すのである。いいなあ、土曜にたらたらしたいなあ。

↓なんか、おおきくない?うちの子ども?

もうひとつの土曜日

 

君を思うとき 喜びと悲しみ

ふたつの思いに ゆれうごいている

君を裁こうとするそのこころが 時にオレを傷つけてしまう

今夜町にでよう 友達に借りた おんぼろ車で海まで走ろう

この週末の夜は俺にくれないか

たとえ最初で最後の夜でも

 


女を殴る男たち

2012年03月02日 | 女性の自立

 

ドメスティックバイオレンスについて書かれた本、「女を殴る男たち」。5年にわたる取材を経て書かれた大作で、日本とアメリカのDVの事例が多数紹介されているほか、アメリカと日本の行政・民間の被害者保護・加害者教育についても紹介されてて、2国でどれほど取り組みが違うかがわかる(といっても10年以上前に書かれた本だけれど)。

↓ラヨットのいとこたちが遊びに来て、にぎやかな家

昨年日本でもストーカー殺人があったりして、男性から女性に対する暴力は注目をあびてる。でも、ストーカー殺人が防げなかったように、まだまだ取り組みは遅れてる。被害者の女性は警察に何度も助けを求めてたのに、なにやってたんだ・・・・殺人がおきてからでは遅いのだ。

↓一緒に遊ぶというよりは、てんでばらばら・・・・・

家庭っていう自分に一番身近でプライベートだと思われている空間が暴力の場所だったら、家庭が一番怖い場所になってしまう。そういう場所から飛び出せる勇気と、飛び出す女性や子どもを受け入れられる体制を社会がもってないといかんなあと思うのである。

 

↓ラヨットのいとこは、3人姉妹。みんな元気に育つといいなあ。 

この子達が大人になって、加害者としても被害者としてもいずれにしても暴力で苦しまないように育てないなあ・・・・